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ランジ筋トレとは?効果や正しいやり方について徹底解説!

公開日:2024.06.25

ランジ筋トレとは?効果や正しいやり方について徹底解説!

文:織田 ユウヤ(トレーナー)

「スクワットだけでは効果が出なくなった」「もっと下半身を鍛えるにはどうすればいいんだろう」とお悩みの方はいませんか?

下肢の筋トレといえばスクワットが一般的ですが、太腿やおしりをバランス良く鍛えるためには「ランジ」が効果的です。しかし、ランジについて知らない方もいらっしゃるかもしれません。そこで本記事ではプロのトレーナーが、ランジの効果や正しいやり方、種類について詳しく解説します。記事を読めば、正しいフォームでランジができるようになり、体の変化を実感できるようになってくるでしょう。短期間で効率良く下半身を鍛えたい方は、ぜひ参考にしてください。

ランジとは?鍛えられる筋肉について

ランジは下肢を鍛える代表的な筋トレの1つです。足を大きく前後左右に開いてひざや股関節を曲げ伸ばしすることで、脚やおしりの筋肉を鍛えられます。スクワットでは両足を同時に鍛えますが、ランジでは片足ずつ負荷をかけます。ランジで主に鍛えられる筋肉は以下のとおりです。

● 大腿四頭筋
● 大殿筋
● 中殿筋
● ハムストリングス

トレーニング中に鍛える部位に意識を向けることで筋トレの効果が上がると言われています。そのため、ランジで鍛えられる筋肉を知ってからトレーニングをスタートするのがおすすめです。それぞれの部位を確認していきましょう。

大腿四頭筋

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大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は、太腿の前面にある大きな筋肉です。大腿直筋(だいたいちょっきん)と外側広筋(がいそくこうきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、中間広筋(ちゅうかんこうきん)の4つの筋肉からなります。主な役割は次の2つです。
● 膝を伸ばす
● 膝が曲がることに抵抗する
ランジでは、ひざを曲げたり、伸ばしたりする動作で使われます。

大殿筋

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大殿筋(だいでんきん)は、おしりにある大きな筋肉です。歩く、走る、階段を上る、などの運動で使われます。主な役割は以下の3つです。
● 股関節を後ろへ伸ばす(立ち上がる動作)
● 股関節が曲がることに抵抗する
● 骨盤を回旋させる
ランジでは、股関節を曲げたり、伸ばしたりする動作で活動します。

中殿筋

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中殿筋は、おしりの側面にある筋肉です。骨盤を安定させたり、左右に動いたりする動作で使われます。主な役割は以下のとおりです。
● 開脚する
● 骨盤を平行に保つ
ランジの動作中は、骨盤を平行に保つために活動します。

ハムストリングス

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ハムストリングスは、太腿の裏側にある筋肉の総称で、股関節とひざ関節の動きに関わります。主な役割は以下のとおりです。
● 膝を曲げる
● 股関節を後ろへ伸ばす(立ち上がる動作)
● 股関節が曲がることに抵抗する
ランジでは、踏み込む足のハムストリングスが活発に働き、大殿筋と協調して体の上下運動をコントロールします。

ランジの効果3選

スクワットとランジは両方とも下肢を鍛えるトレーニングですが、ランジは両足で行うスクワットとは異なる特徴があります。ランジで期待できる効果は以下の3つです。
● 下肢筋力の左右差が整う
● ヒップの形がきれいになる
● バランス機能が向上する
それぞれ解説します。

下肢筋力の左右差が整う

ランジは、下肢筋力の左右差を整える効果が期待できます。なぜならランジは左右それぞれの足に、個別の負荷をかけるからです。スクワットの場合、強いほうの足に負荷が集中し、筋力の左右差が広がる可能性があります。しかしランジであれば、弱いほうの足だけに負荷をかけられるため、左右差の改善につながります。

ヒップの形がきれいになる

ヒップの形がきれいになることも期待できます。ランジはおしりにある大殿筋や中殿筋に大きな負荷をかけるからです。大殿筋はスクワットでも鍛えられますが、ランジの場合は中殿筋も強く活動します。そのためランジを行うと、おしり全体の筋肉がバランス良く鍛えられ、美しいヒップラインがつくられます。

バランス機能が向上する

正しいフォームでランジを行うと、体のバランス機能が向上します。足の踏み出し動作は姿勢を安定させることが難しく、バランストレーニングになるからです。とくに、横方向のバランス機能はスクワットでは鍛えにくいため、ランジならではのトレーニング効果といえるでしょう。ランジは、筋肉を鍛えるだけでなくバランス機能の向上にも役立ちます。

【種類別】ランジの正しいやり方

ここからはランジの正しいやり方を種類別に紹介します。代表的なランジの種目は以下の3つです。
● フロントランジ
● サイドランジ
● バックランジ
それぞれ、違いや正しいフォームについて解説していきます。

フロントランジ

ランジ筋トレとは?効果や正しいやり方について徹底解説!

フロントランジは足を前方へ踏み出す基本のランジです。一般的に「ランジ」と言う場合は、フロントランジのことを指します。手順は以下のとおりです。

1. 足を腰幅に開き、背筋を伸ばして立つ
2. 片足を大きく前に踏み出す
3. 前足の膝を曲げ、太腿が床と平行になるまで腰を下ろす
(後脚の膝は床ギリギリまで近づける)
4. 前足の太腿に力を入れて、元の姿勢に戻る
5. 左右交互に、片側10回を2~3セット行う

初心者の方は「前方の床に落ちている紙を上から踏みつける」ことをイメージしてください。

サイドランジ

ランジ筋トレとは?効果や正しいやり方について徹底解説!

サイドランジは片足を横方向へ踏み出します。おしりの側面にある中殿筋に大きな負荷がかかります。手順は以下のとおりです。

1. 足を腰幅に開き、背筋を伸ばして立つ
2. 片足を横方向に踏み込む
3. 踏み出した足の膝が90度になるまで腰を下ろす(つま先と膝は斜め前方に向ける)
4. 踏み出した側のおしりに力を入れて、元の姿勢に戻る
5. 左右交互に、片側10回を2~3セット行う
足を横に踏み込んだ際は、おしりを後ろに引いて、股関節から動かすようにします。慣れない方は「踏み出したほうのおしりで後ろの壁を壊す」ことをイメージしましょう。

バックランジ

ランジ筋トレとは?効果や正しいやり方について徹底解説!

バックランジは片足を後ろへ引いてから腰を落とす運動です。フロントランジやサイドランジよりも、ひざへの負担が少ないというメリットがあります。
手順は以下のとおりです。
1. 足を腰幅に開き、背筋を伸ばして立つ
2. 片足を後ろに引き、前側の太腿が床と平行になるまで腰を下ろす
3. 前側の太腿に力を入れて、元の姿勢に戻る
4. 左右交互に、片側10回を2~3セット行う
メインで鍛えるのは前側の足です。前側の足に十分な負荷をかけるために、後ろに引いた脚に体重をのせすぎないように注意してください。
初心者の方は「後ろに置いたクッションをつぶさない」ことをイメージすると良いでしょう。

ランジを行う際の注意点

ランジを正しく行うための注意点は以下のとおりです。
1. 曲げたほうのひざを足部の真上に保つ
2. 背筋を伸ばす
3. やさしく着地する
4. 休息日をつくる
5. 痛みを感じたら即中止する

これらを守ることにより、けがのリスクを最小限に抑え、効率良く下肢を鍛えることができます。
それぞれ確認していきましょう。

ひざを足部の真上に保つ

ランジを行う際、前側のひざを足部の真上に保つことが重要です。ひざの位置が間違っていると、関節に大きな負担がかかり、けがのリスクが高まります。具体的には次の2点に注意しましょう。
● つま先よりも前に出さない
● 内側に入らない
鏡を使って、ひざが足部の真上にあることを確認しましょう。

背筋を伸ばす

動作中は、背筋を伸ばして正しい姿勢をつくりましょう。猫背になると腰に負担がかかり、トレーニングの効率が悪くなるためです。具体的には体幹に力を入れて、あごを引き、背筋を伸ばします。下半身だけに集中せずに、上半身の姿勢を意識することも大切です。

やさしく着地する

足を踏み込む際は、やさしく着地しましょう。強く着地すると、ひざや足首に過度な負担がかかるためです。クッション性のある靴を履き、コップの水に波が立たないようなイメージで着地します。ひざと股関節をやわらかく曲げ、ゆっくりと踏み込んでください。

休息日をつくる

毎日ランジを行うことは避けましょう。ランジは負荷の高い運動であるため、毎日行うとけがのリスクが高まるからです。初心者の方であれば、週2日からはじめて、慣れてきたら週3日に増やします。トレーニングの間には必ず休息日をつくり、無理のないペースで行うことが重要です。

痛みを感じたら即中止する

運動中に関節の痛みを感じた場合は、すぐに中止してください。無理に運動を続けると、けがが深刻化する可能性があります。休息をとり、痛みが改善するまでランジを行うべきではありません。痛みが続く場合は、専門家に相談しましょう。

まとめ

今回はランジの効果と正しいやり方について解説しました。ランジは、太腿やおしりの筋肉を効果的に鍛えられる、すぐれた種目です。また、筋力の左右差の改善やバランス機能の向上にも役立ちます。

動作中は、ひざの位置や姿勢に注意し、正しいフォームで行いましょう。ランジとスクワットを組み合わせれば、力強くバランスの良い、美しい下半身をつくれるはずです。ぜひ普段のトレーニングにランジを取り入れてみてください。

<参考文献>
【論文】
Speirs, D. E., Bennett, M. A., Finn, C. V., & Turner, A. P. (2016). Unilateral vs. bilateral squat training for strength, sprints, and agility in academy rugby players. Journal of Strength and Conditioning Research, 30(2), 386-392.

McCurdy, K., O’Kelley, E., Kutz, M., Langford, G., Ernest, J., & Torres, M. (2010). Comparison of lower extremity EMG between the 2-leg squat and modified single-leg squat in female athletes. Journal of Sport Rehabilitation, 19(1), 57-70.

【書籍】
NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識 第2版

【アプリ】
Planfit
ヒューマン・アナトミー・アトラス2023

織田 ユウヤ

織田 ユウヤ

順天堂大学スポーツ科学部スポーツマーケティング学科卒業。スポーツショップやフィットネスメーカーの勤務を経て、スポーツジムやメディカルフィットネスジムでトレーナー兼マネージャーを務める。トレーナー歴は15年以上。
各種トレーナー資格、健康運動指導士、NSCA-CPTなどの資格を保有

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