フリーランスで働く理学療法士ってどうなの?働き方やメリットなどについて解説
公開日:2024.01.08
文:rana(理学療法士)
理学療法士の多くは病院や施設に雇用されて働いています。しかし、最近は「フリーランス」として活躍している人も増えています。フリーランスと聞くと自由なイメージがありますが、実際はどのような働き方をしているのでしょうか。
今回はフリーランスとして活動する理学療法士について、働き方やメリット・デメリットなどについて解説します。
目次
そもそもフリーランスとは
フリーランスとは企業や会社に属さず、個人で仕事を得て働く個人事業主を指します。フリーランスは自由な働き方といったイメージで使われている言葉ですが、語源は「自由な槍(freelancer)」からきています。
中世ヨーロッパで、特定の主君を持たずに自由契約で雇われた兵を「freelancer」と称したことが語源となっており、特定の施設や医療機関に雇用されていない状況を指すケースが多いでしょう。
ただし、法的な根拠はなく、フリーランスという証明書もありません。そのため、本業をこなしながら副業でフリーランスとして活動することも可能です。
フリーランスの理学療法士の働き方
実際にフリーランスとして活動する理学療法士はどのような働き方をしているのでしょうか。主な例を以下にまとめてみました。
・整体院やボディサロンを開業
・パーソナルトレーナー
・セミナー講師
順番に見ていきましょう。
整体院やボディサロンを開業
最近では、理学療法士の知識を活かして、整体院やボディサロンを開業する人が増えています。
理学療法士は開業権がないので保険診療はできませんが、一般的な整体やカイロプラクティックなどで開業することは可能です。
また、その他の資格を取得し、ヨガ教室などを開業している人もいます。身体の専門家に施術や指導を受けたいというニーズは高く、開業しやすいのが特徴です。平日は病院で働いて、週末のみ自分の治療院で施術をする人もいます。
パーソナルトレーナー
理学療法士の資格を持ちながら、スポーツジムや個人契約のパーソナルトレーナーとしてフリーランスとなる人もいます。ダイエットや筋力アップ、パフォーマンス向上などを図りたい方に向けて、理学療法士の知識やスキルの存分に活かせることでしょう。
パーソナルトレーナーに特別資格は必要ありませんが、トレーナーの民間資格などを取得していれば、プロチームに所属できる可能性があるなどより活躍の場が広がります。
セミナー講師
これまでの臨床経験や知識を活かして、セミナー講師として活動している理学療法士もいます。
若手理学療法士向けの研修会や、一般の方向けの健康セミナーなど、自分の得意分野に特化した内容の講義をするのが一般的です。
実績を積んである程度有名になれば、集客数や講義回数も増え、収入アップが期待できるでしょう。
理学療法士がフリーランスで働くメリット・デメリット
フリーランスは自由な働き方ができるということから、メリットが多いイメージですが実際はどうなのでしょうか。理学療法士がフリーランスで働くメリット・デメリットについてまとめました。
フリーランスになるメリット
フリーランスになる一番のメリットは、自由な時間で働けるという点でしょう。
平日にまとめて休んだり、午前中だけ働いたりと、自分の希望に合わせたスケジュール調整が可能になるため、ワークライフバランスを重視できます。
また、やりたい分野に特化した仕事を請け負えることや、やり方次第で高額な収入を得られる可能性があることもフリーランスの魅力です。医療施設等での雇用に縛られないで自由な働き方がフリーランスとなる最大のメリットといえるでしょう。
フリーランスになるデメリット
一方で、フリーランスは収入が安定しにくいというデメリットがあります。
雇用時とは異なり、収入アップを目指して仕事を増やしたり、集客を行ったりするなど、自身で仕事を獲得しなければいけません。
理学療法士としてのスキルが高くても、自身の仕事が周知され信頼を得ないと集客も難しくなります。また、自身で整体院などを開業する場合、まとまった初期費用を用意する必要があります。加えて、雇用されている時のような福利厚生もありません。
会計についても自身で取り組む必要があり、長期的に安定して経営できるような経営力が求められます。ある程度の安定した収入を得るためには、それなりの苦労があり、努力が必要です。
理学療法士でフリーランスに向いている人の特徴
フリーランス理学療法士として成功するのは簡単なことではありません。
では、どのような人がフリーランスに向いているのでしょうか。向いている人の特徴についてまとめました。
・挑戦意欲があり、向上心の高い人
・プレゼン能力が高く、自己アピールができる人
・自己管理できる人
・フットワークが軽く、人脈を広げやすい人
順番に解説していきます。
挑戦意欲があり、向上心の高い人
新しいことに挑戦し続けて、向上心が高い人はフリーランスに向いているといえるでしょう。
フリーランスは変化に富む働き方であり、その都度、時代や社会、ニーズに合った働き方を考える必要があるからです。
逆に安定思考の人はフリーランスには向かないかもしれません。トライアンドエラーを繰り返し、チャレンジし続けていく意欲が求められるでしょう。
プレゼン能力が高く、自己アピールができる人
フリーランスが仕事を得るためには、自分でプレゼンや宣伝をして顧客を得る必要があります。雇用されている場合、病院や施設という看板があるため、自分で集客することはほとんどありませんが、フリーランスはそうはいきません。
フリーランスで成功するには、自分の良さを顧客にアピールできるプレゼン能力が求められます。
自己管理できる人
フリーランスは、すべて自身の裁量で動くことになります。一般的に雇用されていれば、上司や管理職がその部署の管理業務を担います。
しかし、フリーランスは、仕事に関する進捗管理やスケジュール管理、経理管理、スタッフ管理など、すべて自己管理しなければなりません。
計画的に自己管理できない人はフリーランスに向いていないといえるでしょう。
フットワークが軽く、人脈を広げやすい人
フリーランスの仕事は、人とのつながりから得ていくことも少なくありません。
ちょっとした集まりや、交流会への参加からビジネスにつながるなど、人脈を広げることで仕事が増えるのもよくある話です。
フリーランスとして成功するためには、フットワーク軽く動き回り、幅広い人間関係を構築できるスキルも重要になるでしょう。
理学療法士として自分に合った働き方を見つけよう
フリーランスは自分のやりたいことを実現するためには良い選択肢といえます。その一方、で収入が不安定になりやすく、リスクもつきまといます。
安定を重視する人にとっては難しい働き方かもしれません。ですが、自分のやりたいことに挑戦したい、組織に縛られたくないという場合はフリーランスを目指すのもよいでしょう。
将来の進みたい方向性や性格、適正などを見極めて、自分に合った働き方を見つけましょう。
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rana(理学療法士)
総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。
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