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セラピスト必見!
新人理学療法士の成長を描いた映画、『歩けない僕らは』の魅力に迫る

公開日:2019.11.15 更新日:2019.11.29

文:中澤仁美

「元の人生に戻れますかね?」と患者さんに聞かれ……

本作の主人公は、回復期リハビリテーション病院に勤める新人の理学療法士、宮下遥(宇野愛海)。同期の相馬幸子(堀春菜)と励まし合ったり、彼氏の翔(細川岳)に愚痴を聞いてもらったりしながら、日々慣れない業務に奮闘しています。

ある日、脳卒中により左片麻痺となった柘植篤志(落合モトキ)が入院してきて、遥は初めて入院から退院までを通して担当することに。30歳代という若さで重い障害を背負うことになった柘植は、その事実を受け入れることに苦しみます。できるだけ前向きにリハビリテーションへ取り組んでもらおうと積極的に関わる遥でしたが、一筋縄ではいきません。

リハビリテーションが始まった当初、「元の人生に戻れますかね?」と柘植から質問された遥は、思わず絶句してしまいます。映画の後半、成長した遥が柘植にどんな言葉をかけたのか、ぜひ劇場で確認してみてください。

主人公の宮下遥役で迫力の演技を見せた宇野愛海(うの・なるみ)さん。近年では、『斉木楠雄のΨ難』や『先に生まれただけの僕』への出演でも知られる若手実力派女優だ。

左片麻痺の障害を負った患者さん、柘植篤志役を務めたのは、『おっさんずラブ』などへの出演でも注目される落合モトキ(おちあい・もとき)さん。「本物の患者さんにしか見えない!」と病院スタッフを驚かせたという。

主人公・遥が遂げる、等身大の成長に共感!

本作の何よりの見どころは、主人公である遥の成長です。その人らしい暮らしを取り戻すために寄り添おうとしても、柘植から拒絶されてしまう遥。身体的なサポートはもちろん、精神的なサポートも必要とする患者さんと向き合うのが非常に難しいということは、セラピストなら誰もがうなずけるのではないでしょうか。

また、皆さんご存じの通り、回復期リハビリテーション病院(病棟)では疾患ごとに入院期間が定められています。いわば「期限」があるなかで、先輩の理学療法士と同じような成果を出すことができずに焦る主人公の姿もしっかり描かれています。立ちはだかる大きな壁に挑んだ遥が、ブレイクスルーを果たす瞬間をお見逃しなく!

2000年の診療報酬改定に伴って創設された回復期リハビリテーション病院(病棟)では、開院からそれほど時間がたっていないケースが多いこともあり、若いスタッフが大きな割合を占めていることが少なくありません。悩みながらも成長を続ける全国の新人セラピストにとって、思わず共感できるストーリーといえるでしょう。

自分の力ではうまくサポートできなかったリハビリテーションを、交代した先輩がスムーズにこなすのを見て、遥は歯がゆい気持ちになる。

丁寧な取材で回復期リハビリテーション病院を描写

栃木県最南端、野木町にある「リハビリテーション花の舎(いえ)病院」から、取材協力・脚本監修・現場監修という全面協力を受けて完成した本作。何度も意見交換を重ね、細かい部分にまでこだわり抜いている点も見どころです。リハビリテーションに関する部分はもちろんのこと、職場で遥が昼休憩を取ったり、先輩とのカンファレンスで発言したり、器具の清掃を行ったりする日常的な場面まで、本職のセラピストから見てもリアリティーが感じられるはずです。

本作の監督を務めたのは、佐藤快磨さん。初の長編監督作品である『ガンバレとかうるせぇ』(2014年)がぴあフィルムフェスティバル PFFアワード2014で映画ファン賞/観客賞を受賞し、第19回釜山国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされるなど、国内外の映画祭で高い評価を受けています。

「大事なのは、歩けるようになることではなく、歩いて何をするかなんです」というあるセラピストの言葉が、誕生のきっかけとなったという本作。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019にて、国内コンペティション短編部門の観客賞を受賞したことを受けて、全国公開が決まりました。劇場によっては、上記の『ガンバレとかうるせぇ』(70分)の後に『歩けない僕らは』(37分)が上映されるという併映が予定されており、2つの作品を楽しむことができます。

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<作品情報>
『歩けない僕らは』
11月23日(土)より新宿K’s Cinemaにて公開、ほか全国でも順次公開予定
出演:宇野愛海 落合モトキ 板橋駿谷 堀春菜 細川岳 門田宗大 山中聡 佐々木すみ江
監督・脚本・編集:佐藤快磨
プロデューサー:登山里紗  撮影:加藤大志  撮影助手:勝亦祐嗣  照明:高橋拓  
録音:吉方淳二  音楽:田中拓人
衣裳:馬場恭子  ヘアメイク:橋本申二  ヘアメイク助手:西田美香  助監督:葉名恒星 
制作部:福島成人、原田親  スチール:西永智成

協力:医療法人社団友志会、十一合同会社、MotionGallery、独立映画鍋、ニューシネマワークショップ、アクターズ・ヴィジョン、栃木県フィルムコミッション、栃木市
配給:SPEAK OF THE DEVIL PICTURES
©映画『歩けない僕らは』  2018 /日本/カラー/ 37分/ 16:9 / stereo

公式サイト:www.aruboku.net
Twitter:@uno_narumi_proj
facebook:www.facebook.com/unonarumiproject
Instagram:aruboku_movie

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