最強の下半身トレ「ブルガリアンスクワット」とは?正しいやり方や効果を出す方法を徹底解説!
公開日:2024.04.11 更新日:2025.01.16
文:和田 拓巳(スポーツトレーナー)
みなさんは【ブルガリアンスクワット】をご存じですか?普通のスクワットとどう違うのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実は、このブルガリアンスクワットは、下半身全体を鍛えるのにとても優れたエクササイズなのです。
そこで今回は、ブルガリアンスクワットの効果や正しいやり方、効果を出すポイントについて徹底解説していきます。ぜひ、ブルガリアンスクワットをマスターして効果的な筋トレをしましょう!
ブルガリアンスクワットのメリット
まずは、ブルガリアンスクワットを行うことで得られるメリットを解説していきましょう。
左右バランスよく鍛えられる
数ある下半身を引き締めるエクササイズの中でも、ブルガリアンスクワットは、左右をバランスよく鍛えることができるものです。
片足ずつ動作を行うブルガリアンスクワットでは、左右均等に負荷がかかるため、左右の筋力バランスを整える効果があります。
競技パフォーマンス向上につなげやすい
基本的にウエイトトレーニングは、目的の筋肉に対して安全で的確に引き締められるフォームになっています。そのため、スポーツをするときの動きとは異なることがほとんどです。
その点、ブルガリアンスクワットは、前後に足を開いた姿勢で動いたり、片足立ちで動くので、競技スポーツに近い姿勢や動作でトレーニングをすることができます。
ウエイトトレーニングで高めた筋力を、競技パフォーマンスにつなげるためのエクササイズとしても活用されます。
自重でもしっかり追い込める
片足ずつ動作を行うので、自重でも負荷が高いエクササイズです。
筋力の高い下半身は、自重で追い込むのには回数をこなす必要がありますが、ブルガリアンスクワットでは、低回数でもしっかり引き締めることができるため、初心者からトレーニング熟練者まで取り組むことができます。
ブルガリアンスクワットで鍛えられる主な筋肉
片足で行うブルガリアンスクワットは、前側の股関節周辺から太ももに効果があります。ここでは、鍛えられる筋肉を具体的に紹介していきます。
大臀筋
大臀筋は、お尻の表面に付着している大きな筋肉です。
股関節を伸ばす(後ろに脚を上げる)時や、脚を外向きにひねるときに力を発揮します。
引き締まったヒップラインを作るのに重要な筋肉です。
中臀筋
中臀筋は、大臀筋の深層に付着しているお尻の筋肉です。股関節を外側に開く(脚を真横に上げる)時に力を発揮します。
中臀筋は、片足立ちなどの際に姿勢を安定させるための重要な筋肉でもあります。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は、太ももの表側に付着している筋肉です。
大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋という4つの筋肉の総称で、膝を伸ばしたり、股関節を曲げる(脚を前に持ち上げる)時に力を発揮します。
ハムストリングス
ハムストリングスは、太ももの裏に付着している筋肉です。大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つの筋肉を合わせた総称で、膝を曲げたり股関節を伸ばす時に力を発揮します。
股関節外旋筋群
股関節を外側にひねる働きを持つ筋肉をまとめて股関節外旋筋群(深層外旋六筋) といいます。
股関節周辺に付着している、梨状筋・上双子筋・下双子筋・外閉鎖筋・内閉鎖筋・大腿方形筋の6つは、体を動かしている時に姿勢を安定させる働きがあります。
ブルガリアンスクワットの正しいやり方
ブルガリアンスクワットの正しいやり方を解説していきます。フォームや動作が正しいかどうかチェックしながら取り組んでみてください。
1.足を肩幅程度に広げ、前後に開きます。前脚のつま先は正面を向け、後ろの足のつま先をベンチやイスなどに乗せて、片足立ちになりましょう。
2.股関節と膝を曲げながら、ゆっくり体を下していきます。この時、胸を張って上体をまっすぐにしておき、その姿勢を保ったまま動作を行うようにしましょう。
3.前脚の膝の角度が90度になったら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。反対側も同様に行います。
ベーシックなやり方として、片側10回をそれぞれ3セットずつ行うとよいでしょう。3セットは連続して行わなくても大丈夫です。
特にトレーニング初心者の方や動作に慣れていない方は、朝・昼・晩と3回それぞれ1セットずつ行うやり方で取り組んでみましょう。
1セットでは負荷が軽くなってきた!と感じるようであれば、連続で行うようにしてください。
ブルガリアンスクワットの効果を出すためのポイント4選
最後に、ブルガリアンスクワットを安全で効果的に行うためのポイントを紹介していきます。
動作中の膝の位置をチェック!
膝を曲げていくときに、膝がつま先より前に出ていないかを意識しましょう。
つま先より前に出ている場合、膝が大きく曲がりすぎてしまいます。膝にストレスがかかり、痛みを引き起こしてしまう場合があります。その場合は、前脚を少し広げ、脚幅を広めにするとよいでしょう。
また、膝の向きにも注意が必要です。膝が正面ではなく内側に入ってしまったり外側に広がってしまっても、膝の痛みの原因になります。
必ず正面に向かって膝を曲げていくようにしましょう。
足幅を変化させる
ブルガリアンスクワットは、足幅によって引き締めやすい筋肉が変わってきます。
脚幅を狭くすると大腿四頭筋に、脚幅を広くすると大臀筋やハムストリングスに効きやすくなります。引き締めたい部分を意識しながら脚幅を変更させて行いましょう。
お尻に意識を向ける
ブルガリアンスクワットは、特にお尻など股関節周りの筋肉に大きな引き締め効果があります。しかし、せっかくの動きもフォームや動作が間違っていては、効果が他の部分に逃げてしまいます。
実施する時には、特にお尻に意識を向けながら行いましょう。お尻を意識するポイントは動作の際、膝を大きく曲げるというよりも、前脚の股関節を曲げていく感覚で動作を行ってみるとよいでしょう。
慣れてきたらダンベルを持つ
自重で実施できるブルガリアンスクワットでも、慣れてくるとだんだん動きが楽になってきます。その場合は、ダンベルを使うなど負荷を高める必要があります。
ダンベルなどのウエイトを使う場合、重くなってバランスがとりにくくなるので、体勢を崩さないように注意しながら行ってください。
まとめ
ブルガリアンスクワットは、スクワットとは違う引き締め効果を下半身に入れることができるエクササイズの1つです。特にお尻周りにしっかり負荷がかかるので、ヒップアップや良い姿勢を作るのに効果抜群です。
自重でしっかり負荷をかけることができるため、自宅でのトレーニングとしても効果的です。自宅でするときに下半身のトレーニングのバリエーションがない…とお悩みの方でも、ブルガリアンスクワットを取り入れることで、下半身全体をしっかり鍛えることができるでしょう!
お尻周りを鍛えるのが苦手、スクワットではお尻にあまり効果を感じられない方は、下半身のトレーニングメニューの一つとして、ぜひ取り入れてみてください。
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和田 拓巳
スポーツ選手やオリンピック候補選手、アーティストのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。
医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会もしており、講師業にも力を入れている。テレビや雑誌など各種メディアに出演およびトレーニング監修を行う。
著書に「見るだけ筋トレ」(青春出版社)がある。
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