介護食アドバイザーとは?介護食士との違い・取得メリットを解説!
介護食アドバイザーは、栄養士・管理栄養士がキャリアアップを図れる資格の1つ。介護食アドバイザーの知識やスキルを身に付けると、高齢者の生理機能や心理状態を踏まえつつ、おいしさや栄養バランスにも配慮した介護食作りができるようになるため、介護施設・医療施設で調理に関わりたい方には注目の資格と言えるでしょう。
この記事では、介護食アドバイザーの概要や資格取得のメリット、資格の取得方法、似ている資格との違いなどを解説します。新しいことに挑戦したい方や、自分の専門性をより広げたい栄養士・管理栄養士の方は、ぜひ参考にしてください!
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目次
介護食アドバイザーとは?
介護食アドバイザーとは、高齢者の心理や生理機能、栄養素摂取のポイントなどの専門知識を備えていることを証明する民間資格で、一般社団法人日本能力開発推進協会によって認定されます。「高齢者のためにおいしくて食べやすい食事を作りたい」「食を通じて高齢者の方に生きがいをもってもらいたい」と考えている方は、ぜひ介護食アドバイザーの資格取得を検討してみてください。
(出典:一般財団法人日本能力開発推進協会「介護食アドバイザー」/https://www.jadp-society.or.jp/course/care-food/)
栄養士・管理栄養士にもおすすめの資格?
国は高齢者への健康な食事提供を栄養政策の課題と位置づけ、栄養士・管理栄養士の活躍に期待しています。それを受けて、病院、診療所、介護保険施設、社会福祉施設といった介護に関係する職場で多くの栄養士・管理栄養士が働いています。
(出典:厚生労働省「管理栄養士・栄養士を取り巻く状況と管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定の歩み」/https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000358651.pdf)
医療や福祉関係の求人サービスにおいても、介護施設における栄養士・管理栄養士の募集が数多く見られます。そのため、介護食アドバイザーは民間資格ではあるものの、栄養士・管理栄養士にとっておすすめの資格と言えるでしょう。
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介護食アドバイザーの資格を取得するメリット3つ
介護食アドバイザーの資格を取得すると、下記のようなメリットが得られます。
- ・介護食の献立作成や調理に役立つ
介護食アドバイザーの資格試験で身に付けた技術を生かせば、栄養面だけでなく見た目や香りも良い介護食を作ることが可能です。また、高齢者向けの献立作成だけでなく、流動食やソフト食を調理する際のポイントも学べます。介護が必要な高齢者の方に喜んで食べてもらえる料理を作れることは、介護食アドバイザーの資格を取得する大きなメリットです。
- ・活躍の場が多くある
介護食アドバイザーの資格は、介護業界以外にもさまざまな現場で生かせます。例えば、介護食市場に向けて新商品を開発する飲食企業や食品企業のほか、介護食専門の料理教室を開講したり、家庭での介護食作りや食事介助に知識を役立てたりできます。
- ・履歴書に記載できる
介護食アドバイザーの資格を履歴書に記載すると、専門知識やスキルがあるとアピールすることができます。おいしく食べられる介護食レシピや栄養に関する知識は、就職や転職におけるアピール材料になるでしょう。
介護食アドバイザーの資格を取得する方法
まず、日本能力開発推進協会指定の認定教育機関などで受講を申し込みましょう。受講料の支払いが完了すると、介護食アドバイザーの勉強をするためのテキスト一式が届きます。講習内容は豊富なイラストで丁寧に解説されています。介護食の調理やレシピの説明は写真付きで、見ながら手順通りに調理するだけで簡単に作れます。受講する教育機関に添削サービスや質問サポートが用意されている場合は、プロの講師からアドバイスを受けてみましょう。
テキストによる学習が一通り終わった後は、介護食アドバイザー資格の認定試験を受けます。協会の公式Webサイトから試験に申し込み、教材に同封の振込用紙で受験料を支払うと、試験問題が発送されます。試験概要は下記の通りです。
受験資格 | 協会指定の認定教育機関などですべてのカリキュラムを修了する |
---|---|
試験で出題される主な内容 | ・高齢者の心理 ・栄養学 ・病気 ・介護食に関する基礎知識 ・食材に関する基礎知識 |
受験方法 | 在宅 |
受験料 | 5,600円(税込) |
合格基準 | 得点率70%以上 |
(出典:日本能力開発推進協会「介護食アドバイザー資格」/https://www.jadp-society.or.jp/course/care-food/)
介護食アドバイザーの試験は、カリキュラムを修了次第、好きなタイミングで在宅受験できます。合否の結果は答案の受付後、約1か月で確認することが可能です。資格取得者には認定証と認定カードが付与されます。
介護食コーディネーター・介護食士との違い
介護食アドバイザーに似た民間資格として、介護食コーディネーターと介護食士が挙げられます。それぞれの主な違いは下記の通りです。
介護食アドバイザー | 介護食コーディネーター | 介護食士 | |
---|---|---|---|
学習方法 | 通信教育 | 通信教育 | 通学 |
取得難易度 | 普通 | 比較的やさしい | やや難しい |
介護食コーディネーターは、一般社団法人 日本味育協会が認定する民間資格で、通信講座で取得できます。一般社団法人 日本味育協会が認定します。講座内容は介護食の調理方法やメニュー、栄養知識、食事介助など。資格取得に必要な学習期間の目安は約3カ月で、通信講座の開始から6カ月目までは添削や質問などのサポートが受けられます。
介護食士は、公益社団法人 全国調理職業訓練協会が認定する民間資格で、所定の専門学校や施設などへの通学が必要です。介護食士の主な学習内容は介護食に関する知識と調理実習です。3級から1級まで3つの段階があり、心理学や栄養学、食品学など幅広い知識を学べます。3級は誰でも受講できますが、2級以上は前の級に合格していることが条件です。通信講座で取得できる資格と異なり、介護食士は筆記試験と調理スキルの実技試験が必要になりますので、難易度はやや高いと言えます。また、修了試験を受けるためには講習会の出席率が80%以上でなければいけません。
介護食に関わる資格には複数の種類がありますが、学びたい内容や学習のしやすさなどを考えて、自分にぴったりの資格を選びましょう。より幅広い専門知識とスキルを身に付けたい場合は、複数の資格取得を目指す方法もあります。
(出典:株式会社 ユーキャン「介護食コーディネーター講座」/https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/1434/)
(出典:公益社団法人全国調理職業訓練協会「介護食士」/https://www.kaigosyokushi.jp/qualifications/kaigosyokushi/)
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介護食関連以外で栄養士におすすめの民間資格3つ
介護食アドバイザー、介護職コーディネーター、介護食士以外に、下記の3つの民間資格も栄養士・管理栄養士のスキルアップにつながるでしょう。
- ・上級幼児食インストラクター
上級幼児食インストラクターは、幼児のための栄養学や食を通じた幼児教育などの知識を身に付けられる資格です。保育施設など、子どもと接する機会が多い現場で働く栄養士・管理栄養士の方には上級幼児食インストラクターの資格が役立つでしょう。また、栄養士・管理栄養士として保育施設などに転職を考えている方にもおすすめです。
(出典:日本能力開発推進協会「上級幼児食インストラクター」/https://www.jadp-society.or.jp/course/infants_adv/)
- ・アレルギー対応食アドバイザー
アレルギー対応食アドバイザーは、子どもの食物アレルギーに関する知識を身に付けられる資格です。医師からの指示をもとにした食材選びやアレルギー対応食の献立作り、調理法のアドバイスなどができるようになります。アレルギー対応食アドバイザーは医療機関や介護現場で働く栄養士・管理栄養士の方に向いている資格のひとつです。また、飲食業界や食品業界でアレルギー対応食の開発に携わりたい方にも、アレルギー対応食アドバイザーの資格はきっと役立ちます。
(出典:日本能力開発推進協会「アレルギー対応食アドバイザー」/https://www.jadp-society.or.jp/course/allergic_meals/)
- ・食育アドバイザー
食育アドバイザーは、食育に関する専門知識や食を通じたコミュニケーションスキルを身に付けられる資格です。主に、食品の安全性や食育活動に関する知識を学びます。学校などの教育機関で働く栄養士・管理栄養士の方には、食育アドバイザーはおすすめの資格と言えそうです。また、医療業界や福祉業界、飲食業界などで働く方であれば、食育アドバイザーの資格を取ることで、専門性を高められるでしょう。(出典:日本能力開発推進協会「食育アドバイザー」/https://www.jadp-society.or.jp/course/syokuiku/)
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まとめ
介護食アドバイザーは、おいしく食べられる介護食作りや栄養管理の基礎知識などを持っていると証明できる民間資格です。栄養士・管理栄養士の方が介護食アドバイザーの資格を取得すれば、活躍の場の選択肢が広がるかもしれません。
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