50歳で栄養士になるには?資格取得方法や養成施設についても解説

更新日 2024年04月12日 公開日 2024年04月12日

#国家試験 #情報収集 #転職検討/準備

栄養士は、食と栄養の専門家としてさまざまなライフステージの人々に関わり、健康をサポートする仕事です。実際は、年齢に関係なく活躍できる仕事ですが、なかには「資格の取得に年齢制限はあるのか?」が気になっている方もいるのではないでしょうか。

当記事では、50歳の方がキャリアチェンジとして栄養士を目指せるのかどうかや、栄養士になる方法などを詳しく解説します。栄養士の仕事に興味がある方、あるいは栄養士を目指すための準備について知りたい方は、ぜひ当記事を参考にしてください。

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50歳で栄養士になるには?資格取得方法や養成施設についても解説

50歳でも栄養士になれる?

結論からいうと、50歳からでも栄養士になることは可能です。栄養士として働くには、都道府県知事が交付する栄養士免許が必要ですが、栄養士免許の取得には年齢や職歴による制限がありません。社会人でも、資格取得の要件を満たせば年齢に関係なくチャレンジできるので、興味のある方はぜひ取得を目指してみてください。

ここでは、栄養士免許を取得するにあたって、満たさなければならない要件について解説します。取得要件を確認し、50歳から栄養士として働く方法を検討してみましょう。

栄養士になるには?

栄養士になるには、厚生労働大臣から指定・認可された栄養士養成施設(栄養士養成学校)で養成課程を履修し、卒業する必要があります。そのため、独学では栄養士免許を取得できない点に注意しましょう。

栄養士の養成施設は全国各地にありますが、施設ごとに特色が異なります。どの養成施設でも同じカリキュラムを実施するわけではないので、自分が希望する勤務先や目的にあった施設を選ぶことがポイントです。

栄養士免許だけでなく、上位資格である管理栄養士免許の取得も視野に入れている方は、管理栄養士国家試験の受験資格を得る方法も知っておくとよいでしょう。管理栄養士国家試験を受験するには、「管理栄養士養成施設(4年制大学・4年制専門学校)を卒業する」「栄養士として所定の年数の実務経験を積む」という2通りのルートがあります。

管理栄養士養成施設を選ぶ場合、修業年限が4年とやや長いものの、卒業すれば栄養士免許と管理栄養士国家試験の受験資格が得られるというメリットがあります。一方、養成施設で学ぶ期間を短くできることから、栄養士として現場経験を積んだ後に管理栄養士へとキャリアアップする方も珍しくありません。

管理栄養士免許は、栄養士免許と同様に年齢を問わず取得できる資格です。経済的負担や時間的な余裕などを考慮した上で、自分に合った養成施設を選びましょう。

(出典:公益社団法人 日本栄養士会「管理栄養士・栄養士とは」/https://www.dietitian.or.jp/students/dietitian/

【関連リンク】栄養士の資格は難易度が高い?独学で資格を取得できるのかも解説

50歳が通える栄養士養成施設は?

前述したように、栄養士免許は独学で取得できる資格ではなく、栄養士養成施設に通って所定の課程を修了する必要があります。栄養士養成施設は大きく分けて「大学」「短期大学(以下、短大)」「専門学校」の3つの種類があり、いずれも年齢の条件はありません。

(出典:一般社団法人 全国栄養士養成施設協会「栄養士になるには」/https://www.eiyo.or.jp/about/howto01.html

●栄養士養成施設の特徴

大学 4年制大学の栄養学科などが該当します。修業年数が4年と長く、他の養成施設より多くの学費や時間が必要ですが、一般教養や語学など栄養士以外の分野も幅広く学べます。管理栄養士養成課程や栄養教諭養成課程が用意されている学校もあるため、興味のある方にはおすすめです。
短大 短大の修業年数は学校によって異なりますが、2年制または3年制がほとんどです。栄養士の勉強とあわせて一般教養を学べる上に、大学よりも短い期間で卒業できます。大学と同様、栄養教諭免許状を取得できる学校もありますが、大学と比べると時間的な余裕が少ない点に注意しましょう。
専門学校 専門学校の就業年数は、2年・3年・4年と学校によって異なります。いずれも栄養士の養成に特化していますが、カリキュラムや実習内容、設備などは学校によって大きく異なるため、事前にパンフレットや資料を取り寄せて比較検討しましょう。

栄養士を志望する目的や働きたい場所(病院・福祉施設など)、仕事内容によって適切な進学先は異なります。最短で栄養士を目指す場合は、短大または専門学校で集中的に知識・技能を身につけるのがよいでしょう。

栄養士養成施設で学ぶ内容

栄養士養成施設では、主に次のような内容を学びます。

●栄養士養成施設で学べる内容(例)

栄養指導論 栄養相談などから対象者の栄養状態や食生活、食環境、食習慣といった情報を分析し、総合的に評価・判断する知識と技能を養います。栄養指導・食事指導の技術習得に向けた実習を行う場合もあります。
調理学実習 調理器具の基本的な取り扱いや、実際の調理方法について学びます。養成施設によっては、日本料理や西洋料理、中華料理の技術を本格的に学べる場合もあります。
給食管理 模擬的な給食管理センターや給食施設を利用し、給食業務に関する実習を行います。材料の検収、食材の下処理・調理・盛り付け、配膳、洗浄といった一連の流れを衛生的かつ効率よく行う能力を養います。
臨床栄養学 食生活と病気の関連性などについて学習します。乳幼児から高齢者まで、さまざまな世代に合った栄養や献立について考え、調理するスキルが身につきます。
食品加工学 加工食品について、製造や長期保存の方法を学びます。なかには、缶詰や発酵食品の製造が体験できる学校もあります。

(出典:一般社団法人 全国栄養士養成施設協会「栄養士になるには」/https://www.eiyo.or.jp/about/howto01.html

【関連リンク】栄養士の仕事内容を職場別に紹介|資格の取得方法や将来性も

50歳の方が栄養士を目指すときの注意点

栄養士免許の取得には年齢制限がなく、50歳でも栄養士を目指せますが、下記の点には注意が必要です。

●50歳から栄養士を目指す際の注意点3つ

  • ・働きながら栄養士を目指すのは難しい
  • ・養成施設への入学には高卒資格が必要
  • ・学費の準備が必要

ここでは、3つの注意点について詳しく解説します。

働きながら栄養士を目指すのは難しい

栄養士養成施設は全国各地にありますが、学習量が多い上に実習もあるため、夜間制や通信制はありません。日中の通学が必要なので、最低でも2年間は仕事を休業・退職するか、早朝や夜間、休日など、学校の授業時間と重ならない時間帯を利用して働く必要があります。

働きながら栄養士を目指すことは不可能ではありませんが、身体的にも精神的にも負担が大きくなる点に注意してください。

(出典:公益社団法人 日本栄養士会「管理栄養士・栄養士とは」/https://www.dietitian.or.jp/students/dietitian/

養成施設への入学には高卒資格が必要

栄養士養成施設に年齢制限はありませんが、入学するには高卒資格が必要です。中学卒業後すぐに社会人になった方や、高校を中退した方が栄養士を目指すには、高卒資格を取得することから始める必要があるでしょう。

働きながら高卒資格の取得を目指す場合は、通信制高校への入学がおすすめです。少なくとも3年間在籍し、年に数回スクーリングや科目試験に参加する必要がありますが、基本的にはインターネットや郵便を活用したレポート提出によって単位の取得を進められます。自分のペースで学習が進められるため、働きながらでも無理なく卒業できるでしょう。

また、高等学校卒業程度認定試験(高認試験)を利用するのも方法の1つです。合格者は高校を卒業した方と同等以上の学力があると認定され、栄養士養成施設への入学も可能となります。ただし、高認試験に合格しただけでは必修単位の取得ができないため、最終学歴が高校卒業になるわけではない点に注意しましょう。

学費の準備が必要

栄養士養成施設で学ぶためには、受験料や学費(入学金・授業料)、教科書代、実習費などが必要になる点も押さえておきましょう。東京都の場合、初年度に納入する金額の平均は140万円程度といわれています。通学にかかる費用は学校や在学期間によって異なるため、事前に資料請求をして確認した上で資金を準備しておくことが大切です。

(出典:公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会・公益財団法人 東京都私学財団「令和4年度専修学校各種学校調査統計資料/https://tsk.or.jp/image/pdf/ds/dw-toukeiR04All.pdf

なお、社会人入学の場合でも、日本学生支援機構の奨学金制度や教育ローンは利用できます。独自の奨学金制度や学費減免制度が設けられている学校もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

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まとめ

栄養士の資格を取得するにあたって年齢による制限はなく、50歳からでも栄養士になることは可能です。ただし、栄養士資格を得るには養成施設で栄養士についての知識・技能を身につける必要があり、独学での取得はできません。日中に学校へ通わなくてはならないため、仕事の調整や学費などの準備をきちんと行う必要があるでしょう。

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※当記事は2023年12月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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