栄養士の資格は難易度が高い?独学で資格を取得できるのかも解説

更新日 2023年12月18日 公開日 2023年12月18日

#情報収集 #転職検討/準備

栄養士は、医療機関や学校、保育園、介護福祉施設など、幅広い職場で栄養指導・献立作成などを提供する専門職です。人々の「食」を支える職業として非常に人気が高く、社会人になってから栄養士の仕事に興味を持ったり、「栄養士として活躍したい」と考えたりする方も多く見られます。

そこで今回は、栄養士を目指している方に向けて、栄養士の資格を取得する際の難易度や、資格取得までの流れについて、詳しく解説します。社会人から栄養士を目指す方法や、栄養士になるための勉強のポイントなども紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

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栄養士の資格は難易度が高い?独学で資格を取得できるのかも解説

栄養士の難易度・合格率は高い?

栄養士は、「栄養士法」という法律にもとづく国家資格です。国家資格というと、医師や看護師のように、国家試験を受験するイメージをお持ちの方も多いと思いますが、栄養士の場合は資格取得のための試験がありません。

栄養士は、厚生労働大臣から栄養士養成施設として認められた学校を卒業後、都道府県知事から免許を受けることで資格が取得できます。試験の「合格率」という概念がない分、難易度を判断するのは難しいですが、あえて言うなら「栄養士養成施設に通う経済的・時間的余裕があるかどうか」「学習意欲があるかどうか」が栄養士になるための難易度に、大きく影響すると考えてよいでしょう。

これらの条件を満たし、栄養士になるためのモチベーションが高ければ、栄養士資格を取得するまでの道のりは、「さほど困難ではない」と言えます。

一方で、栄養士養成施設に通う経済的・時間的な余裕がない方は、「難易度が高い」と感じるかもしれません。その場合は、養成施設に通うための費用や時間を捻出するための努力が必要となるため、よく検討した上で栄養士の資格取得を目指すことをおすすめします。

なお、栄養士と名前が似ている資格に「管理栄養士」があります。管理栄養士は栄養士の上位資格であり、管理栄養士免許を取得するには、国家試験を受験して合格しなければなりません。

管理栄養士の国家試験を受けるためには、栄養士養成施設を修了した後、一定期間の実務経験が求められます。ただし、4年制の管理栄養士養成施設を修了した場合は、実務経験免除で国家試験の受験資格を得られます。

(出典:公益社団法人日本栄養士会「管理栄養士・栄養士とは」/https://www.dietitian.or.jp/students/dietitian/

実施年 合格率
2023年 56.6%
2022年 65.1%
2021年 64.2%
2020年 61.9%
2019年 60.4%

(出典:厚生労働省「第37回管理栄養士国家試験の結果について」/https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000758946.pdf

管理栄養士国家試験の直近5年間の合格率は、6割前後で推移しています。受験者の半数以上が合格しているものの、食品や栄養、身体機能などに関する専門的な知識が必要とされるため、十分に準備した上で試験に臨む必要があるでしょう。管理栄養士についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひ参考にしてください。

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栄養士は独学でなれる?

栄養士の資格を取得するには、栄養士養成施設に通って、養成課程を修了する必要があります。そのため、「自分で教科書や参考書を読む」「通信教育で勉強する」といった独学のみでは、栄養士になれないことを押さえておきましょう。

また、栄養士養成施設には夜間部がありません。そのため、社会人として働きながら栄養士の資格を取得するには、学校の授業に影響しないように仕事を続ける必要があります。

(出典:公益社団法人日本栄養士会「管理栄養士・栄養士とは」/https://www.dietitian.or.jp/students/dietitian/

とはいえ、栄養士はやりがいが大きく、魅力も多い職業です。栄養士へのキャリアチェンジを検討している方は、資格取得までの流れや社会人が栄養士を目指す場合のポイントをチェックした上で、前向きに考えてみましょう。

栄養士の資格取得までの流れ

栄養士の資格は、基本的に次のような流れで取得できます。

●栄養士の資格取得までの流れ

(1)栄養士養成施設に入学する

(2)必要な単位を取得し、栄養士養成施設を卒業する

(3)各都道府県知事に栄養士免許の交付申請を行う

栄養士の資格を取得するには、厚生労働大臣が栄養士養成施設として指定・認可した学校に入学し、栄養士養成課程を修了する必要があります。栄養士養成施設には、4年制の大学や2年制の短期大学、2〜4年制の専門学校がありますが、いずれのルートでも取得できる栄養士資格は同じです。

卒業後には、各都道府県知事に栄養士免許の申請を行い、免許が交付されれば栄養士として働けるようになります。

栄養士養成施設は全国各地にあり、基礎栄養学や栄養指導論、調理学実習など、専門性の高い授業や実習が受けられます。学校ごとに特徴のある授業が展開されているので、複数の栄養士養成施設を比べた上で、自分に合った学校を選んでくださいね。

栄養士の上位資格である管理栄養士に興味がある方や、栄養士と管理栄養士を比較したい方は、こちらの記事もご覧ください。

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仕事内容・給与相場と資格の取得方法

社会人が栄養士を目指す場合は?

栄養士養成施設には夜間部や通信制の学校がないため、正社員でフルタイムの仕事を続けながら学校に通うことは難しいでしょう。しかし、なかにはパートやアルバイトで夜間・休日などに働きながら、栄養士養成施設に通学している方もいらっしゃいます。働きながら、最短で栄養士の資格取得を目指したい方は、2年制の養成施設を選ぶのがよいでしょう。

なお、栄養士養成施設は公的職業訓練の対象となっている場合もあります。公的職業訓練とは、再就職のために必要な知識・技能を学べる公的な支援制度のことです。求職者(ハローワークに求職の申し込みをした方)を対象とした制度ですが、受講にかかる費用は原則無料であり、条件を満たしていれば受講中でも失業給付が受けられます。

栄養士養成施設が選択できる可能性があるのは、公的職業訓練の2年制コースである「長期高度人材育成コース」です。長期高度人材育成コースでは、1〜2年といった長期間にわたって職業訓練を受け、国家資格などを取得した上で正社員での就職を目指します。

ただし、地域によっては栄養士養成施設が長期高度人材育成コースの対象となっていない場合もあるので注意が必要です。加えて、募集の時期が限られているケースも多いため、自分が住んでいる自治体の公的職業訓練の内容や対象者、対象施設などについて、あらかじめ情報収集することをおすすめします。

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栄養士になるための勉強のポイント3つ

栄養士になるには、栄養士養成施設に通学して勉強し、必要な単位を取得した上で卒業する必要があります。栄養士養成施設では、栄養学の基礎から学べるような教育カリキュラムが組まれていますが、授業の内容をきちんと身につけるには、学校以外でもしっかり勉強することが大切です。

また、将来的に管理栄養士を目指す場合は、養成施設を卒業した上で管理栄養士試験に合格する必要があります。その際は、国家試験対策を行わなければならない点に留意しましょう。

このように、栄養士・管理栄養士の資格を取得するには、学校での勉強や試験対策にしっかり取り組む必要があります。ここでは、栄養士養成施設で効果的に学ぶための勉強法や、管理栄養士試験に合格するためのポイントを解説します。

●栄養士養成施設における勉強・試験対策のポイント

●暗記よりも理解を大切にする
栄養士養成施設では、栄養士や管理栄養士の仕事に関連する授業・実習が幅広く行われています。ただし、テキストを丸暗記するだけでは、その後の試験、仕事で応用がききにくくなる可能性があります。基本的な知識を身につけるとともに、授業・実習の内容に対する理解度を深め、応用力・実践力を磨きましょう。
●課題を忘れずに提出する
学校で出される課題では、栄養士や管理栄養士になるために身につけておくべき知識や技術に関する内容が問われます。そのため、テストやレポートなど、クリアすべきことを1つずつこなすことで、栄養士や管理栄養士として必要な知識・スキルが着実に身についていくでしょう。学校で出される課題は、きちんとこなすことをおすすめします。
●過去問演習を重視する
管理栄養士を目指している方は、管理栄養士試験の過去問演習を念入りに行うことも大切です。過去の試験内容や出題傾向をつかんで、重点的に勉強すべきポイントを理解できれば、効率よく試験対策ができるでしょう。過去問を繰り返し解くことは、苦手分野や弱点を知ることにもつながります。
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まとめ

栄養士になるためには、栄養士養成施設で必要なカリキュラム学び、卒業する必要があります。仕事を辞めて栄養士を目指すことに不安がある方は、「パート・アルバイトとして働きながら通学する」「公的職業訓練を活用する」などの方法を検討してみましょう。ただし、公的職業訓練の内容は、地域によって異なる点に注意してください。

栄養士・管理栄養士に関する情報をより深く知りたい方や、資格を取得した後の就職・転職活動に不安がある方は、マイナビコメディカルを活用してはいかがでしょうか。マイナビコメディカルには、非公開求人を含めた豊富な求人情報がそろっているほか、キャリアアドバイザーが履歴書の作成や面接対策などのサポートも行っております。ぜひ一度ご相談ください。

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監修者プロフィール

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