管理栄養士と栄養士の違いとは?仕事内容・給与相場と資格の取得方法

更新日 2023年02月15日 公開日 2020年11月18日

#情報収集 #転職検討/準備

国家資格である管理栄養士は、さまざまな年齢層の方に、体の状態や生活環境に適した食生活のアドバイスをしたり、栄養指導・栄養管理を行ったりする仕事です。
多くの業界で高い需要が期待できるため、転職や復職の際に、仕事探しで困る心配が少ないと言われています。

また、管理栄養士と混同しやすい職業に、栄養士が挙げられます。
どちらも「人の栄養や食生活」に関わる点は同じですが、仕事内容のすべてが共通しているわけではありません。

この記事では、管理栄養士と栄養士に関して、仕事内容や資格の取得方法の違いを紹介します。

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管理栄養士とは

管理栄養士は、高度な栄養指導および栄養管理を行う仕事であり、国家試験に合格しなければならないため、栄養士の上級資格とも言われています。

健康診断などにおける栄養指導や、高齢者・傷病者に対する食事のサポート、子どもに対する食育など、活躍の場が幅広い点も特徴です。

以下では、管理栄養士の仕事内容や給与相場を紹介いたします。

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仕事内容

管理栄養士は、栄養指導や栄養管理を行うことが基本の仕事ですが、細かい担当業務は勤務先によって異なります。

例えば保育園や小中学校では給食の献立作成を行い、保育園や介護施設であれば調理業務や食育も担当するなど、仕事は多岐にわたります。
他にも医療現場であれば、医師や看護師、薬剤師と連携して患者の栄養管理を行い、総合病院などでは、栄養サポートチーム(NST)に参画できる可能性もあるでしょう。

中には、トップアスリートやモデル専属の栄養指導を行う管理栄養士も存在し、管理栄養士のキャリアは非常に幅広いことが分かります。

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給与相場

管理栄養士は小中学校や医療機関の他に、一般企業や行政など、多数の求人があります。
そのため、給与も勤務先によって大きく変わることが多く、極端に相場が高い・低いとは言えません。

ただし、後述する「栄養士」と比較すると、管理栄養士は国家資格を有するため高収入の求人が多く見つかる傾向にあります。

管理栄養士の給与相場は、以下のとおりです。

月収 約30万~38万円
年収 約350万~450万円

※実際の求人情報をもとに算出した金額です

勤務地域や勤務先によって、管理栄養士の給与は100万円ほどの差が出るため、転職の際は注意しましょう。
基本的に、公営の施設よりも一般企業や法人が運営している病院・介護施設のほうが高給の傾向にあります。

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就職先

管理栄養士の就職先は、以下の機関や施設が挙げられ、活躍の場所は多岐にわたります。

・医療機関(病院・診療所)
・福祉施設(高齢者向け・障がい者向けなど)
・保育園・児童養護施設
・小学校・給食施設
・一般企業
・研究施設

同じ管理栄養士であっても、どの業界へ就職するかによって、管理栄養士に求められるスキルは異なります。

例えば、入院患者や高齢者をサポートする際は、個人の状態に合った栄養指導や、各症状の理解、調理の技術などが必要です。
一方、保育園など子どもへ指導する場合は、アレルギーに関する知識や、子どもの好き嫌いをなくすよう子ども向けの食育が求められます。

そのため、管理栄養士を目指す際・転職する際は、就職したい業界を明確に定め、その業界で必要とされるスキルを専門的に学ぶとよいでしょう。

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栄養士とは

栄養士は、栄養士養成施設で2年以上学び、卒業した後に得られる資格のことです。
栄養士資格は都道府県知事の免許を受ける点に対し、管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けている点が大きく異なります。

また、管理栄養士のほうが、よりさまざま業務に携われますが、栄養士も栄養に関するエキスパートであることに変わりありません。
通常業務は管理栄養士と同様であるため、管理栄養士資格を取得せずに、各種施設で働く栄養士も多数います。

仕事内容

栄養士の主な仕事は、管理栄養士とほとんど変わらず、献立作成・調理・食生活のアドバイス・栄養指導などが挙げられます。
ただし、医療機関での栄養指導は「管理栄養士の業務」として法律に明記されているため、栄養士では患者に専門的な栄養指導を行うことはできません。

一般的に、管理栄養士と栄養士が複数在籍している場合は、栄養士は調理業務などをメインに行うケースが多い傾向にあります。

また、一般企業では、栄養士資格を活かして商品開発を行うチャンスもあり、会社内でのキャリアアップや、食品業界を牽引するようなマーケターを目指すことも可能です。

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給与相場

栄養士の給与相場は、国家資格である管理栄養士と比較すると、やや低い傾向にあります。
しかし、高齢化が進行していたり、食生活の意識が世間的に高まっていたりするため、栄養士の需要は今後も期待されます。

月収 約25万~33万円
年収 約300万~400万円

※実際の求人情報をもとに算出した金額です

より高い年収を得たい場合は、一度は栄養士として働いて実務経験を積み、管理栄養士資格の取得を目指すことも選択肢の一つです。
栄養士として2~4年の実務経験を積むことで、管理栄養士養成学校に通わなくても、国家試験の受験ができます。

【関連リンク】栄養士の仕事内容を職場別に紹介|資格の取得方法や将来性も

就職先

栄養士が活躍できる主な職場は以下の通りです。
栄養士の就職先は管理栄養士と大きく変わりはありません。

・福祉施設(高齢者向け・障がい者向けなど)
・保育園・児童養護施設
・小学校・給食施設
・一般企業

一般的に栄養士は、給食施設や福祉施設での勤務が多い傾向にあります。
また、医療機関にも就職は可能ですが、専門的な指導は管理栄養士が行うため、調理業務や献立作成がメインの業務となるでしょう。

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管理栄養士・栄養士の資格を取得する方法

管理栄養士も栄養士も、食事や栄養に関するエキスパートである点は同じです。
業務内容や年収の相場に多少差はありつつも、どちらの資格を選んでも専門的な知識に基づいた転職や就職の機会を得ることができます。

ただし、将来的にキャリアアップを目指す場合は、管理栄養士の資格取得も視野に入れておくべきでしょう。

最後に管理栄養士と栄養士それぞれの資格取得方法をご紹介します。

管理栄養士

管理栄養士の資格を得るためには、二つの方法があります。

一つ目は、管理栄養士養成施設を卒業し、管理栄養士国家試験を受験する方法です。
最初から管理栄養士を目指している方は、管理栄養士養成施設に入学することをおすすめします。

二つ目は、栄養士養成施設を卒業し、実務経験を積んだのち、管理栄養士国家試験を受験する方法です。
以下は、実務経験の必要年数の表です。
栄養士養成施設が何年制かによって、実務経験の必要年数が異なります。

栄養士養成施設の修業年数 実務経験の必要年数
2年制 3年以上
3年制 2年以上
4年制 1年以上

実務経験は、厚生労働省が定めた施設に限られており、学校や病院の他、条件を満たしている施設が対象です。
栄養士として実務経験を積んだのちに管理栄養士に挑戦したい場合は、栄養士資格を先に取得するこちらの方法がよいでしょう。

また、国家試験は年に一回の頻度で開催されています。
会場は北海道・宮城県・東京都・愛知県・大阪府・岡山県・福岡県・沖縄県の8都道府県に限られているため、地方在住の方は注意しましょう。

【関連リンク】管理栄養士資格の取得方法・流れ|栄養士資格との違いも

栄養士

栄養士は国家試験がないため、栄養士養成施設を卒業したのち、各都道府県の自治体で栄養士免許申請を行うことで、栄養士の資格を得ることができます。
また、卒業した養成施設の修業年数に応じた実務経験を積むことで、管理栄養士の国家試験受験資格も得られます。

ただし、栄養士の資格を目指すうえで注意すべき点は、カリキュラムが多いため夜間学校がないことと、学校ごとに異なる特色を持っていることです。

実務重視の授業を行う養成施設もあれば、栄養教諭など他の資格取得も目指せる養成施設もあるため、自分の目標に合った学校を選びましょう。

まとめ

管理栄養士と栄養士はどちらも需要の高い資格ですが、管理栄養士のほうが国家資格であるため、より専門的な栄養指導を行うことが可能です。

栄養士と比較すると給与相場が高いことや、業務内容・業界の幅も広がる点が、管理栄養士の魅力と言えます。
一方、栄養士は、養成施設を卒業と同時に実務経験を積める点がメリットです。
働きながら管理栄養士を目指すこともできるため、さらなるキャリアアップを目指したい方はチャレンジするとよいでしょう。

また、栄養士・管理栄養士の仕事は、就職する職場によって大きく変わります。
現在の職場で悩んでいる場合は、転職を検討することもおすすめです。
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