管理栄養士資格の取得方法・流れ|栄養士資格との違いも

最終更新日:2021年12月22日
 公開日:2021年5月7日

管理栄養士資格は国家資格であり、食事と栄養における高い専門性が認められています。高齢化社会が進む日本において需要の高い資格であるため、取得を検討している人も多いのではないでしょうか。

当記事では、管理栄養士資格の取得方法や、取得するメリットについて詳細に解説します。また、栄養士資格との違いや管理栄養士に向いている人の特徴も紹介するため、管理栄養士資格に興味のある人や、資格取得を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

管理栄養士資格とは?

管理栄養士とは、栄養指導における高度な専門知識と技術を持つ、食事と栄養のスペシャリストです。

管理栄養士になるためには、厚生労働大臣が認定した国家資格の管理栄養士資格を取得する必要があります。管理栄養士資格を取得できる「管理栄養士国家試験」は、養成施設や養成施設での修業年数によって、受験資格を得るための条件が異なります。

管理栄養士の受験資格の取得方法について、簡単に下記の表にまとめました。

管理栄養士養成施設 管理栄養士国家試験の
受験資格取得
4年 栄養士免許を取得 実務経験の必要なし
栄養士養成施設
2年 栄養士免許を取得 3年以上の実務経験
3年 2年以上の実務経験
4年 1年以上の実務経験

(出典:公益社団法人「日本栄養士会」/
https://www.dietitian.or.jp/students/dietitian/

上記を見てわかるように、管理栄養士養成施設で4年間修業すれば、実務経験の必要はありません。しかし、栄養士養成施設であれば最低でも1年以上、指定の施設での実務経験が必要です。

管理栄養士資格を取得することで、傷病者の栄養状態を考慮した療養食の提供や、食事に特別な配慮が必要な人へ栄養指導を行うことができます。また、大規模な給食施設での管理業務を担うことも可能です。

管理栄養士の勤務先は、医療施設・食品メーカー・社員食堂・学校・介護施設など多岐にわたります。スポーツ栄養分野を極めて、スポーツ業界で活躍することも可能です。

管理栄養士の年収は勤務先により異なりますが、約350万~約500万円です。資格手当がつくこともあり、経験年数により昇給が見込めることから、安定した職業といえるでしょう。

【関連リンク】管理栄養士の主な働く場所とは?徹底解説!

栄養士資格との違い

栄養士資格は、都道府県知事が認定する国家資格です。栄養士の仕事内容は主に健康な人へ対する栄養指導で、栄養バランスのよい献立作成や食事提供を行います。

管理栄養士と栄養士はどちらも食事と栄養の専門家ですが、対象者や資格の取得方法、仕事内容などに異なる点があります。管理栄養士と栄養士の違いは、下記のとおりです。

管理栄養士 栄養士
栄養指導の対象者 傷病中の人・食事に特別な配慮が必要な人・健康な人 健康な人
資格の取得方法 養成施設卒業後、国家資格に合格する 養成施設を卒業する
主な仕事内容 ●専門的な栄養指導
●食品開発・研究
●施設における栄養指導・管理業務
●給食の献立作成、調理
●食育指導
●食生活のアドバイス

管理栄養士は、栄養士免許を取得していることが前提です。管理栄養士資格のほうが資格取得における難易度が高いため、より専門的で責任感のある業務を担うことが多くなります。

【関連リンク】管理栄養士と栄養士の違いとは?給与相場や仕事内容を比較!

管理栄養士資格を取得するメリット

管理栄養士は高齢化社会が進む日本において、将来性のある職業といえます。2015年以降は日本の総人口が減少する一方で、65歳以上の高齢者の割合は増加の傾向にあるためです。

(出典:厚生労働省「管理栄養士・栄養士を取り巻く状況と管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定の歩み」/
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000358651.pdf

また、管理栄養士は、高齢者の療養食指導や健康寿命を伸ばすための栄養サポートや、国民の生活習慣病の予防・健康増進を担う役目として活躍が期待されています。

なお、管理栄養士と栄養士の平成28年における配置状況は、下記のとおりとなっています。

管理栄養士 栄養士
病院 22,429人 4,586人
診療所 4,027人 2,004人
介護保険施設 11,448人 2,905人

(出典:厚生労働省「管理栄養士・栄養士を取り巻く状況と管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定の歩み」/
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000358651.pdf

上記の表において、各施設における管理栄養士の配置人数は、栄養士の2倍以上です。管理栄養士の高い専門性は、あらゆる施設で必要とされていることがわかります。

【関連リンク】管理栄養士・栄養士の給料事情は?
年齢や施設ごとに総まとめ!

管理栄養士資格の取得の流れ

管理栄養士資格は、国家試験に合格することで取得できます。国家試験の受験資格は、卒業施設や修業年限により異なるため、自分が当てはまる条件について確認しておきましょう。

管理栄養士養成施設・栄養士養成施設のいずれも、学習内容が多く実習も多く行われることから、夜間課程や通信課程といったコースはありません。必ず昼間に通学する必要があるため、社会人として仕事と両立しながら栄養士・管理栄養士を目指すことは困難だと言えるでしょう。

以下では、管理栄養士資格を取得する流れについて、詳しく解説します。

栄養士資格を取得する

管理栄養士になるためには、まず栄養士資格を取得する必要があります。栄養士資格は、高校卒業後に養成施設を卒業することで取得することが可能です。

養成施設には、下記の2種類があります。

管理栄養士養成施設
(厚生労働大臣指定)
4年制大学・4年制専門学校
栄養士養成施設
(文部科学大臣・厚生労働大臣指定)
大学・短期大学・専門学校(修業年限2年以上)

管理栄養士養成施設を卒業した場合、実務経験不要で国家試験の受験資格が与えられます。高校卒業後すぐに管理栄養士を目指したい人は、管理栄養士施設への入学を検討するとよいでしょう。

栄養士養成施設の場合は実務経験を積む

栄養士施設を卒業している場合は、実務経験を積むことで管理栄養士国家試験の受験資格を得ることが可能です。

必要な実務経験年数は、栄養士施設の修業年限により変わります。必要な実務経験年数の詳細は、下記のとおりです。

栄養士養成施設の修業年限 必要な実務経験年数
2年制を卒業 3年以上
3年制を卒業 2年以上
4年制を卒業 1年以上

また、受験資格に該当する施設や実務経験の内容は、下記のとおりです。

●寄宿舎・学校・病院などで、特定多数人に対して継続的に食事を供給する人
●食品の製造・加工・調理または販売を行う営業施設
●学校教育法に規定する学校・専修学校や、就学前の子どもに関する教育・保育などの総合的な提供の推進に関する幼保連携型認定こども園
●栄養に関する研究施設や保健所、栄養に関する事務を担当する行政機関
●栄養に関する知識の普及向上や、栄養指導の業務が行われる施設

(出典:厚生労働省「管理栄養士国家試験」/
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kanrieiyoushi/

上記の条件を満たすことで、栄養士として働いている人も管理栄養士を目指すことができます。さらなるスキルアップを図りたい人は、管理栄養士資格に挑戦してみましょう。

管理栄養士国家試験を受験する

管理栄養士国家試験では、9科目の筆記試験が行われます。管理栄養士国家試験の概要は、下記のとおりです。

受験地 北海道・宮城県・東京都・愛知県・大阪府・岡山県・福岡県・沖縄県
試験期日 年1回(第35回施行日は令和3年2月28日)
試験科目 ●社会・環境と健康
●人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
●食べ物と健康
●基礎栄養学
●応用栄養学
●栄養教育論
●臨床栄養学
●公衆栄養学
●給食経営管理論
受験手数料 6,800円
合格者発表 約1ヶ月後にホームページ上で発表
合格者には合格証書を交付
(第35回試験においては令和3年3月26日に発表・投函)

(出典:厚生労働省「管理栄養士国家試験」/
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kanrieiyoushi/

合格基準は毎年変動しますが、おおよそ200点中120点以上(正答率60%以上)が合格の目安です。

また、管理栄養士国家試験の難易度は、下記のとおりです。直近にあたる第34回では、受験者数15,943名のうち合格者数は9,874名で、全体の合格率は61.9%となっています。

<学校区分別合格者状況>

合格率
管理栄養士養成課程(新卒) 92.4%
管理栄養士養成課程(既卒) 12.0%
栄養士養成課程(既卒) 17.8%

(出典:厚生労働省「第34回管理栄養士国家試験の結果について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000612666.pdf

近年の管理栄養士国家試験の合格率は、50~60%前後で推移しています。いずれの年も、管理栄養士養成課程新卒者の合格率は80~90%と高く、各既卒者の合格率は約20%前後です。既卒者は過去問題集などを用いて、国家試験に有効な試験対策を行いましょう。

(出典:厚生労働省「管理栄養士国家試験実施状況」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000165702.pdf

管理栄養士に向いている人の特徴

管理栄養士に向いている人の特徴は、下記のとおりです。

●食事や栄養について興味がある人
●健康な子ども・高齢者から病院の患者まで、幅広く栄養指導を行いたい人
●人々の健康を栄養面からサポートしたい人

料理が好きな人や健康に配慮した食事を作りたい人は、管理栄養士としての素質があるといえます。

病院で働く際には、医師や看護師と連携して働くこともあります。患者や施設の利用者とコミュニケーションを取ることもあるため、協調性のある人や人の役に立ちたい人にも向いているでしょう。

【関連リンク】管理栄養士/栄養士の求人一覧を見る

まとめ

管理栄養士資格は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。管理栄養士は高齢者や病気の人など、あらゆる人に対する栄養指導が可能です。また、給食施設の管理業務など、責任ある立場を任されます。

管理栄養士は食事と栄養について高い知識を持つため、活躍できる場所は多岐にわたります。

管理栄養士試験の受験資格は、卒業した養成施設により異なります。食事や栄養に関心があり、栄養面から人々の健康をサポートしたい人は、管理栄養士に向いているでしょう。

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