管理栄養士とは?職場別の仕事内容・平均給与・資格の取得方法も

最終更新日:2022年6月7日
 公開日:2022年5月27日

管理栄養士は、栄養や食事に関するエキスパートです。栄養や食事に関する仕事に就くことを考えている学生や、栄養のスペシャリストを目指している栄養士の中には、管理栄養士になることを考えている方もいるでしょう。

管理栄養士とひと口にいっても活躍できるフィールドが多いため、それぞれの職場における仕事内容を事前に把握することが大切です。

今回は、管理栄養士について「どのような職業か」や、栄養士との違い、活躍できる職場といった観点から解説します。

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管理栄養士とは?

管理栄養士とは、個人や集団に対して食事、栄養面での管理を行い、健康的な食生活を送るためのサポートをする職業です。管理栄養士の細かい仕事内容は職場によって異なり、主に下記のような役割を担っています。

  • ・個人や集団に対する食事指導や栄養指導
  • ・集団給食や病院食、社食などの献立作成・給食づくり
  • ・食材の発注作業
  • ・栄養バランスのチェックや栄養計算
  • ・給食施設などにおける衛生管理・労務管理

ここでは、管理栄養士と栄養士の違いや、管理栄養士が活躍できる場所について解説しましょう。

栄養士との違い

管理栄養士、栄養士ともに、栄養素の計算やチェックなどを通して、個人や集団の食事管理に携わる職業です。仕事の内容は似ているものの、資格の取得方法や細かい業務内容が異なります。

■管理栄養士と栄養士の違い

資格の取得方法 業務内容
管理栄養士 管理栄養士国家試験に合格すれば、厚生労働大臣から免許が交付される ・個人や集団に対する栄養指導
・地域の健康増進のための普及活動
・給食施設などでの管理業務
栄養士 指定の学校を卒業すれば、都道府県知事から免許が付与される ・栄養学に基づいた献立の作成
・食生活のアドバイス
・調理方法の改善

管理栄養士は栄養士ができる仕事内容に加えて、専門的な栄養指導業務や管理業務といった責任を伴う業務に携われる点で、栄養士と異なります。管理栄養士は、栄養士と比べて専門的な業務が多いことを踏まえたうえで、自分のキャリアについて考えることが重要です。

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管理栄養士が活躍できる場所

管理栄養士は栄養指導・栄養管理の専門家であるため、食事や栄養が関わる場所で活躍できます。管理栄養士が活躍できる場所の例は下記の通りです。

  • ・病院などの医療機関
  • ・学校・保育園(幼稚園なども含む)
  • ・一般企業(食品会社・メーカーなども含む)
  • ・社会福祉施設・介護施設
  • ・地方自治体・保健所など(行政機関)
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【職場別】管理栄養士の仕事内容

管理栄養士の主な仕事として、食事面・栄養面での指導や献立の作成といった業務が挙げられます。しかし、具体的な業務内容や管理栄養士としての働き方は、勤務する施設や企業によって異なることに注意しましょう。

ここでは、管理栄養士の仕事内容を主な職場別に紹介します。

【病院】バランスの良い食事の提供

病院などの医療施設で働く管理栄養士の主な仕事は、病気療養中の患者にバランスの良い食事を適切な形態・形状で提供することです。入院している患者はそれぞれ病気や症状が異なるため、状態に合わせて減塩食や低糖質食、流動食などの適切な献立を作る必要があります。

病院勤務の管理栄養士の場合、病院給食の献立作成だけでなく患者への栄養指導・栄養相談も行います。また、管理栄養士は医療現場における栄養サポートチーム(NST)の中心的な役割を担う職種です。食事療法も重視されるようになっているため、今後はさらに需要が高まるでしょう。

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【学校・保育園】給食の提供・食育の実践

学校や保育園で働く管理栄養士の主な仕事として、成長期の子どもたちに栄養バランスに優れた学校給食を提供することが挙げられます。献立開発時には栄養基準をクリアするだけでなく、季節感や学校行事を反映したり、調理師、調理スタッフの負担を考慮した調理法にしたりといった工夫も必要です。

献立作成や食材発注のほか、栄養教諭などの職員として教員や保育士、子どもたちへの栄養指導を行うことも、学校・保育園に勤務する管理栄養士の仕事です。給食の残量や子どもたちの栄養状態を定期的にチェックし、適切な指導を行うことが求められます。

また、学校や保育園の現場で働く管理栄養士は「食育(食事に関する教育)」も担当します。深い栄養知識はもちろん、食事の大切さや楽しさ、日本の食文化、季節・行事に合った食事といった栄養教育を行う技術も必要です。

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【企業】食品に関する知識を生かしたさまざまな業務

食品メーカーに勤務する管理栄養士の場合、主に栄養食品・栄養機能食品などの研究開発や、商品企画・商品開発といった部署での勤務が多い傾向にあります。

一方で、市場調査や営業(技術営業)、カスタマーセンターでの対応など、栄養学の知識が生かせる部署で働くことも珍しくありません。研究職や営業職などさまざまな職種を経験できる可能性があるので、管理栄養士として豊富なキャリアを得たいと考えている方にはおすすめの職場です。

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【社会福祉・介護施設】利用者に合わせた食事の提供

社会福祉・介護施設で働く管理栄養士の主な仕事には、施設利用者の栄養管理や提供する食事の献立作成、利用者への栄養指導などがあります。仕事内容は病院勤務の管理栄養士と似ていますが、利用者の体調を考慮して「固形食」「刻み食」「流動食」にするなどの工夫が必要な点に注意しましょう。

また、社会福祉施設や介護福祉施設の場合、楽しんで食べてもらえる食事を提供することも重要となります。旬の食材を取り入れて季節感のある食事内容にしたり、料理の見た目を工夫したりといった努力も必要になるでしょう。

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【スポーツ関連施設】運動能力を高める食事の提案

スポーツ関連施設で働く管理栄養士の主な仕事は、プロアスリートや実業団の選手、スポーツに取り組む一般の方たち(子どもを含む)に、運動能力を高める食事・栄養についての指導を行うことです。主にプロスポーツ団体や実業団、大学・高校の運動部、スポーツクラブやジムなどで活躍しており、相手に応じた食事面・栄養面のサポートを行っています。

例えば、プロの選手たちをサポートする場合、提供する食事の献立作成やメニュー開発、選手一人ひとりの栄養状態の確認と食事管理、栄養相談などが主な仕事となります。また、子どもの食事・栄養をサポートする場合は、成長期の子どもが心身ともに健全に成長できる食生活について、保護者や指導者に栄養教育・講義などを実施することもあります。

スポーツ施設やジムなど、スポーツが好きな一般の方が多い職場では、希望する利用者に対して栄養カウンセリングを行い、目的や生活スタイルに合わせた食事プログラムを作成します。職場やサポートする相手によって仕事の内容が少し異なりますが、運動やスポーツを頑張る方に対して、それぞれに合った栄養サポートを担う役割といえるでしょう。

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【美容関連施設】食事を通して美容維持を支援

美容クリニックや美容サロンといった美容施設に勤務する管理栄養士には、カウンセリングを通して栄養指導や食生活指導を行うことが求められます。お客様が抱える美容や健康、ダイエットなどに関する悩みに対して真摯に向き合い、お客様のライフスタイルに合った指導・アドバイスを行うことが大切です。

美容クリニックや美容サロンの場合、施術メニューや料金体系の説明といった接客業務も担当します。また、美容サロンで働く管理栄養士は、エステティシャンとして活動することもあります。一方、医師免許がなければ使用できない医療機器を頻繁に使用する美容クリニックでは、管理栄養士が施術に関わることはあまり多くないでしょう。

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【薬局】地域住民の健康をサポート

薬局(ドラッグストア)に所属する管理栄養士は、食事面や栄養面といった薬学・医薬品以外の視点から地域住民の健康を支援する役割を担っています。レジや品出し、接客、発注などの店舗業務と並行して、薬局を訪れたお客様からの食事相談や栄養相談を受け、一人ひとりに合ったアドバイスを行うことが基本業務となります。

また、お客様が無料で利用できる測定機器が薬局に設置されている場合、機器を利用するお客様のサポートや、測定結果をもとにした指導・アドバイスも行います。さらに、お客様のニーズや年齢層に合った栄養関連イベントを企画・実施する機会も少なくありません。来店が困難なお客様の自宅に訪問して栄養食事指導を行うケースもあり、地域社会と密接に関わる仕事ができるでしょう。

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【研究機関】地道な調査と実験で健康維持に貢献

国や企業、大学などの研究施設に勤務する管理栄養士は、栄養や食事、料理など食に関わる分野をはじめ、保健、医療、福祉、介護、スポーツといった関連分野の調査・研究を行います。

研究機関では地道な調査や実験を繰り返すことになりますが、その成果を論文で発表したり、企業と連携して商品開発に応用したりすることで、多くの方たちの健康維持・増進に貢献できます。基礎研究(栄養学、食品学など)から実践研究(食育、けがの予防など)まで多くの研究内容があるため、自分が興味のある分野の研究職として活躍することができるでしょう。

【教育機関】未来の管理栄養士を育成

教育機関(管理栄養士・栄養士養成施設など)で働く管理栄養士の主な業務内容は、管理栄養士や栄養士を目指す学生に対して講義や実習を行うことです。栄養学を中心とする座学や調理実習などの実習指導を通して、未来の管理栄養士・栄養士の育成に貢献します。

また、管理栄養士・栄養士養成施設のほかにも、調理師や看護師、介護福祉士など、栄養と食事に関する知識・スキルが必要とされる職種の養成機関に勤めることもあります。管理栄養士は、教育機関においても幅広い活躍が期待できるでしょう。

【自治体】子どもから高齢者まで健康づくりを支援

自治体(都道府県や市町村)に所属する管理栄養士(行政栄養士)は、都道府県庁や市町村役場、保健所、保健センターなどに勤務します。

行政栄養士の仕事は多岐にわたり、主に地域住民に対する栄養指導・栄養相談、食事や健康に関する講習会・イベントの開催といった栄養行政業務を担っています。介護を必要とする方や子育て世帯に訪問栄養指導を行ったり、地域の飲食店(食堂・レストランなど)における衛生環境の監視や指導を行ったりすることも重要な仕事の一つです。

管理栄養士の平均給与

管理栄養士として働くことを考える際、どのくらいの収入が得られるのか気になる方もいるのではないでしょうか。厚生労働省が実施した「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、栄養士の平均給与は下記のようになっています。

栄養士の平均給与
約429万円(賞与や特別給与を含む年収)

(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html

ただし、この調査の「栄養士」には管理栄養士と栄養士両方の資格所持者が含まれています。管理栄養士は栄養士の上級資格であるため、管理栄養士の実際の平均給与は上記よりもやや高いと考えられるでしょう。

また、管理栄養士の平均給与は職場によっても大きく異なります。とくに食品メーカーをはじめとする民間企業や研究機関で働く場合は、管理栄養士の平均的な給与よりも年収が高い傾向にあります。管理栄養士として高収入を目指したい方は、企業や研究機関・研究施設などへの就職・転職もおすすめです。

管理栄養士になるには?

管理栄養士になるには国家試験に合格する必要がありますが、管理栄養士の国家試験を受験するためにはいくつかの条件を満たさなければなりません。

管理栄養士への最短ルートは、高校卒業後に大学や専門学校における4年制の管理栄養士養成課程に進学し、課程を修了することです。卒業と同時に栄養士の免許が取得できるうえに、実務経験がなくても管理栄養士の国家試験を受験することができます。

大学や短期大学、専門学校などの栄養士養成施設における養成課程を修了し、栄養士の国家資格を取得している方の場合は、栄養士としての実務経験が必要です。

■栄養士が管理栄養士国家試験を受験するために必要な実務経験年数

  • ・4年制課程の場合…実務経験1年
  • ・3年制課程の場合…実務経験2年
  • ・2年制課程の場合…実務経験3年

栄養士として働いている方の場合、厚生労働省で定められている施設(学校や病院の給食施設、食品の製造を行う施設など)に勤務することで受験資格が得られます。管理栄養士は栄養士よりも仕事の幅が広がるため、キャリアアップを目指している方は管理栄養士の国家資格取得を目指してみましょう。

管理栄養士の国家試験とは?

管理栄養士の国家試験とは、管理栄養士資格を取得するために必要な試験のことです。

養成施設を卒業すると都道府県知事から免許を得られる栄養士とは違い、管理栄養士は以下の受験資格のいずれかを満たしたうえで、国家試験を受験する必要があります。国家試験に合格して管理栄養士の国家資格を取得すれば、厚生労働省(厚生労働大臣)に管理栄養士免許の交付を申請することができます。

■管理栄養士国家試験の受験要件

  • ・管理栄養士養成施設(大学・専門学校・短大などの管理栄養士養成課程)を修了する
  • ・栄養士として1〜3年の実務経験を積む

試験は「基礎栄養学」「応用栄養学」「栄養教育論」などの10科目から構成されており、問題は5つの選択肢から1つか2つの回答を選ぶマークシート形式となっています。

合格基準が正答率60%前後のため、それほど難しい試験ではないように思えますが、例年の合格率は50〜60%前後。それほど高い水準ではありません。合格するためには、十分な試験対策が必要となるでしょう。

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管理栄養士になるメリット・デメリット

管理栄養士になるには、相応の時間や学費が必要であるため、「管理栄養士を目指すべきか」について悩んでいる方もいるのではないでしょうか。後悔しない選択をするためにも、管理栄養士になるメリット・デメリットを理解したうえで、管理栄養士への道を選ぶかどうかを検討しましょう。

<メリット>

  • ・安定性の高い職場が多く、収入も安定しやすい
  • ・正規雇用(正社員・正職員)の求人が多い
  • ・仕事へのやりがいを感じやすい
  • ・ブランクがあっても再就職しやすい
  • ・ライフスタイルの変化に応じて柔軟な働き方ができる

管理栄養士は専門性の高い職業であり、正規雇用や安定した勤め先への就職・転職が比較的容易である点に魅力があります。また、全国的なニーズが高まっているため、希望するエリアでの就職活動・転職活動もスムーズに行えるでしょう。育児や介護などでブランクがある女性が再就職しやすいことも、大きなメリットとして挙げられます。

<デメリット>

  • ・管理栄養士になるまでに時間と費用が必要

管理栄養士になるデメリットはほぼありませんが、強いていうなら管理栄養士になるまでに相応の時間(年数)と費用が必要となることです。管理栄養士養成施設に4年間通うための学費や通学年数、栄養士としての実務経験年数などの状況を考慮し、奨学金の活用も視野に入れながらシミュレーションしてみると良いでしょう。

管理栄養士に向いている人

管理栄養士は、年代や生活環境、心身の状態などが異なる方々と接する機会が多い職業です。相手を思いやる優しい気持ちを持っていて、コミュニケーション能力も高い方は、管理栄養士に向いているといえるでしょう。

また、栄養や食事、食材に関する知識・スキルに関心を持ち、常に勉強や研究を怠らない姿勢も重要です。栄養や食事、健康管理への探究心が強い方であれば、管理栄養士の仕事を楽しめるでしょう。医師や薬剤師、保健師、小中学校や幼稚園の先生、スポーツトレーナーなどと関わる機会も多いので、協調性の高い方やチームでの仕事を好む方にも向いています。

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まとめ

管理栄養士は、食事や栄養の指導を行ったり、栄養バランスに配慮した献立を作成したりといった仕事に従事する栄養分野のスペシャリストです。栄養士と仕事内容が重複する部分もありますが、栄養士よりもできる仕事の幅が広いため、医療現場や学校などさまざまな職場で活躍できるでしょう。

管理栄養士になるには、管理栄養士国家試験に合格する必要があります。自分の環境や状況に応じて、「管理栄養士養成課程への進学」や「栄養士として実務経験を積んだうえでの国家試験受験」などの進路を考えましょう。

※当記事は2022年4月時点の情報をもとに作成しています

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