食品メーカーで働く管理栄養士の仕事内容|給料相場も紹介!

更新日 2022年12月14日 公開日 2022年12月14日

#年収・給料 #情報収集 #転職検討/準備

健康志向が高まるなか、食品メーカーにおける商品企画・商品開発の分野でも、健康や栄養に関する知識を持った管理栄養士の視点が求められるようになりました。自分が企画・開発に関わった商品で、いろいろな方を笑顔にできる……。そう考えると、食品メーカーは管理栄養士にとって、とても魅力的な職場だと言えますよね。

しかし、食品メーカーでの管理栄養士の業務は、一般的に知られている栄養管理や栄養指導、献立作成とは異なるため、「どんな活動をしているのか、具体的なイメージがわかない」という方が多いのも事実。そこで当記事では、食品メーカーで働く管理栄養士の仕事内容や給料の相場、食品メーカーでの勤務に向いている方の特徴、管理栄養士が食品メーカーで働くための方法などを詳しく紹介します。食品メーカーでの仕事に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。

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そもそも食品メーカーとは?

「食品メーカー」とは自社で製造した食品を消費者に販売する企業のことです。食品メーカーで扱う商品は、大豆製品、乳製品、菓子といった加工品から、清涼飲料水、健康食品まで多岐にわたり、原材料の仕入れから製造・流通までを担います。

また、食品メーカーには「安心・安全でおいしい食品を消費者に提供し、毎日の生活を支える」という側面もあります。食品メーカーのなかには、誰もが知っているような大手食品メーカーだけでなく中小企業も多数存在し、研究職や商品開発職、生産技術職、営業・販売職といったさまざまな職種の方が、消費者の多様なニーズに応えるために働いています。

【関連リンク】管理栄養士の主な働く場所10選|将来性や転職時のポイントも

食品メーカーで働く管理栄養士の主な仕事内容

食品メーカーにおける管理栄養士の活動は、職場によってさまざま。商品の企画・開発や豊富な栄養知識を生かした市場調査、特許出願のための資料作成、オペレーターとしての顧客対応など、管理栄養士に求められる仕事は多岐にわたるため、ひと口に「食品メーカーでの仕事」と言っても、求人によってその内容が異なります。

そのため食品メーカーの仕事を探す際は、「自分のやりたい仕事」を明確にしてから求人を探すのが良いでしょう。ここからは、食品メーカーにおける管理栄養士の代表的な仕事を解説していきます。

商品開発

商品開発は、商品の開発コンセプトをもとに試作、試食などを繰り返し、新しい商品を作り上げていく仕事です。そうした活動においては、管理栄養士の調理スキルや栄養学の知識が役に立つでしょう。

新商品を生み出すまでには、管理栄養士が各種データの測定や、商品の改善に向けたマーケティングなどに携わるケースもあります。また、商品開発の業務では、データの入力・管理を行ったり、社内外での打合せに参加したりする機会も多く、そうした場面ではパソコンスキルやコミュニケーション能力を求められることになります。

「自分たちのアイデアが形になる」というのはとても魅力的な活動なため、商品開発に携わりたいと考えている管理栄養士は多くいらっしゃいます。もちろん、商品開発の仕事に資格が必須というわけではありませんが、商品によっては味や見た目だけでなく栄養価やカロリーが重視されるケースもあるため、専門性の高い管理栄養士の知識・スキルはとても重宝されるでしょう。

品質管理・規格書作成

品質管理と規格書作成は自社商品の情報管理に関わる業務であり、安心・安全な食品提供を目指す食品メーカーにとって非常に重要な仕事と言えます。

品質管理は、その名の通り商品の品質を保証するための仕事で、自社で取り扱う原料や食品添加物に関する情報収集、法令などのリサーチ、資料作成、検品といった幅広い業務に取り組む必要があります。場合によっては、委託先の製造工場で監査に立ち会ったり、商品の欠陥やトラブルへの対応を行ったりするケースもあるでしょう。

一方の規格書作成業務は、顧客や外部の関係者に商品の仕様を示すための資料を作る仕事です。規格書には、取引上必要な商品情報や、原材料名、アレルギー物質といった品質に関する情報など、さまざまな情報を記載する必要があるため、管理栄養士としての専門知識が生かせるでしょう。

ちなみに規格書は、取引先からの問い合わせに回答する際にも活用されます。そのため、正確に作成することはもちろん、データベースで一元管理するなどして、各部署が規格書の内容に素早くアクセスできるような工夫も必要です。

顧客対応

管理栄養士が食品メーカーで行う顧客対応には、カスタマーサービスのような側面があり、自社の製品について利用者からの問い合わせに応じたり、クレーム対応を行ったりするのも管理栄養士の業務となります。

ちなみに、医薬品や健康食品、サプリメントを扱う食品メーカーでは、顧客対応業務のために管理栄養士を募集することが珍しくありません。一般の顧客からの問い合わせに対して回答することが多いため、栄養や商品の知識だけでなく、知識を持たない相手の立場を考えて回答するコミュニケーション能力」が求められる仕事と言えるでしょう。

なお近年は、電話での対応だけでなく、チャットやメールで顧客対応を行うケースも増えています。

【関連リンク】マイナビコメディカルで
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【栄養士の全体相場と比較】食品メーカーで働く管理栄養士・栄養士の給料相場

食品メーカーで働く管理栄養士・栄養士の年収相場は「約250万~330万円」で、給食施設で働く管理栄養士・栄養士の年収に近い水準です。

ただし、企業勤めの場合、年齢やキャリアを重ねるごとに給料が上がる傾向があるため、食品メーカーに勤務する管理栄養士・栄養士についても、勤続年数によって年収が上がる可能性が高いと考えられるでしょう。

(出典:国税庁「民間給与実態統計調査」/https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/000.pdf

下の表は、管理栄養士・栄養士の平均年収を施設別にまとめたものです。平均年収はマイナビコメディカルに掲載されている求人情報から算出した金額で、食品メーカーは最下段の「その他事業所(美容業界・食品業界など)」に含まれています。

●【施設別】管理栄養士・栄養士の平均年収

栄養士全体(※) 約374万円
病院・診療所 約300万~400万円
福祉施設(介護施設・児童福祉施設など) 約260万~310万円
保育施設 約300万~350万円
行政機関 約450万~600万円
給食施設 約330万~400万円
その他事業所(美容業界・食品業界など) 約250万~330万円

(※出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

施設別の平均年収を見ると、「その他事業所」の平均年収は栄養士全体の年収を下回っています。ただし、表の数値は他の業界を含めた平均となっているため、食品メーカー単独の平均年収ではないことに注意しましょう。

実際の求人情報を見ると、食品メーカーの管理栄養士の求人(正社員の場合)における月給は20万円前後。想定年収は200万円代〜300万円代が多い傾向ですが、なかには年収450万円前後の高収入を期待できる求人もあります。

【関連リンク】管理栄養士の年収はいくら?
職場別の平均給与を公開

【管理栄養士向け】食品メーカーでの勤務が向いている方の特徴

食品メーカーにおける管理栄養士の仕事は、「人の体内に入るもの」を扱うからこその責任が求められる一方で、楽しさややりがいも大きいでしょう。

食品メーカーでの勤務が向いている方の特徴として、まずは「食への興味・探究心があること」が挙げられます。たとえば、商品開発の現場でより良い商品を研究開発するためには、開発者自身が日頃から食に興味を持ち、食について深く考えておく必要があります。商品開発においては試作や試食も多いため、調理が好きな方であればより楽しく仕事に打ち込めるでしょう。

商品開発の視点で言えば、味覚や嗅覚が優れた方も食品メーカーに向いていると考えられます。多くの食品メーカーでは、開発の担当業務を決める際に「官能評価試験」で開発者の味覚をテストしているため、優れた味覚・嗅覚は大きな武器となるでしょう。

上記以外では、仕事に責任感を持てるかどうかも重要です。前述した通り、食品メーカーは「人の体内に入るもの」を扱う企業です。安心・安全な食品を製造し、消費者に届けることを念頭に置き、食品の製造に対して責任を持って取り組める方は、食品メーカーでの仕事が向いていると言えるでしょう。

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転職を成功させるためには?

管理栄養士が食品メーカーで働くための流れ

管理栄養士が食品メーカーで働くには、通常の仕事探しと同じように、求人・転職サイトなどで求人を探して応募する必要があります。

ただし、食品メーカーの求人は、病院・介護施設などの求人数と比べて少なめです。加えて、食品メーカーは管理栄養士の就職先として人気があるため、倍率が高い傾向にあります。特定の分野に強い転職エージェントであれば、独自の非公開求人などを持っている可能性が高いので、食品メーカーでの仕事に興味がある方は、管理栄養士・栄養士の求人を専門的に扱うエージェントを利用すると良いでしょう。

マイナビコメディカルでは、管理栄養士向けの求人情報を豊富に掲載しています。加えて、業界に精通したキャリアアドバイザーが、書類作成、面接対策などのサポートも行っておりますので、ぜひご活用ください!

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まとめ

食品メーカーにおける管理栄養士の主な仕事として、「商品開発」「品質保証・商品情報の管理」「顧客対応」の3つが挙げられます。いずれも消費者の食生活を支える重要な仕事であり、活動に携わることで大きなやりがいを感じられるでしょう。

ただし食品メーカーは、病院や介護施設などに比べて求人が少なく競争率が高いため、転職を希望する際には、業界に精通した転職エージェントを活用するのがおすすめです。

食品メーカーへの転職を検討している管理栄養士・栄養士の方は、ぜひマイナビコメディカルにご登録・ご相談ください! 経験豊富なキャリアアドバイザーが、一人ひとりに合った転職活動をサポートいたします。

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監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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