メールマナー⑫ビジネスメールにファイル添付する際のマナー【第92回】

公開日：2024.07.26

文：村尾 孝子
薬剤師／医療接遇コミュニケーションコンサルタント

メールでは、仕事に使う資料データ等を添付して送ることができます。印刷や郵送の手間がかからず便利な機能ですが、相手が添付ファイルを開かなければ見てもらえないかもしれません。

今回は、相手に負担をかけずに資料等を見てもらうための添付ファイルのマナーについて説明します。

添付ファイルのマナー

①添付していることを伝える

メールにファイルを添付する場合、ファイルを添付していることや、何を添付しているか、などが相手に伝わるようにメールの件名や本文を作成します。

添付ファイルの内容は開封しなければ見ることができませんが、その開封作業自体が受信者にとっては手間となる場合もあります。ファイルを見てもらうために、添付したファイルの内容とその必要性等を明記して、受信者に伝えることが大切です。

②添付するファイルのサイズに気を付ける

添付ファイルとひと言でいっても、その内容やサイズ、形式はさまざまです。職場の通信環境が良ければファイルのサイズは気にならないかもしれませんが、状況によってはサイズが大きなファイルは受け取れないこともあります。

一般的に2MB以内であればほとんどの場合受け取れますから、相手に迷惑をかけないように、添付ファイルのサイズは2MB以内にしましょう。

2MB超のファイルを送る場合は、相手の環境を確認したり、送り方を相談したりするのが無難です。相手が受信できるシステム等があれば、そちらに従いましょう。

③ファイルとパスワードの取り扱い

機密情報や個人情報などが含まれるファイルの取り扱いには、十分な配慮が必要です。パスワードの設定が求められる場合やパスワードのかけ方にルールがある場合はそちらに従います。

パスワードをかける際は、

・推測されにくいパスワードにする
・パスワードをかけたファイルとパスワードは別々のメールで送る

の2点に気を付けます。受信者がスムーズに開封・確認できるよう、十分配慮しましょう。

④質問等の問い合わせ先を伝える

ファイルを添付すると、ファイルを開封できないといった事態が起こることもあります。メールの内容や添付ファイルについて質問をしたい時、連絡先が記載されていればすぐに問い合わせができます。

連絡先を探すなどの手間や時間をかけさせないように連絡先や相談窓口を明記しておくと、相手は安心や信頼を感じるでしょう。

⑤重要データは添付しない

セラピストが仕事で扱うデータには、個人情報が含まれるものも少なくないと思います。メールの添付ファイルで重要データを送ることは、セキュリティ上の理由からおすすめできません。

個人情報を含むような重要データの共有が必要な場合や、ファイルサイズが大きい場合などは、クラウドストレージやファイルサーバーでファイル共有をするなど、メール添付以外の方法を検討しましょう。

⑥わかりやすい添付ファイルの名前を付ける

添付ファイルには、わかりやすい名前をつけましょう。「見積書」のように短すぎる言葉や長い文章の名前をつけると、相手がパッと見たときに内容がわからないかもしれません。名前を付ける場合は、病院名（社名）・ファイルの詳細・日時等を入れて、内容がすぐにわかるようなファイル名にしましょう。

ビジネスメールにファイルを添付する際は、相手が安全で快適にファイルの確認ができるよう気をつけます。相手に手間をかけさせることがないよう十分配慮し、セキュリティ面も踏まえてファイル共有の最善の方法を検討することが大切です。

 

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