メールマナー⑥正しい宛名の書き方を解説~院内宛【第86回】
公開日:2024.01.30
文:村尾 孝子
薬剤師/医療接遇コミュニケーションコンサルタント
メールの宛名は、送信先が院内か院外か、また送り先の人数等によって使い分けることが大切です。前回は院外宛の宛名の書き方をまとめました。今回は院内宛の宛名の書き方について説明します。
1.基本の書き方(相手が一人の場合)
院内の1人にメールを送るときは、以下の内容を記載します。
・部署名(課名)
・役職名(肩書き)
・相手の氏名
たとえば、検査部のAさんにメールを送る場合、以下のようになります。
検査部 A様(Aさん)
院内メールのルールは病院や組織によって異なります。上位職であっても「様」でなく「さん」をつけるなど、院内のルールを確認してから送りましょう。
2.宛名が複数名(連名)の場合
院内に向けて複数人(3~5人程度)にメールを送る場合の書き方は、以下のとおりです。
①氏名を横に並べて記載する
××部
○○部長、△△課長、●●様
②氏名を縦に並べて記載する
××部
○○部長
△△課長
●●様
③TOとCCごとに記載する
○○部長
(CC:△△課長、●●様)
院外宛の場合と同じく、立場(役職)が上の人から順番に記載するのがマナーです。
④多人数に送る場合
院内の大勢の人に向けて送る場合は、以下のようにまとめて記載します。
××部各位
関係者各位
ご担当者各位
各位には「皆様」という意味があります。「各位様」のように「各位」に「様」をつけると二重敬語になるためNGです。
⑤役職者へメールを送る場合
院内の役職者にメールを送る場合、以下のようになります。
医事課 山田課長
医事課 課長 山田様(さん)
敬称の付け方の注意点
「部長」などの役職名自体が敬称となるため、役職の後に「様」などの敬称を書くのはNGです。
「A部長様」のように役職と「様」などの敬称を続けて書かないよう気を付けましょう。
医事課 鈴木部長様
「○○病院 医事課御中 採用担当者様」のように、御中と様の両方を付けると二重敬語となりますから気を付けましょう。
⑥医師にメールを送る場合
医師や研究者に対しても、「役職+名前+敬称」という書き方をします。医師や研究者には「先生」という敬称を使います。
たとえば、院内で院長宛にメールを送る場合、一般的には「山田院長」のように「院長」の前に名前をつけて送ります。「院長」自体が敬称であるため院長の後に「様」や「殿」をつけるのはNGです。相手を気遣うあまり、二重敬語にならないよう気を付けましょう。
院長や医師にメールを送る場合、以下のようになります。
○○病院
院長 マイナビ太郎先生
●●病院
整形外科部長 マイナビ太郎先生
△△院長先生
○○部長様
繰り返しになりますが、病院によってルールはさまざまです。院内のルールに従い、分からない時は確認してから送信するのもマナーです。
メールを送る人の印象を左右するのがメールマナー。宛名の正しい書き方をしっかり覚えて、自信をもって送信できるようになってほしいと思います。
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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