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腹斜筋は鍛えない方がいい?鍛える際の注意点とメリットを解説

公開日:2024.06.14

腹斜筋は鍛えない方がいい?鍛える際の注意点とメリットを解説

文:内藤 かいせい(理学療法士)

腹斜筋は、メリハリのある腹筋を作るために欠かせない筋肉です。しかし、「腹斜筋は鍛えない方がいい」と聞いて、鍛えるべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。腹斜筋はある程度つける必要がありますが、鍛えすぎによって思わぬ悩みにつながることがあります。

この記事では、腹斜筋をつけるメリットや鍛えすぎによる影響についてご紹介します。腹斜筋がどのような筋肉なのかを理解することで、自分は鍛えていいのかがわかるでしょう。

腹斜筋の鍛えすぎは良くない?

「腹斜筋は鍛えない方がいい」といわれている理由として、ウエストが太くなってくびれが作れなくなることがあげられます。腹斜筋とは、腹筋の横についている筋肉で、体幹の安定性を高める、呼吸のサポートをするなどの働きがあります。

そして、ウエストを作っている筋肉でもあるのです。筋トレによって腹斜筋を鍛えすぎると、筋肉が肥大してウエストを太くしてしまいます。骨盤の上に筋肉が乗ることで、浮き輪肉のような状態になるケースもあるでしょう。

腹斜筋を鍛えない方がいい方の特徴

腹斜筋は鍛えない方がいい?鍛える際の注意点とメリットを解説

腹斜筋を鍛えない方がいい方の特徴は、以下のとおりです。

● ウエストを細くしたい方
● たくましい逆三角形の身体を作りたい方

このような方にとっては、腹斜筋の筋トレはかえって逆効果になる恐れがあります。他の筋肉を中心にトレーニングした方が良いでしょう。

しかし、これは「腹斜筋を必要以上に鍛えてはいけない」という意味であり、筋トレが不要というわけではありません。腹斜筋がまったくないと、ウエストの立体感やたくましさが薄れてしまうため、ある程度の筋肉量は必要であることは理解しておきましょう。

腹斜筋を鍛える3つのメリット

腹斜筋の鍛えすぎには注意が必要ですが、適度なトレーニングには以下のようなメリットがあります。

1. 体幹が安定する
2. 立体感のある腹部を作れる
3. お腹が引き締まる

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

1.体幹が安定する

腹斜筋は体幹筋の1つであり、鍛えることで体幹が安定しやすくなります。腹斜筋は上半身をひねる動きに関わっている筋肉です。そのため、野球やバレーなどの上半身を大きく動かすようなスポーツのパフォーマンス向上につながります。

また、体幹が安定すれば身体のバランスを取りやすくなり、転倒やふらつき予防にもなるでしょう。体幹の安定性が高まるのは年齢問わず大きなメリットなので、腹斜筋のトレーニングは重要といえます。

2.立体感のある腹部を作れる

腹斜筋をつけることで、立体感のある腹部を作れます。横方向の立体感を出すことで腹筋全体のシルエットが強調され、たくましい上半身となるでしょう。さらに胸から肩にかけての筋肉を鍛えれば、理想の逆三角形の身体を作れます。

見栄えを重視したい方も、腹斜筋が見える程度に鍛えておきましょう。

3.お腹が引き締まる

適度に腹斜筋をつけておけば基礎代謝が高まり、お腹が引き締まりやすくなります。基礎代謝とは、人が最低限生きるために欠かせないエネルギー量のことです。基礎代謝量は筋肉量が増えると上がり、その分消費エネルギーも増加します。

腹斜筋をつけて基礎代謝が高まれば、ダイエット効果が高まりお腹の脂肪も燃焼しやすくなるでしょう。腹斜筋に加えて、他の筋肉も鍛えることでさらに基礎代謝量が上がります。ぜひダイエットも兼ねて、腹斜筋のトレーニングをしていきましょう。

腹斜筋を鍛える筋トレメニュー

腹斜筋は鍛えない方がいい?鍛える際の注意点とメリットを解説

腹斜筋を鍛えるには、どのようなトレーニング方法があるのでしょうか。ここでは腹斜筋の筋トレメニューについてご紹介します。

ツイストクランチ

ツイストクランチとは、上体を斜めにひねって腹斜筋を鍛えるトレーニングです。

【ツイストクランチのやり方】
1. あお向けになって両手を頭の後ろにつける
2. 上体を起こすと同時に右膝を曲げる
3. 左肘と右膝をつける
4. 右膝を戻して左膝を曲げる
5. 右肘と左膝をつける
6. 2〜5の手順を20回×2〜3セット繰り返す

トレーニング中は上体を起こしすぎないように注意してください。

サイドクランチ

サイドクランチとは、横向きの状態で上体を起こすトレーニングです。

【サイドクランチのやり方】
1. 横向きに寝て膝を少し曲げる
2. 上体を真上にゆっくり起こす
3. ゆっくり戻る
4. 2〜3の手順を左右それぞれ15回×2〜3セットずつ行う

お腹の横側に手を置いて行うことで、腹斜筋が収縮しているかどうかをチェックできます。

サイドプランク

サイドプランクとは、うつ伏せで行う通常のプランクとは異なり、横方向で行うトレーニングです。

【サイドプランクのやり方】
1. 横向きに寝て、両足を伸ばす
2. 下の肘と腕で上体を持ち上げる
3. 身体を一直線にした状態を20〜30秒間キープする
4. ゆっくりと元に戻る
5. 反対方向になり、同じ手順を繰り返す

上体を支えている際は、腰が曲がらないように注意しましょう。

レッグレイズ

レッグレイズでは、腹斜筋だけでなく腹筋全体を鍛えられるトレーニングです。

【レッグレイズのやり方】
1. あお向けになって両足を伸ばす
2. 両足をつけたまま高く上げる
3. 上げきったらゆっくりと戻る(足は床につかない)
4. 2〜3の手順を10回×2〜3セット繰り返す

足を床につかずに行うことで、効率的に腹筋を鍛えられます。難しい場合は、足を戻すときに床につけてもかまいません。

腹斜筋を鍛えてお腹を引き締めるときのポイント

効率良くお腹を引き締めるためには、腹斜筋を鍛える以外にも重要なポイントがあります。ここではそのポイントについて詳しく解説します。

ほかの筋肉も鍛える

腹斜筋だけでなく、他の筋肉もまんべんなく鍛えることが大切です。体幹筋には腹斜筋だけでなく、以下のような筋肉があります。

● 腹直筋
● 腹横筋
● 脊柱起立筋
● 広背筋

腹筋・背筋の体幹筋をバランス良く鍛えることで、くびれだけでなくキレイなボディラインを作れます。また、たくましい逆三角形の身体を作るには、大胸筋や三角筋などの胸・肩の筋肉を鍛えることも重要です。自分の理想の身体にあわせて、腹斜筋以外のトレーニングも進めていきましょう。

有酸素運動も行う

腰まわりを引き締めたいと思っている方は、有酸素運動もおすすめです。有酸素運動とは、低負荷で継続的に行う運動で、ウォーキングやジョギングなどが当てはまります。有酸素運動には脂肪燃焼効果が期待されているので、腰まわりを引き締めやすくなります。

筋トレによって基礎代謝を高めつつ、有酸素運動を並行して行うことで、ダイエット効果が高まるでしょう。まずはウォーキングからはじめて、少しずつジョギングやサイクリングなどの負荷量が高いトレーニングを行ってみましょう。

「腹斜筋を鍛えない方がいい」は全員とは限らない

腹斜筋は腹筋の横についている筋肉で、体幹の安定性を高めたり、お腹を引き締めたりする役割があります。腹斜筋を鍛えすぎて筋肉が肥大すると、ウエストが太くなってくびれができなくなるデメリットがあります。しかし、これは腹斜筋の鍛えすぎによって起こる問題です。適度なトレーニングであれば、身体にとってさまざまなメリットを得られます。このような点に注意しつつ、ぜひトレーニングを進めていきましょう。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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