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クランチとは?正しいやり方や種類・筋トレ時のポイントを解説

公開日:2024.06.05

”クランチとは?正しいやり方や種類・筋トレ時のポイントを解説“/

文:織田 ユウヤ(トレーナー)

引き締まったおなかや、きれいに割れた腹筋に憧れている方は多いのではないでしょうか?そんな方におすすめしたいのが「クランチ」です。

クランチは手軽に腹筋を鍛えられる代表的なエクササイズですが、間違ったフォームで行うと、効果が得られにくくなります。

そこで本記事ではプロのトレーナーが、クランチの正しいやり方やバリエーション、効果を高めるためのポイントについて詳しく解説します。記事を読めば、初心者の方でも効率的に腹筋を鍛えられるようになるでしょう。理想の腹筋を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

クランチとは?

クランチとは、上体を丸めて腹筋を鍛えるエクササイズのことです。あおむけに寝て、肩甲骨が浮く程度まで上体を起こします。シンプルな動作のため、初心者から上級者まで幅広く取り組めます。

クランチの主な特徴は以下の3つです。

● 腹直筋上部を鍛えられる
● シットアップよりも腰への負担が少ない
● 種類が豊富で、特定の部位をターゲットにできる

それぞれ詳しく解説します。

腹直筋上部を鍛えられる

腹直筋(ふくちょくきん)とは、おなかの正面にある縦に長い筋肉で、6つに割れたシックスパックなど、割れた腹筋部分を指します。クランチは腹筋全体に刺激を与えますが、特に腹直筋の上部に効果的です。腹直筋の上部と下部では支配する神経が異なるため、それぞれを選択的に鍛えることができます。

具体的な違いは以下のとおりです。

● 肩を腰に近づける「トップダウン」の運動=腹直筋上部
● 腰を肩に近づける「ボトムアップ」の運動=腹直筋下部

クランチはトップダウンの動きを行うため、腹直筋の上部に強く負荷をかけられます。

シットアップよりも腰への負担が少ない

クランチは、シットアップに比べて腰への負担が少ない運動です。シットアップとは、上体を完全に起こす腹筋運動で、腰椎(ようつい)の椎間板(ついかんばん)に大きなストレスがかかります。

一方クランチは、動作範囲が限られているため、腰椎への負担を抑えることができます。そのため、腰に不安がある方や初心者の方には、シットアップよりもクランチがおすすめです。

種類が豊富で、特定の部位をターゲットにできる

クランチには様々なバリエーションがあり、鍛えたい部位に合わせて選ぶことができます。たとえば、腹直筋の上部を集中的に鍛えたい場合は基本の「クランチ」、脇腹の腹斜筋(ふくしゃきん)を鍛えたい場合は「クロスクランチ」、下腹部を鍛えたい場合は「リバースクランチ」が適しています。基本の「クランチ」、「クロスクランチ」、「リバースクランチ」のそれぞれのやり方は次の段落で詳しく解説しています。

目的や体の状態に合わせて、適切な種類のクランチを選びましょう。

【種類別】クランチの正しいやり方

ここからは、クランチの正しいやり方を種類別に解説します。しっかりと腹筋に刺激を与えるためにはフォームが重要です。まずは基本のクランチから始め、徐々に他のバリエーションにも挑戦してみてください。

クランチ

”

クランチは、数ある腹筋運動の中でも最も基本的なエクササイズの1つです。腹直筋上部を集中的に鍛えることができます。

1. あおむけに寝て、ひざを立てて足を肩幅に開く
2. 手は頭の後ろで組むか、脚の方へ伸ばす
3. おなかをのぞき込むように、上体を起こす
4. 1秒静止した後、ゆっくりと元の姿勢に戻る。15~20回を2~3セット行いましょう。

上体を起こす範囲は、肩甲骨が床から離れる程度までにしてください。また、腹筋を収縮させる時は、息をしっかり吐きましょう。呼吸を利用することで、より強く腹筋に刺激を与えられます。

ボールクランチ

”ボールクランチ“/

ボールクランチは、バランスボールに寝て行うクランチです。不安定な状態にすることで、体幹の安定性も鍛えられます。

1. バランスボールにあおむけに寝る
2. 手は頭の後ろで組むか、胸の前で交差させる
3. おなかをのぞき込むように、上体を起こす
4. 1秒静止した後、ゆっくりと元の姿勢に戻る。10回を2~3セット行いましょう。

ボールクランチは、通常のクランチよりも難易度が高いエクササイズです。クランチに慣れてから挑戦してください。

バイシクルクランチ

”バイシクルクランチ“/

バイシクルクランチは、左右の腹斜筋を効果的に鍛えられるエクササイズです。

1. あおむけに寝て、両手は頭の後ろで組む
2. 両ひざを立てて、右ひざを胸に近づけながら左ひじを右ひざに向けて上体をひねる
3. 同時に左脚を少し伸ばす
4. 元の姿勢に戻り、反対側も同様に行う
5. リズムよく左右交互に繰り返す。10~15回(左右で1回)を2~3セット行いましょう。

自転車をこぐイメージで、動作のリズムを一定に保つことがポイントです。回数にこだわる必要はありません。腹筋が疲労し、正しいフォームを維持できなくなったら終了してください。

クロスクランチ

”クロスクランチ“/

クロスクランチは、バイシクルクランチと同様に、腹斜筋を鍛えるエクササイズです。バイシクルクランチが難しく感じる方は、クロスクランチを選びましょう。

1. あおむけに寝てひざを立て、両手は脚の方へ伸ばす
2. 両手を右ひざの横に向かうように、上体を斜めに起こす
3. 1秒静止した後、ゆっくりと元の姿勢に戻る
4. 反対側も同様に行う。片側10~15回を2~3セット行いましょう。

片側ずつ行うことで、筋力の左右差を解消するのにも効果的です。

リバースクランチ

”リバースクランチ“/

リバースクランチは、腹筋の下部を集中的に鍛えるエクササイズです。上体ではなく、骨盤を浮かせる動作が特徴で、下腹部の引き締めに効果的です。

1. あおむけに寝て、両手は体の横に置く
2. 両脚を曲げて、ひざを胸に近づけるように骨盤を浮かせる
3. できるだけゆっくりと元の姿勢に戻る。ゆっくりと、10~15回を2~3セット行いましょう。

足の反動を使わずに、腹筋の力だけで骨盤を浮かせることがポイントです。

クランチを効果的に行うポイント

クランチの効果を高めるためには、正しいフォームが重要です。さらに、以下の点を意識することで、腹筋に効率よく刺激を与えることができます。

● 腹筋を意識する
● 腰を反らさない
● あごを引く
● 呼吸を利用する
● 反動を使わない

これらは腹筋トレーニングで共通する重要なポイントです。それぞれ詳しく解説します。

腹筋を意識する

クランチを行う際は、常に腹筋に力を入れることを意識しましょう。筋トレには「意識性の原則」があり、鍛える部位を意識すると、筋トレの効果が上がると考えられているためです。

具体的には、上体を起こすときに、腹筋が収縮することをイメージしてください。腹筋に意識を向けることで、トレーニングの質が格段に向上します。

腰を反らさない

クランチをする時は、腰が反らないようにしましょう。反り腰の状態では、腹筋がしっかりと収縮できないからです。

具体的には、腰を床に押し付けてください。腰の下にタオルを敷いて、タオルを引っ張っても抜けないようにするイメージです。腰を床に押し付けることで、反り腰を防ぎ、腹筋に強い負荷をかけることができます。

呼吸を利用する

初心者と上級者の間で最も大きな違いは、呼吸の使い方です。クランチは呼吸を適切に利用することで、腹筋をより効果的に鍛えることができます。なぜなら呼吸を意識することで、腹部のインナーマッスルが活性化されるからです。

具体的には、上体を起こす際に息を吐き、元の姿勢に戻る際に息を吸います。鼻で息を吸い、風船を膨らませるように口から強く息を吐いてください。呼吸に合わせてクランチを行うことで、インナーマッスルを含む腹筋全体を鍛えられます。

あごを引く

動作中にあごを引くことも重要です。あごが上がった状態で腹筋運動をおこなうと、首や肩を痛める可能性があるためです。口を閉じて、あごを引いた姿勢を保ちましょう。

腹筋よりも首が疲れてしまう場合は、両手で軽く頭を支えてください。首の負担が減ることで、腹筋だけに集中できます。

反動を使わない

クランチでよく見られる誤ったパターンは、腕や足の反動を使う動作です。特に、頭の後ろで手を組んでいる場合、腕の力で上体を引き上げてしまうことがあります。

しかし、この方法では腹筋への刺激が減少し、筋トレの効果が得られにくくなります。腕は頭を軽く支えるためだけに使用し、上体を起こす動作は腹筋の力で行いましょう。

まとめ

今回は、クランチの正しいやり方やバリエーション、効果を高めるポイントについて解説しました。きれいに割れた腹筋をつくるためには、腹直筋に刺激を与えるクランチが有効です。さらに、クランチのバリエーションによって、腹斜筋や下腹部をターゲットにすることもできます。

記事の内容を実践すれば、初心者の方でも効率よく腹筋を鍛えることができるでしょう。ぜひ普段のトレーニングにクランチを取り入れてみてください。

<参考文献>
NSCAジャパン公式サイト
Flynn W, Vickerton P. Anatomy, Abdomen and Pelvis: Abdominal Wall. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2023 Jul 24.
Workman, JC, Docherty, D, Parfrey, KC, and Behm, DG. Influence of pelvis position on the activation of abdominal and hip flexor muscles. J Strength Cond Res 22(5): 1563-1569, 2008.
Sarti MA, Monfort M, Fuster MA, Villaplana LA. Muscle activity in upper and lower rectus abdominus during abdominal exercises. Arch Phys Med Rehabil. 1996 Dec;77(12):1293-7. doi: 10.1016/s0003-9993(96)90195-1. PMID: 8976314.

織田 ユウヤ

織田 ユウヤ

順天堂大学スポーツ科学部スポーツマーケティング学科卒業。スポーツショップやフィットネスメーカーの勤務を経て、スポーツジムやメディカルフィットネスジムでトレーナー兼マネージャーを務める。トレーナー歴は15年以上。
各種トレーナー資格、健康運動指導士、NSCA-CPTなどの資格を保有

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