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らくちん×おしゃれの新提案。片手で着られる「one hand magic」に注目!

公開日:2025.03.15

らくちん×おしゃれの新提案。片手で着られる「one hand magic」に注目!取材・文 藤本 幸授美

片手で着られて、誰もがパッと輝く自分になれるのがコンセプトの「one hand magic」。

大手通販会社の株式会社フェリシモが、障がいを持つ人の意見を参考に取り組んだこのプロジェクトでは、片手で身に着けられるらくちんさと大人なデザインを両立させた、インクルーシブなファッションアイテムを展開中です。

開発の経緯や商品の特徴、今後の展望について、株式会社フェリシモ「オールライト研究所」のプロジェクトリーダーである、筧麻子さんにお話を聞きました。

和田 拓巳

今回インタビューした人:筧麻子さん

株式会社フェリシモ
IT推進部 IT企画室 室長
「オールライト研究所」プロジェクトリーダー

まずは、「one hand magic」が生まれるまでの経緯を聞かせてください。

弊社では、「しあわせ社会学の確立と実践」を経営理念に、「ともにしあわせになるしあわせ」を追求しています。

その中で、2023年に立ち上げたのが、「そのままでたのしい、そのままがたのしい暮らし」をテーマとしたプロジェクト、「オールライト研究所」。

「オールライト研究所」では、『マイノリティデザイン』の著者である澤田智洋さんを「ゆる研究員」に迎え、障がいを持つ方の意見も取り入れながら、「よわさ」や「苦手」や「コンプレックス」をきっかけとした商品開発を行っています。

2023年にプロジェクトの第一弾として、裏表も前後もなく着られる「裏表のない世界」を発表。視覚障がいや麻痺のある方にも使いやすいアイテムを発売しました。

そして、2024年に第二弾としてスタートしたのが、「one hand magic」。片手で身につけられることにこだわったアイテムを展開しています。

「オールライト研究所」、そして「one hand magic」の特徴や強みは、どのような点だと考えらえていますか?

これまでにも悩みや課題を解決する商品はありましたが、「オールライト研究所」では、あらゆるコンプレックスを「そのままでいい」と肯定した上で、様々な困りごとを持つお客様に寄り添う商品を開発しています。

「one hand magic」が生まれたきっかけは、障がいのある方から「カジュアルなものだけでなく、仕事やお出かけにも使えるきれいめのアイテムも欲しい」という声をいただいたこと。

メンバーに、左半身麻痺でモデルとしても活動する百武桃香さん、車いすユーザーで一児の母でもある木戸奏江さんにも加わっていただき、何度も試作や意見交換を重ねて商品開発を行いました。

​​「one hand magic」では、シャツが5,390円、アウターが19,690円など、一般的にお求めいただきやすい価格に設定しています。

片手で身につけられるようにする上では、通常ではあまり使われないパーツや技術を取り入れる必要があり、価格を抑えるのは難しかったのですが、工場やメーカーなど関係各所の努力により実現することができました。

その結果、障がいのある方から、「障がい者向けの服やオーダーメイドの服も必要で大切なものだけれど、高価で複数揃えるのが難しかった。

でも、『one hand magic』ならそれが叶う」「これまで自分たちは、“作品”には相手にされてきたけれど、“商品”のターゲットには含まれてこなかった。

そういう意味で、『one hand magic』は今までにない取り組みだと思う」という声をいただけたのは、とてもうれしかったですね。

「one hand magic」のアイテムには、どのようなものがあるのでしょうか? 特に反響の大きかったもののポイントも教えてください。

現在のラインナップは、シャツ、コート、シューズ、バッグ、ネックカフ、イヤーカフの6点です。

人気の「片手で着られるスナップシャツ」(5,390円)は、ホワイトとネイビーの2色。

片手で留め外しができるスナップボタンと、腕を通しやすいゆったりドルマンスリーブが特徴です。すとんと落ち感があり、きれい見えも動きやすさも兼ね備えたデザイン。

ボタンを掛け違えるストレスをなくすため、上から3番目の位置にラインを入れたり、簡単にプッシュアップできるよう、袖口にさりげなく幅広のゴムを入れたりしています。



こちらは、開発途中で「ボタンが留めやすいのはいいけれど、簡単に外れすぎてしまわないか心配」という意見をいただき、改善を重ねました。

商品には、「ゆとりがあるので、肩が上がらなくても着やすい」「ボタンを留め外しする際にプチプチと音がするので、目が見えなくても全部留まっているかどうかがわかる」という声が届いています。

障がいのある方だけでなく、50肩に悩まれている方や、子育て中の方にも喜んでいただけていますね。

もう一つ、好評なのが、「片手で着られるアウター」(19,690円)。

こちらは、マグネットボタンが使われているので、サッと開閉できるのが特徴。首元はハイネック、袖口はリブ仕様になっているため、​マフラーなど首回りの​小物がなくてもこれ1枚で寒さ対策ができます。

また、サイドには深めのスリットが入っていて、車いすや自転車に乗る時もすそがもたつききにくく、すっきり着こなせるのもポイント。



インクルーシブな商品には、黒や白などモノトーンのものが多いのですが、こちらは目を引くブルーグレー。

実際に着ていただいた方からは、「車いすに座った姿勢でも、きれいなシルエットをキープできるところに感動した」「着替えは介助があればできるけれど、外出するタイミングでサポートしてくれる人がいるとは限らない。

アウターを一人で着て、好きな時に出発できるのがうれしい」という声をいただきました。

また、「one hand magic」はきれいめのコーディネートができることがテーマなので、アクセサリーにもこだわりました。

ラインナップは、「片手で着けられるネックカフ」(4,290円)と「片手で着けられるイヤカフ」(2,640円)の2点です。

ネックカフは、留め具がなく、片手で持って首にはめるだけで装着可能。自然に首元に沿った美しいカーブを描けるように、ワイヤーの種類や形状を選び抜きました。

小さなお子さんに引っ張られたりしても、壊れることなく外れるだけなので安心です。

イヤカフも、片手で耳にかけ、フィット感を調整するだけ。取り外しに苦労することなくお使いいただけます。

こちらは、耳たぶに厚みがあるなど、自分に合うイヤリングやピアスを見つけにくい方にもおすすめ。

ネックカフ、イヤカフともに、パールを使ったオケージョンでも活躍するデザイン。

障がいやコンプレックスを持つ方にも、おしゃれを諦めずに楽しんでもらえたら、という思いから生まれた商品です。

「one hand magic」のアイテムに寄せられた声は、どのように受け止められていますか?

例えば、障がいのある方からの、「ボタンが簡単に外れないか心配」「車いすに座った姿勢でもきれいに見えることに感動」といった声には、一つ一つに大きな学びがありました。

同じ病気の方でも必要な配慮は違う、一方で、らくちんという目指すべき共通点もある、というのも発見でしたね​。​

「one hand magic」の商品は、障がいのある方だけでなく、そうでない方にもお求めいただけています。

体にコンプレックスをお持ちの方、子育て中の方、時短を求めている方……と、様々な方に想定外の角度からの感想をいただき、「そんな評価ポイントがあったんだ!」と気づかせていただくこともありました。

私たちは、実際に商品をお使いいただいた方からの声を大切にしたいと考えています。医療や介護に携わる方にも、ケアする相手がらくに着脱できたり、一人で外出準備ができたりするようなアイテムを知っていただければ、サポートする際の役に立つのではないでしょうか。

「セラピストプラス」の読者の方にも、「one hand magic」のサイトや商品をご覧いただき、率直なご意見を聞かせていただけたら幸いです!

最後に、現在の課題と今後の展望を聞かせてください。

一番の課題は、より多くの方に「オールライト研究所」や「one hand magic」を知っていただくことだと思っています。

私たちの商品は、ストーリー性も重要。今も動画を紹介したりしているのですが、そういったPR活動にもますます力を入れていきたいです。

また、障がいや困りごとをお持ちの方から、直接お話を聞かせていただく機会ももっと増やしていきたいですね。

「one hand magic」は、前プロジェクトの「裏表のない世界」での経験を踏まえて生まれたもの。「オールライト研究所」の商品開発には、積み重ねが大事だと実感しています。

今後は、「one hand magic」での経験をもとに、今ある商品のバージョンアップも進めながら、「裏表も前後もない」「片手で身につけられる」に続く、別の切り口の商品開発にも挑戦していきたいと考えています。

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