メールマナー⑧本文の書き方「挨拶」「名乗り」について解説【第88回】

公開日：2024.03.25

”メールマナー⑧挨拶文の基本的なフレーズを解説【第88回】“/

文：村尾孝子
薬剤師／医療接遇コミュニケーションコンサルタント

ビジネスメールの書き出しには、「宛名」の後に、「挨拶」と「名乗り」を入れます。

今回は「挨拶」と「名乗り」について説明します。

１．挨拶文の基本的なフレーズ
２．状況別の挨拶例
３．名乗りで「どこの誰か」を自己紹介する

１．挨拶文の基本的なフレーズ

メールで使う挨拶文には、よく使われる基本的なフレーズがあります。院外宛と院内宛など、状況や相手によって使い分けましょう。

院外宛の挨拶例）
・お世話になっております。
・お世話になります。
・大変お世話になっております。
・ご無沙汰しております。
・ご連絡ありがとうございます。

院内宛の挨拶例）
・お疲れ様です。
・おはようございます。
・こんにちは。

上司にメールする際、「ご苦労様です」はNGです。「ご苦労様です」は、目上の人が目下の人に対して使う言葉のため、上司に使うと大変失礼にあたります。相手に不快な思いをさせないように、同僚に対しても使わない方がいいでしょう。

２．状況別の挨拶例

①初めてメールする場合

初めてメールする相手への挨拶では、初めてメールを送ることがわかるような書き出しにします。さらに、初めて送るメールで相手に不信感や不快感を抱かせないよう、丁寧な文面を意識しましょう。

例）
・突然のご連絡失礼いたします。
・はじめてメールを差し上げます。
・お忙しいところ、突然のご連絡をご容赦ください。
・〇〇で貴院のことを拝見し、ご連絡いたしました。

②久しぶりに連絡する場合

久しぶりにメールを送る場合の書き出しでは、「お久しぶりです」や「ご無沙汰しております」などを使用します。「お久しぶりです」より「ご無沙汰しております」のほうがより丁寧な印象を相手に与えるため、相手との関係性によって使い分けましょう。

例）
・お久しぶりです。
・ご無沙汰しております。
・ご無沙汰をしまして、申し訳ございません。

③メールの送受信が複数回になる場合

ビジネスメールは、相手とのやりとりが複数回になる場合があります。やりとりが複数回になった場合、相手との状況によって、挨拶文ではなく適切な書き出しを使用してもいいでしょう。

例）
・たびたび失礼いたします。
・何度もご連絡をして申し訳ございません。
・五月雨式に失礼いたします。

④返信する場合

相手のメールに返信する場合は、「ご連絡ありがとうございます」など、メールを送ってくれたことに対するお礼の挨拶から始めます。
また、自身が送ったメールに対して相手から返信を受けた場合は、「ご返信ありがとうございます」のような書き出しにするといいでしょう。

例）
・ご連絡いただきありがとうございます。
・早速のご返信ありがとうございます。
・迅速なご返信心より感謝申し上げます。

⑤電話対応後にメールする場合

電話対応の後でお礼メールを送ると、相手への感謝を伝えることができるため信頼関係の構築につながります。メールを送る際には、電話の内容に関するメールであることが書き出しで伝わるようにしましょう。

例）
・先ほどのお電話の件ですが、内容をまとめましたのでご確認ください。
・先ほどはお時間を頂きまして誠にありがとうございました。
・先ほどお電話しましたがご不在のようでしたので、失礼ながらメールにてご連絡いたします。

３．名乗りで「どこの誰か」を自己紹介する

ビジネスメールでは、挨拶文のあとに名乗りを入れて、「どこの誰からのメールか」がわかるように自己紹介するのがマナーです。相手との面識の有無に関わらず、「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の××です」のように自己紹介をするのが一般的です。名乗りには、「会社名+部署名+名前」をきちんと入れましょう。

院外宛の例）
・●●病院リハビリテーション科のマイナビ太郎です。
・●●病院のマイナビ太郎です。

院内宛の例）
・マイナビ太郎です。
・マイナビです。
・リハビリテーション科のマイナビです。

初めてメールする相手に対しては、「マイナビ太郎と申します」のように「申します」を使って名乗ることがあります。

「申します」は、初対面や面識のない相手に対して使う表現なので、いつも会っている相手や面識のある相手に対して使うと、よそよしいしい、他人行儀など不自然に感じることもあります。「申します」より「です・でございます」を使う方が自然な印象になりますから、使う場面や状況に合わせて、適切な表現を選びましょう。

村尾孝子（むらおたかこ）

薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。

マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日　同文舘出版より発売。

株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling！」: https://smilegrdn.exblog.jp/