メールマナー⑩本文の書き方「結びの挨拶」「署名」について解説【第90回】

公開日：2024.05.27

文：村尾孝子
薬剤師／医療接遇コミュニケーションコンサルタント

前回の要旨・詳細に続いて、今回は結びの挨拶と署名について説明します。

①結びの挨拶
②署名

①結びの挨拶

本文の後は、結びの挨拶で締めます。メールでも対面の時と同様に、挨拶に始まり挨拶に終わるのがマナー。気持ちよくメールを読み終えることができるよう、丁寧な言葉で挨拶してメールを締めましょう。

挨拶の例）
●基本の挨拶
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
引き続きよろしくお願いいたします。
●お願いするときの挨拶
お手数をおかけしますが、ご確認よろしくお願いいたします。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
ご協力いただけますようお願い申し上げます。
●気遣いを伝える挨拶
ご不明な点などございましたらお気軽にご連絡ください。
ご多用のことと存じますが、くれぐれもご自愛ください。

結びの言葉の基本は「よろしくお願いいたします」。冒頭の挨拶「お世話になっております」「お疲れ様です」などと同様に、一般的によく使われる挨拶の言葉ですが、内容や状況に合わせて適切な挨拶言葉を臨機応変に選べるようになりましょう。

②署名

署名に入れる項目

メール本文が終わったら、最後に署名を入れます。メールの署名は、メール上の名刺のようなもの。自分の氏名、所属、電話番号等を記すことで、連絡先情報に加えて書き手のプロフィールを伝えることもできます。

たとえば、メールを読んだ相手が「電話をかけたい」と思った時、署名があればすぐに電話番号を見て電話をかけることができます。

電話番号がなければ、電話番号を探す手間が発生してしまいます。初めてメール連絡する相手に対しても、署名があれば、連絡先だけでなく、どこの誰かなどの情報を伝えることができます。

署名に必要な情報を書いておけば、相手との良好な関係を築く基礎となり、効率的でスムーズなコミュニケーションにもつながります。さらに、署名には年末年始の休業等のお知らせを簡単に入れて告知に利用することも可能ですから、有効に活用しましょう。

署名に入れる項目

●病院・会社名
●部署名
●氏名（読み仮名）
●電話番号
●FAX番号
●郵便番号・住所
●メールアドレス
●病院・会社WebサイトのURL

署名の例）
医療法人社団〇〇　●●リハビリテーション病院
リハビリテーション科　科長
マイナビ太郎
〒○○○-○○○○
東京都○○○○1-2-3
電話 ○○-○○○○-○○○○
FAX ○○-○○○○-○○○○
メール taro-mynavi@○○○○
http://www. ○○○○○○○○○○/

メールの送り先により署名を使い分けましょう

院外の人に送るメールでは、署名に名刺と同程度の情報を書くのがマナーです。病院名は省略せず正式名称を記し、必要に応じて役職名も書くといいでしょう。

院内の人に宛てて送るメールには、病院や施設等の規模にもよりますが、名前、部署名、内線電話、メールアドレス等を入れます。組織内に同姓の人がいる場合は、名前はフルネームで書きます。

署名の自動挿入を設定しましょう

署名を見ると、読み手は本文の終わりを理解します。署名の上下には線や記号で本文との境界線を引くのが一般的です。病院や組織のイメージに合うデザインを意識しましょう。

署名は、メールを送るたびに作成するのではなく、自動挿入されるようにあらかじめメールソフトに設定します。署名を複数設定できる場合は、院外向け、院内向けなど複数の署名を用意し、メール本文の下に常に表示されるよう設定するといいでしょう。

村尾孝子（むらおたかこ）

薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。

マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日　同文舘出版より発売。

株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling！」: https://smilegrdn.exblog.jp/