メールマナー⑬ビジネスメールを書く際に覚えておきたい注意事項について【第93回】
公開日:2024.08.26
文:村尾 孝子
薬剤師/医療接遇コミュニケーションコンサルタント
これまでメール本文の書き方について説明してきましたが、多くのメールソフトに備わっているさまざまな機能についても正しい使い方を知っておくことが大切です。
今回は、メールを書く際に覚えておきたい注意事項についてご紹介します。
①開封確認
重要なメールを送ったのに相手からの反応がないと、メールが届いているのか、または読んでくれたのかがわからず、不安になることがあります。
メールソフトには多くの場合、相手がメールをどのように扱ったのかがわかる確認機能が備わっていて、開封確認は相手が受信したメールを実際に開封したかを通知する機能です。
開封確認の通知要求を設定すると、相手側にポップアップが表示され、相手がこのポップアップ上で確認通知を送るようにリアクションすれば、送信側に開封通知が届きます。
開封確認は、開封されたかどうかがわかるため、送信側にとってメリットがあります。一方で受信側にリアクションを強いることになるため、わずらわしさを感じたり、信用されていないと感じたりして、不快に思う人もいるかもしれません。
送信側が失礼と思っていなくても、相手が不快に感じる可能性が少しでもある場合は、開封確認機能を使うことはおすすめしません。特に、頻繁にメールのやり取りをする相手に開封確認を設定すると、毎回リアクションを行ってもらうことになり、マナー違反と受け取られかねません。
開封確認は、すぐに確認してほしいメールや、重要度が高いメールに使用する以外は、極力使わないようにするのがメールマナーと言えるでしょう。
また、メールソフトによっては開封確認が機能しない場合もあることも覚えておきましょう。
②重要度の設定
どうしても相手に読んでほしい、あるいは、すぐに返信がほしい、というメールを送ることがあります。多くのメールソフトには重要度を設定する機能があるため、重要度(高・中・低など)を適切に設定すれば、重要なメールの見逃しを防いだり、メールの優先度を確認しやすくなったりする効果が期待できます。
しかし、メールソフトの重要度設定は、本当に重要な要件の時だけ使うことをおすすめします。日常的に「重要」と表示されるメールを送ったり、「最重要」などの文字を件名に加えたメールを日常的に使ったりすると、受け手がそのことに慣れてしまって、重要度を伝える効果が薄れてしまいます。
最悪の場合「この人はいつも重要に設定しているから」と見過ごされてしまいかねません。また、重要度の認識は送信側と受信側で必ずしも一致するとは限らないため、読み手が不快に感じることもあります。
重要度の設定を頻繁に使わないことに加えて、メールソフトによっては表示されない場合もあることを十分理解しましょう。
重要度が設定されたメールを受信した場合は、他のメールより優先して目を通し、必ず返信することも相手への大切な気遣いです。
このほか、HTML形式のメールにも注意が必要です(第91回)。文字の大きさや色を変える装飾機能が使えて便利なように感じるかもしれませんが、ビジネスメールに関しては、過剰な装飾をマナー違反と感じる人も少なくありません。
さらに、HTML形式ではデータ容量が増えることもあり、不快に感じる人がいることも覚えておきたいところです。
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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