介護・福祉施設で働く管理栄養士の仕事内容は?|将来的な需要や給料相場も解説!
管理栄養士の代表的な職場といえば病院やクリニックですが、その次に多いのが介護・福祉施設です。介護・福祉施設で働く管理栄養士には、施設利用者への食事提供や栄養管理、厨房の衛生管理といった、「食と栄養の専門職」としての役割が期待されています。
(出典:厚生労働省「管理栄養士・栄養士を取り巻く状況と管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定の歩み」/https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000358651.pdf)
当記事では、介護・福祉施設で働く管理栄養士の仕事内容や給料相場、求められるスキルについて紹介します。具体的な仕事内容や年収が分かれば、介護・福祉施設で働く姿がイメージしやすくなると思いますので、「管理栄養士として介護・福祉施設で活躍したい」と考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
管理栄養士は介護・福祉施設でも需要が高い?
管理栄養士は医療機関や学校だけでなく、介護・福祉施設でも必要とされています。介護・福祉施設における管理栄養士の主な役割は、施設利用者への栄養管理、栄養指導、献立作成などです。利用者さまのなかには健康面で問題を抱えている方も多く、栄養バランスの取れた献立作成が健康管理において重要なポイントとなります。
特にがんや脳卒中、心臓病、糖尿病といった生活習慣病は死亡リスクの高い疾病で、介護・福祉施設には生活習慣病を抱えた利用者さまもいらっしゃいます。生活習慣病の進行を防ぐには食生活の改善が重要ですが、必要な栄養や食事内容は1人ひとり違っており、それぞれの身体状況や栄養状態を見極めるには高度な専門知識が必要です。
そうしたことから、介護・福祉施設での管理栄養士の需要は年々高まっています。なお、厚生労働省の2018年の調査によると、介護・福祉施設における管理栄養士の配置状況は下記の通りでした。
・社会福祉施設 5,955人
・児童福祉施設 1,909人
介護・福祉施設のなかで、特に管理栄養士の数が多いのは特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの介護保険施設です。
介護保険施設の利用対象である65歳以上の高齢者が全人口に占める割合は、年ごとに上昇しており、2065年には約2.6人に1人が65歳以上になると推測されています。高齢者人口の増加に伴って施設が増設されれば、今後ますます管理栄養士の需要が高まるでしょう。
(出典:厚生労働省「管理栄養士・栄養士を取り巻く状況と管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定の歩み」/https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000358651.pdf)
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管理栄養士が働く介護・福祉施設の種類と仕事内容
介護・福祉施設のなかは、法律によって管理栄養士の配置が義務付けられているところも多くあります。そのため、管理栄養士はさまざまな施設から勤務先を選べるでしょう。
ここでは、管理栄養士が活躍する主な介護・福祉施設とそれぞれの仕事内容について紹介します。
介護・福祉施設にはどんな種類がある?
介護・福祉施設は、大きく高齢者・障害者福祉施設と児童福祉施設とに分けられます。それぞれの施設の特徴は下記の通りです。
高齢者・障害者福祉施設 |
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高齢者・障害者施設には、生活上の支援が必要な高齢者や障害者が入所しています。管理栄養士はそれぞれの持病や疾病に合わせた栄養管理や栄養指導、食事提供などを行います。 【主な施設】 |
児童福祉施設 |
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児童福祉施設とは、子どもを保護・養護・保育する施設のことです。管理栄養士は栄養と食事、生活習慣の指導を含めた食育計画を作成し、子どもたちをサポートします。また、子どものすこやかな発育・発達のため、養育者としての役割を担うのも児童福祉施設で働く管理栄養士の特徴です。 【主な施設】 |
介護・福祉施設での仕事内容
介護・福祉施設で働く管理栄養士の主な仕事内容は、以下の通りです。
・利用者さまの栄養管理と献立作成
介護・福祉施設で働く管理栄養士の主な仕事は、利用者さまに合わせた栄養ケアプランを作成し、食事の提供や栄養指導、栄養管理を実施することです。児童福祉施設の場合、子どもの食育のための計画も立てます。管理栄養士は、1人ひとりの栄養状況や食物アレルギーの有無などを把握してプランを決めていきますが、体調・体重などが変化した際はそれに合わせて計画を変更していく必要があります。そのため、定期的に利用者さまの状態を確認・評価することも管理栄養士の大事な仕事と言えるでしょう。
・厨房管理と調理業務
厨房の環境作りも管理栄養士の仕事です。具体的には食材の発注や調理指導、マニュアル作成などを行うほか、施設における食品衛生責任者としての役割も担います。そうした業務においては、調理師や栄養士との連携が欠かせません。
・施設スタッフと協力して施設運営に貢献
職員に対する食中毒や食育の研修に加えて、行事ごとのイベント食を企画・実施して利用者さまを楽しませるのも、介護・福祉施設における管理栄養士の役割です。
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介護・福祉施設で活躍する管理栄養士の給料相場
管理栄養士・栄養士の平均年収は、下記の通りです。施設別の年収は厚生労働省のデータをもとに記載していますが、実際の給料は勤務する地域や職場ごとの手当額などによって異なります。
【職場別】管理栄養士・栄養士の平均年収 | |
---|---|
栄養士全体(※) | 約368万円 |
病院・診療所 | 約300万~400万円 |
福祉施設(介護施設・児童福祉施設など) | 約260万~310万円 |
保育施設 | 約300万~350万円 |
行政機関 | 約450万~600万円 |
給食施設 | 約330万~400万円 |
その他事業所(美容業界・食品業界など) | 約250万~330万円 |
(※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html)
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介護・福祉施設で働く管理栄養士の給料を月給に換算すると、約17万~25万円になります。ただし、管理栄養士の求人を探す際は、月給だけでなく賞与も確認しましょう。年収ベースで収入を確認すると、給料のイメージがつきやすくなるはずです。
加えて、各種手当も勤務先を選ぶ上で重要な要素です。資格手当や通勤手当といった各種手当は、職場によって額面が異なります。皆勤手当や早出手当を支給している職場を選ぶと、高収入を目指しやすいでしょう。
管理栄養士の求人では、非常勤・パート勤務の募集も少なくありません。非常勤・パート勤務の時給は、約1,000~1,300円です。非常勤・パート勤務の場合は、ライフスタイルに合わせた働き方ができる点がメリットと言えるでしょう。
職場別の平均給与を公開
管理栄養士が介護・福祉施設で求められるスキル
管理栄養士の仕事は、施設の利用者さまの状態を把握し、栄養計画にもとづいた献立表を作ることです。
利用者さまのなかには、嚥下障害を持つ方や、麻痺によってうまく食器が扱えない方もいらっしゃいます。そのため介護・福祉施設で働く管理栄養士には、栄養に配慮した献立を考えるだけでなく、刻み食や流動食など、利用者さまの身体状況に合わせた献立を作成するスキルも求められるでしょう。
また、栄養計画は利用者さまの状態に応じて変えていく必要があります。食事に同席したりアンケートを取ったりして、随時食事状況を確認・評価しましょう。管理栄養士が利用者さまの好みの味つけや食べられる量を把握し、献立に取り入れることは、食べる意欲や楽しみにもつながります。ケアカンファレンスに参加し、看護職や介護スタッフなど他職種と連携を取ることも、利用者さまの状態を知る上で重要です。
2021年度の介護報酬改定で、管理栄養士による栄養管理の実施は介護保険施設の基本サービスという扱いになりました。管理栄養士の専門スキルは、介護分野で今後ますます必要とされるでしょう。
(出典:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000727135.pdf)
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まとめ
管理栄養士は、介護・福祉施設において大切な役割を果たす職業です。管理栄養士は施設の利用者さまの体調や身体機能、生活状況に合わせた食事を提供することで「食事の楽しみ」をサポートできます。急速な高齢化が進むなか、介護・福祉施設は増加傾向にあるため、今後も管理栄養士の活躍の場は広がっていくでしょう。
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