管理栄養士・栄養士の給料事情を施設別・経験年数別・都道府県別に紹介!
健康意識の高まりや、高齢者福祉施設における利用者数の増加などによって、食と健康のプロフェッショナルである管理栄養士・栄養士の需要は年々高まっています。
管理栄養士・栄養士が活躍する職場は、医療機関、福祉施設、保育園、保健所など多岐にわたり、近年ではドラッグストアやスポーツ分野、美容分野で働く管理栄養士・栄養士も増えています。仕事内容は、栄養指導や栄養管理、献立作成、調理などさまざまですが、求められる領域は職場によって変わるため、管理栄養士・栄養士として転職を検討する場合は、理想に合った働き方ができる職場を選びましょう。
なお、厚生労働省の調査によると、令和3年における管理栄養士・栄養士の平均年収は約368万円となっていますが、行政機関で国家公務員・地方公務員として働く場合は、この平均年収を上回るケースも少なくありません。また、管理栄養士・栄養士の給与は経験年数や働くエリアによっても違ってきます。そこでこの記事では、管理栄養士・栄養士の方が知っておきたい最新の給料情報を施設別、経験年数・年齢別、都道府県別に紹介していきます。
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【施設別】栄養士の給料事情
管理栄養士・栄養士の資格取得を目指している方や、管理栄養士・栄養士として活躍している方のなかには、「働く施設によって、平均年収はどれくらい変わるのだろう?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
以下では、管理栄養士・栄養士の施設別平均年収を紹介します。なお、金額は厚生労働省の統計調査やマイナビコメディカルの求人情報をもとに算出したものです。
【施設別】管理栄養士・栄養士の平均年収
栄養士全体(※) | 約368万円 |
---|---|
病院・診療所 | 約300万~400万円 |
福祉施設(介護施設・児童福祉施設など) | 約260万~310万円 |
保育施設 | 約300万~350万円 |
行政機関 | 約450万~600万円 |
給食施設 | 約330万~400万円 |
その他事業所(美容業界・食品業界など) | 約250万~330万円 |
(※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html)
その他はマイナビコメディカルの求人情報を参考
公益社団法人日本栄養士会の資料によれば、管理栄養士養成課程を卒業した方の30.5%が病院、24.3%が企業・健保に就職しています。
(出典:公益社団法人日本栄養士会「初めての就職ガイド」/https://www.dietitian.or.jp/students/job-guide/)
病院や企業のなかには賞与や各種手当が手厚い施設も多くあるため、就職先によっては栄養士全体の平均年収を上回ることが可能でしょう。また、国公立の病院・学校などで働く場合は、公務員の扱いとなるため、管理栄養士・栄養士全体の平均よりも年収が高くなるケースも多く見られます。
一方、栄養士養成課程を卒業した方は、病院に加えて児童福祉施設や介護保険施設などに就職するケースが多い傾向です。保育業界・介護業界は、給料が低いイメージもありますが、近年は処遇改善が進んでおり、年収も増加傾向にあります。
(出典:公益社団法人日本栄養士会「初めての就職ガイド」/https://www.dietitian.or.jp/students/job-guide/)
調理師やコメディカル職との給料相場比較
以下の表は、厚生労働省の統計調査をもとに、管理栄養士・栄養士と調理師、コメディカル職の平均年収を比較したものです。なお、調理師のデータは「飲食物調理従事者」として示しています。
管理栄養士・栄養士と調理師・コメディカル職の平均年収
栄養士全体(※) | 約368万円 |
---|---|
飲食物調理従事者 | 約333万円 |
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士 | 約419万円 |
臨床検査技師 | 約493万円 |
診療放射線技師 | 約549万円 |
その他の保健医療従事者 | 約426万円 |
(※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html)
管理栄養士・栄養士の平均年収は、コメディカル職よりもやや低い水準ですが、飲食物調理従事者と比べると約35万円高い金額となっています。
管理栄養士・栄養士の求人には「調理業務」がメインとなる求人も見られますが、業務内容が調理メインとなる場合は、給料相場がやや低くなる傾向にあります。年収アップを目指すのであれば、調理業務だけでなく、献立作成や栄養管理などにも携われる職場を探すのがよいでしょう。
ただし、調理業務がメインの場合でも「厨房責任者候補」などの管理職求人は、平均年収が比較的高い傾向です。
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【経験年数・年齢別】栄養士の給料事情
ここでは、経験年数別・年齢別に管理栄養士・栄養士の給料相場を紹介します。
【経験年数別】管理栄養士・栄養士の給料相場
全体 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
0年~ | 約255万円 | 約261万円 | 約255万円 |
1年~4年 | 約315万円 | 約326万円 | 約314万円 |
5~9年 | 約348万円 | 約352万円 | 約347万円 |
10~14年 | 約373万円 | 約449万円 | 約368万円 |
15年以上 | 約428万円 | 約522万円 | 約420万円 |
(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html)
データを踏まえるなら、男性であれば10~14年、女性であれば15年以上の経験年数を積むことで、平均年収が400万円を越える可能性が大きいと推察されます。
なお、女性の場合は産休などで仕事を離れる方がいたり、非正規社員(契約社員、パート・アルバイト)の割合が高かったりするため、統計上は男性の年収のほうが高くなる傾向にあります。同じ条件であれば、男女間に収入の差が生じることはないという点に注意しましょう。
続いて、年齢別の管理栄養士・栄養士の給料相場を以下の表で紹介します。
【年齢別】管理栄養士・栄養士の給料相場
全体 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
20歳~24歳 | 約289万円 | 約293万円 | 約289万円 |
25歳~29歳 | 約337万円 | 約332万円 | 約337万円 |
30歳~34歳 | 約344万円 | 約367万円 | 約340万円 |
35歳~39歳 | 約385万円 | 約452万円 | 約379万円 |
40歳~44歳 | 約397万円 | 約480万円 | 約389万円 |
45歳~49歳 | 約420万円 | 約448万円 | 約419万円 |
50歳~54歳 | 約436万円 | 約537万円 | 約431万円 |
55歳~59歳 | 約481万円 | 約666万円 | 約466万円 |
60歳~64歳 | 約338万円 | 約449万円 | 約320万円 |
65歳~69歳 | 約301万円 | 約384万円 | 約299万円 |
(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html)
管理栄養士・栄養士の場合は、男性・女性ともに55歳~59歳が年収のピークとなり、60歳以降は徐々に下がっていく傾向です。
なお、「民間給与実態統計調査」によると、令和3年分における給与所得者の平均給与は男性が545万円、女性が302万円、男女計で443万円となっています。
(出典:国税庁長官官房企画課「民間給与実態統計調査」/https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/000.pdf)
以上のことから、管理栄養士・栄養士として働く方が一般的な平均給与を超えるのは、男性で35歳~39歳以降、女性の場合は25歳~29歳以降だと考えられます。
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【都道府県別】栄養士の給料事情
都道府県ごとでも、管理栄養士・栄養士の平均年収は多少異なります。以下では、厚生労働省が発表した、都道府県別の栄養士(管理栄養士を含む)の平均年収を紹介します。
【都道府県別】管理栄養士・栄養士の平均年収
全国平均 | 約368万円 |
---|---|
北海道 | 約348万円 |
青森県 | 約308万円 |
岩手県 | 約381万円 |
宮城県 | 約372万円 |
秋田県 | 約306万円 |
山形県 | 約385万円 |
福島県 | 約384万円 |
茨城県 | 約351万円 |
栃木県 | 約368万円 |
群馬県 | 約345万円 |
埼玉県 | 約418万円 |
千葉県 | 約375万円 |
東京都 | 約405万円 |
神奈川県 | 約395万円 |
新潟県 | 約347万円 |
富山県 | 約343万円 |
石川県 | 約366万円 |
福井県 | 約371万円 |
山梨県 | 約359万円 |
長野県 | 約366万円 |
岐阜県 | 約354万円 |
静岡県 | 約388万円 |
愛知県 | 約339万円 |
三重県 | 約340万円 |
滋賀県 | 約393万円 |
京都府 | 約396万円 |
大阪府 | 約380万円 |
兵庫県 | 約360万円 |
奈良県 | 約344万円 |
和歌山県 | 約309万円 |
鳥取県 | 約369万円 |
島根県 | 約344万円 |
岡山県 | 約344万円 |
広島県 | 約380万円 |
山口県 | 約341万円 |
徳島県 | 約348万円 |
香川県 | 約358万円 |
愛媛県 | 約329万円 |
高知県 | 約363万円 |
福岡県 | 約353万円 |
佐賀県 | 約343万円 |
長崎県 | 約324万円 |
熊本県 | 約341万円 |
大分県 | 約375万円 |
宮崎県 | 約310万円 |
鹿児島県 | 約327万円 |
沖縄県 | 約329万円 |
(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html)
管理栄養士・栄養士における平均年収の上位には、埼玉県、東京都、京都府、神奈川県、滋賀県、静岡県といった都道府県が並んでいます。「管理栄養士・栄養士として年収アップを目指したい」という方は、これらの都道府県から勤務地を選ぶのも1つの方法でしょう。
なお、勤務を希望する都道府県の平均年収を把握しておくと、自身のキャリアプランが考えやすくなるため、転職活動を行う際には上記のデータを上手に活用してください。
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まとめ
管理栄養士・栄養士全体の平均年収は約368万円となっており、行政機関や給食施設、病院で働く管理栄養士・栄養士は、全体平均よりも年収が高い傾向です。
診療放射線技師や臨床検査技師、理学療法士、作業療法士といった他のコメディカル職と比較すると平均年収はやや低めですが、経験年数を積むことで平均年収は着実に上がっていくでしょう。また、都道府県別では埼玉県、東京都、京都府などの年収が全体平均よりも高い水準にあります。
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