管理栄養士の自己PRの書き方│ケース別の例文も紹介

文:清水花菜
(管理栄養士、フードコーディネーター)
転職活動を進める中で、「自己PRに何を書けばいいのかわからない」と悩んでいませんか?管理栄養士としての経験があっても、改めて自己PRと聞かれると迷ってしまう方は少なくありません。
自己PRは、スキルだけでなくあなたの強みや人柄を伝え、採用担当者に一緒に働きたいと思ってもらうための重要な要素です。この記事では、管理栄養士が転職時に求められる自己PRについて、例文を交えながらわかりやすく解説します。
目次
管理栄養士の自己PRはなぜ重要?採用担当者が見ているポイントとは

自己PRとは、スキルだけではなく人柄や考え方を伝える重要な要素です。採用担当者が注目しているのは、「職場の雰囲気やチームに馴染めるか」「同じ成果を継続的に発揮できるか」といったポイントでしょう。
志望動機が「応募先を選んだ理由」を示すものだとすれば、自己PRはこれまで培ってきた強みや成果に焦点を当てるものです。自己PRは、書類選考・面接どちらにおいても重視され、合否も左右する重要な判断材料になります。
管理栄養士としての具体的な経験や工夫を交えて語ることで、「一緒に働きたい」と思ってもらえる自己PRが完成します。
管理栄養士の自己PRの例文(ケース別)

職場によって管理栄養士に求められる役割は異なります。ここではケース別の例文をご紹介します。
病院への転職│自己PR例文
| 例文 |
|---|
| 私の強みは、入院患者さん一人ひとりに合わせた栄養管理ができることです。急性期病院で管理栄養士として4年間勤務し、医師・看護師・リハビリスタッフと連携しながら、栄養サポートを担ってきました。特に経口摂取が難しい患者さんに対しては、嚥下状態に合わせた食事形態の工夫や、経管栄養からの移行支援を行いました。担当した延べ200名以上の患者さんのうち、多くの方が安全に経口摂取へ移行でき、食事量の安定や回復期への移行を後押しできました。今後も、疾患や回復段階に合わせた食支援で、医療現場に貢献していきたいと考えています。 |
介護施設への転職│自己PR例文
| 例文 |
|---|
| 私は、利用者さん一人ひとりの生活に寄り添いながら、継続的な栄養管理を行ってきました。 前職の特別養護老人ホームでは、利用者さんの状態変化に合わせて食事内容を見直し、水分や食事摂取量の記録管理にも取り組みました。看護師や介護職員と連携し、嚥下状態や食欲の変化にも柔軟に対応することで、日々の健康維持に貢献しています。特に脱水予防の取り組みでは、個別の飲水指導や好みに合わせたゼリー飲料の導入によって、水分摂取量を1人当たり1日量平均〇%向上させることができました。今後もチームの一員として、利用者さんが「食べる楽しさ」を実感できるよう、丁寧な支援を続けていきたいと考えています。 |
保育園への転職│自己PR例文
| 例文 |
|---|
| 私は、子どもたちの健やかな成長を支える「食育」に力を入れてきました。前職の保育園では、栄養バランスだけではなく、見た目や食べやすさにも配慮した献立で、苦手な野菜も楽しく食べられるよう工夫しました。季節の行事食やクッキング保育を通じて、子どもたちが食に興味を持つきっかけを多くつくり、保護者から「家でも食べられるようになった」との声をいただくことも増えました。 アレルギー対応や衛生管理に細心の注意を払い、保育士や看護師と密に連携をとりながら、安全で楽しい給食時間を実現しています。これからも子どもたちが「食べることが好き」と思える環境づくりに貢献していきたいと考えています。 |
企業で働く場合│自己PR例文
| 例文 |
|---|
| 私の強みは、社員一人ひとりの健康管理を支える栄養指導や食環境の整備ができることです。前職では、社員食堂の献立作成と栄養管理に携わり、業務の合間でもしっかり栄養か摂れるよう、糖質・脂質のバランスを意識し、主食量を適正に調整しながら、野菜・たんぱく質を中心に据えたメニュー構成を行いました。また、特定保健指導の実施にも携わり、生活習慣病のリスクが高い方への継続的なサポートを行った結果、対象者の7割以上に数値の改善が見られました。 医療職や人事部門とも連携しながら、従業員の健康維持・増進に貢献する体制づくりに取り組んでいます。今後も、科学的根拠に基づいた提案と丁寧なコミュニケーションで、企業の健康経営に貢献していきたいと考えています。 |
異業種から管理栄養士での転職│自己PR例文
| 例文 |
|---|
| 私は、異業種で培った提案力と説明力を、管理栄養士として栄養指導に活かしていきます。前職では食品メーカーの営業職として、介護施設に健康食品を提案していました。現場スタッフやご家族とも丁寧にコミュニケーションを重ね、導入された施設では「利用者さんの便通か安定した」「摂取量が自然に増えた」といった声をいただきました。 管理栄養士の資格取得後は、特定保健指導や栄養相談の現場に立ち、幅広い年代の方と信頼関係を築きながら継続支援を行っています。異業種での経験を活かし、専門知識に裏づけられたわかりやすい説明で、健康づくりに貢献したいと考えています。 |
管理栄養士の自己PRの書き方・ポイント

自己PRの例文を参考にしつつ、自分の経験・強み・応募先に合わせた内容にカスタマイズすることが重要です。効果的な自己PRを作成するための3つのポイントを解説します。
①管理栄養士の経験を振り返って整理する
管理栄養士として携わってきた業務を振り返り、職場で評価された場面や困難を乗り越えた成長エピソードを洗い出してみましょう。以下のような経験はありませんか?
- ・定期的に食事相談している患者さんから「痩せたよ」と嬉しい報告があった
- ・食事観察を通じて、表情から利用者さんの想いを知ることができた
- ・見た目・香り・味すべてにこだわったメニュー開発で、利用者満足度が向上した
- ・限られた予算の中でも栄養バランスと満足度を両立させる献立作りにやりがいを感じた
②自分の強みを言語化する
上記で得られた要素を「スキル・姿勢・人柄」などに分類し、自分の強みを言語化していきましょう。管理栄養士のよくある強みの分類例は以下の通りです
| 分類 | 項目 | 具体例 |
|---|---|---|
| スキル面 | 専門性 | 臨床栄養管理、治療食対応、アレルギー・嚥下調整食の知識 |
| 対人スキル | コミュニケーション能力、多職種連携、家族への説明力 | |
| 実務能力 | 献立管理、食材発注・在庫管理、業務効率化 | |
| 姿勢面 | 学習意欲 | 新しい知識の習得、研修への積極参加、資格取得 |
| 責任感 | 安全管理への徹底、品質向上への意識、継続的なフォロー | |
| 改善志向 | 業務効率化への提案、利用者満足度向上への工夫 | |
| 人柄面 | 思いやり | 利用者への配慮、相手の立場に立った対応 |
| 協調性 | チームワークを大切にする、相談しやすい雰囲気作り | |
| 誠実性 | 真面目で丁寧な対応、約束を守る、信頼関係を築く |
たとえば、①であげた「見た目・香り・味すべてにこだわったメニュー開発で、利用者満足度が向上した」という経験なら、メニュー開発(スキル)、品質向上への強いこだわり(姿勢)、相手を喜ばせた思いやり(人柄)として言語化できます。
③応募先が求める人物像を把握する
求人票や企業・施設のホームページから、求められているスキルや姿勢を確認しましょう。自分の強みと以下の募集背景をすり合わせて調整します。
- ・急性期病院:迅速な対応力、医療チームとの連携力
- ・介護施設:利用者に寄り添う姿勢、継続的なケア
- ・保育園:食育への熱意、子どもとのコミュニケーション能力
- ・企業:データ分析力、健康管理への理解
管理栄養士の自己PR│履歴書・職務経歴書での差別化のコツ
履歴書と職務経歴書の両方に自己PRを記載する必要がある場合、それぞれの媒体の特性を活かした差別化を図ると、より効果的なアピールができます。
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 目的 | 人柄・意欲の伝達 | 実績・スキルの証明 |
管理栄養士の自己PRの話し方と構成のポイント
面接では話し方や構成次第で印象が大きく変わります。魅力を最大限に伝えるための実践的なポイントをご紹介します。
話し方のポイント
面接では、書類に記載した自己PRを口頭で伝える機会があります。以下のポイントに注意して、あなたの魅力を効果的に伝えましょう。
準備した内容を暗記して丸ごと話そうとして棒読みになる
一方的に話しすぎて、面接官との会話のキャッチボールができない
緊張から早口・声が小さい・姿勢が悪いなど、非言語情報で損をしてしまう
志望動機や職務経歴の話と「重複して聞こえる」話し方になる
面接官の反応を見ながら話すペースを調整する
一方的なプレゼンではなく、相手との会話として意識する
落ち着いた話し方で内容を最大限に活かす
自己PR・志望動機・職務経歴の役割を明確に区別する
構成のポイント
書類でも面接でも、自己PRの基本構成は「結論→根拠→具体例→今後の展望」の流れで組み立てます。
「私の強みは○○です」と最初に述べ、その根拠となる経験を説明し、具体的なエピソードで裏付けます。最後に「この強みを御社でどう活かしたいか」で締めくくることで、論理的で説得力のある自己PRになります。
管理栄養士の転職では自己PRを「強み」として伝えよう
自己PRは「経験・強み・人柄」を総合的に伝える重要な要素です。管理栄養士の仕事は専門知識だけでなく、多職種との人間関係構築も重視されるため、技術面と人間面をバランスよくアピールすることが大切です。
この記事の例文やフレームワークを参考に、自分らしい自己PRを作成してください。応募先に合わせて見直しを行い、魅力が最大限に伝わる自己PRを目指しましょう。
管理栄養士としてのキャリアは、医療、福祉、保育、企業など、さまざまなフィールドに広がっています。自己PRは、これまでの経験や強みを客観的に整理し、相手に伝えるための大切なツールです。数字や具体的な成果を交えることで説得力が増し、あなたの価値を最大限に引き出すことができます。
転職活動では「どんな職場で何をしたか」だけでなく、「どんな姿勢で取り組み、どんな成果を出したか」「その経験を今後どう活かしていきたいか」という未来志向の視点も重要です。ご自身の成長を言語化することで、管理栄養士としての幅が広がり、より良い出会いにつながることを願っています。
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著者プロフィール

清水花菜
管理栄養士/フードコーディネーター
2001年に管理栄養士免許を取得。委託給食会社を経て、総合病院、クリニック、特別養護老人ホームなど、医療や介護の現場で従事。25年間の管理栄養士歴のなかで、転職を10回以上行い、さまざまな職場で経験と人脈を広げてきた。現在はライターとしての活動とオンラインでの健康や栄養相談の準備をしている。
監修者プロフィール

武井 香七
管理栄養士
帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。












