理学療法士に必要な10の能力とは?具体的なスキルを身につける方法も解説

更新日 2025年12月03日 公開日 2023年04月19日

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理学療法士に必要な10の能力とは?具体的なスキルを身につける方法も解説

文:内藤 かいせい(理学療法士)

理学療法士に必要な能力とはどのようなものなのか、詳しく知りたい方はいませんか?理学療法士は病気やケガをした方にリハビリの提供・サポートを担う職種で、そのなかでさまざまな能力が求められます。

この記事では、理学療法士に必要な能力と、それを身につける方法をご紹介します。どのような能力が必要なのかを知ることで、理学療法士として成長するきっかけとなるでしょう。

理学療法士に必要な10の能力

理学療法士に必要な10の能力

理学療法士に求められる能力として、おもに以下の10個があげられます。

1.コミュニケーション能力
2.患者さんに寄り添う共感力
3.些細な変化に気づける観察力
4.リハビリを継続して行う忍耐力
5.チームで働くための協調性
6.仕事を行うための体力
7.自己研鑽をする向上心
8.リハビリの質を高める知識・技術力
9.トラブルが起きたときの柔軟な対応力
10.スタッフをまとめるマネジメント能力(管理職・役職向け)

ここでは、それぞれの能力について詳しく解説します。

1. コミュニケーション能力

1つ目が、コミュニケーション能力です。理学療法士にとってコミュニケーション能力は、患者さんとの信頼関係を築くためにもっとも重要な能力の一つです。理学療法士は患者さんやそのご家族に対して、リハビリの目的や方法をわかりやすく説明する必要があります。
患者さんの状況を正しく理解し、適切なリハビリを提供するためには、適切な意思疎通が欠かせません。

また、医師や看護師などの他職種との連携をとる際にもコミュニケーション能力が大きく関わります。このように、コミュニケーション能力は理学療法士の業務全般にわたって必要とされるスキルといえるでしょう。

2. 患者さんに寄り添う共感力

2つ目は、患者さんに寄り添う共感力です。患者さんは突然の病気やケガによって、今まで当たり前にできていたことができなくなる経験をします。たとえば、歩行困難になった方は「もう歩けないのではないか」という不安を抱くものです。このような状況で、理学療法士が患者さんの立場に立って気持ちを理解し、共感を示すことで、心理的な安心感を与えられます。

小さな改善だとしても一緒に喜び、前向きな声かけをすることで、患者さんのモチベーション向上にもなるでしょう。

3. 些細な変化に気づける観察力

3つ目は、些細な変化に気づける観察力です。患者さんのなかには、急変リスクを抱えている方や、痛みをうまく表現できない方もいます。そのため、リハビリ中に表情の変化や動作の微妙な違いを見逃すと、重大な事故につながる恐れがあります。

また、回復の兆候を早期に発見できれば、リハビリプログラムを適切に調整し、より効果的なアプローチができるでしょう。このような観察力は、患者さんの安全性とリハビリの質を高めるための大切な能力といえます。

4. リハビリを継続して行う忍耐力

4つ目は、リハビリを継続して行う忍耐力です。リハビリを行っていても、目に見える改善がすぐに現れないケースが多くあります。ときには数か月から数年という長いスパンで取り組む必要もあるため、根気強くリハビリに向き合う姿勢が欠かせません。

また、患者さん自身がリハビリに対して消極的になったり、「もうよくならない」と諦めてしまったりする場面もあります。このような状況でも、理学療法士は患者さんのペースにあわせながら、粘り強く支援を続ける必要があります。

5. チームで働くための協調性

5つ目は、チームで働くための協調性です。現在では、一人の患者さんに対して複数の専門職が関わるチーム医療が主流となっており、多職種が協力することで効果的なアプローチが実現できます。

このチーム医療では、多職種間での高い協調性が欠かせません。協調性が低いと、他職種でのやり取りが滞ってしまい、患者さんに対して不適切なアプローチをしてしまう恐れがあります。

6. 仕事を行うための体力

6つ目は、仕事を行うための体力です。理学療法士は、患者さんの介助や支援をする場面が多くあります。これらの業務を1日に何度も繰り返すため、体力と筋力が必要となります。
さらに、理学療法士は1日中立ったり歩いたりしながら業務を行うことが多く、体力がないと疲労で集中力が低下し、患者さんの安全に影響を与える可能性もあるでしょう。

体力があることで、患者さんに安心してリハビリを受けてもらい、質の高い治療を継続して提供できるのです。

7. 自己研鑽をする向上心

7つ目は、常に自己研鑽をする向上心です。医療技術は日々進歩しており、患者さんによりよいリハビリを提供するためには、理学療法士になった後も継続的な学習が欠かせません。
たとえば、脳卒中リハビリの分野では、特殊な手技や電気刺激療法などの新しい治療法が開発されています。

これらの技術を習得するためには、研修会への参加や認定資格の取得がおすすめです。リハビリに対する向上心を持ち続けることで、理学療法士として長期的に活躍し、患者さんに最新で効果的な施術を提供できるでしょう。

8. リハビリの質を高める知識・技術力

8つ目は、リハビリの質を高める知識や技術力です。理学療法士はリハビリ専門職として患者さんの身体機能の改善を担っています。そのため、人体の構造や動作のメカニズムを理解していないと、患者さんの問題点を正確に評価できません。

また、疾患ごとの特徴や回復過程を把握していないと、適切なプログラムを立案できず、効果的なリハビリの実施が困難となります。専門的な知識と技術力を身につけることで、患者さんの信頼を得ながら質の高いリハビリの提供につながります。

9. トラブルが起きたときの柔軟な対応力

9つ目は、トラブルが起きたときの柔軟な対応力です。理学療法士として働く際に、予期しないトラブルが発生することもゼロではありません。具体的には、以下のような予測しにくいトラブルがあげられます。

・患者さんの急な体調変化
・患者さんの転倒
・リハビリ機器の故障
・ほかの患者さんとのトラブル

トラブルが発生した際に混乱し、不適切な対応をすると、さらなる二次被害につながる恐れがあります。患者さんや家族の不安を和らげるためにも、冷静に状況を判断し、柔軟に対応する能力が求められます。

10.スタッフをまとめるマネジメント能力(管理職・役職向け)

10つ目は、スタッフをまとめるマネジメント能力です。このスキルは、おもに管理職や役職に就いている方にとって重要となります。これらの役職の理学療法士は、リハビリ業務だけでなく、以下のような役割を担うことがあります。

・スタッフの業務管理
・人材育成
・患者さんの治療計画の統括
・リハビリ科の運営
・スタッフ間のコミュニケーションの促進
・働きやすい職場環境の整備

このように、個人としての技術力だけでなく、チーム全体のパフォーマンスを向上させ、組織目標を達成するための指導力と統率力が求められます。

理学療法士に必要な能力を身につける方法

理学療法士に必要な能力を身につける方法

理学療法士になったからといって、最初から必要な能力をすべて身につけている方は少ないでしょう。ここでは、理学療法士に必要な能力を身につけるための方法を解説します。

理学療法士としての経験を積む

理学療法士に必要な能力を身につけるもっとも基盤となる方法は、実際の臨床現場で経験を積むことです。理学療法士として働き続けることで、多くの患者さんと接する機会が生まれます。さまざまな症例に関わることで、それぞれの患者さんに適したアプローチ方法を学べるのです。

また、予期しない状況や急変への対応を経験すれば、臨機応変な判断力も養われます。このように、現場での実践を通じて、コミュニケーション能力や観察力などのさまざまなスキルが自然と身についていきます。日々の業務のなかで失敗や成功を繰り返しながら、少しずつスキルを積み重ねていきましょう。

勉強会に参加する

勉強会に参加することで、理学療法士に必要な能力の向上につながります。理学療法士の勉強会の種類は非常に豊富で、さまざまな知識や技術を学べます。なかにはオンラインで開催されている勉強会もあるので、自宅でも気軽に学びやすいのもメリットです。

勉強会でほかの理学療法士と交流すれば、現場での悩みや課題を共有し、解決のヒントを得るきっかけにもなるでしょう。自身の知識や技術を高めたいと思っている方は、ぜひ興味のある分野の勉強会に積極的に参加してみてください。

資格の取得をする

資格の取得も、理学療法士に必要な能力を身につける方法の一つです。理学療法士に関係する資格は豊富にあり、取得によって知識・技術の研鑽につながります。例として、理学療法士として取得できる代表的な資格には、「認定理学療法士」や「専門理学療法士」があります。これらは日本理学療法士協会が認定する資格で、特定分野での専門性を証明するものです。

さらに、職場によっては資格手当が支給される場合もあり、給与面でのメリットも期待できます。資格を持つことで患者さんからの信頼度も向上し、より専門的なリハビリを提供しやすくなります。

成長できる職場に転職する

成長できる職場への転職も、新しい能力を身につけるきっかけになります。成長しやすい職場の特徴として、教育制度が充実していることや、先輩職員からの指導が受けやすい環境があることがあげられます。多様な症例を経験できる職場や、最新の設備や治療技術を導入している施設であれば、幅広い知識と技術を習得できるでしょう。

転職を検討する際は、職場の教育方針や研修制度などを事前にリサーチすることが大切です。現在の職場で成長が実感できない場合は、転職をして環境を変えることも検討してみましょう。

理学療法士に必要な能力を身につけよう!

理学療法士に必要な能力はコミュニケーション能力や協調性など、幅広くあります。求められる能力を身につけるためには、理学療法士として経験を積み重ねる、勉強会に参加するなどの方法があげられます。

最初から完璧な理学療法士はいないので、まずは成長を続ける心を持つことが大切です。ぜひ今回の記事を参考にして、理学療法士に必要な能力を身につけていきましょう。

参考

日本理学療法士協会|認定・専門理学療法士制度について

【監修者コメント】
理学療法士の仕事は、技術だけでなく「人に寄り添う力」が大切です。
目の前の患者さんを理解しようとする姿勢や、チームで支え合う意識は、日々の臨床の中で少しずつ育っていくものです。
できないことに落ち込むのではなく、「昨日よりできるようになったこと」に目を向けることで、自ずとそういった力は養われていくでしょう。
この記事を読んでくださった皆さんが、人に寄り添うことのできる、素晴らしい理学療法士になることを期待しています。

著者プロフィール

内藤 かいせい

理学療法士

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

監修者プロフィール

寺澤 慶大

理学療法士

2007年に長野医療技術専門学校(現在の長野医療大学)を卒業。
長野県松本市にある一之瀬脳神経外科で10年、長野県松本市にある武内整形外科クリニックで4年勤務。
また、介護分野領域でも4年程度の経験あり。
その他、自費診療での施術やスポーツトレーナー等もおこなう。
現在は整体院を開業し、整体りびるど院長として様々なクライアントの悩みに寄り添う施術をおこなう。

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