手首を太くするトレーニングは?手首を鍛えるメリットや注意点を解説
公開日:2024.05.16
文:内藤 かいせい(理学療法士)
手首が細いことに悩んでおり、太くする方法を探している方はいませんか?手首は構造上、太くするのが難しいとされています。しかし、手首を鍛えたり、前腕部分を太くしたりすることは十分に可能です。
この記事では、手首を鍛えるメリットやトレーニング方法についてご紹介します。効果的なトレーニングを知ることで、手首を効率的に鍛えられるでしょう。
目次
トレーニングしても手首は太くなりにくい
結論からいうと、手首はトレーニングしても太くなりにくい部分です。その理由として、手首付近には筋肉がほとんどなく、骨や腱(筋肉の末端の部分)でできているからです。
実際に手首を触ってみると、骨や腱に簡単に触れられるのがわかるでしょう。手首の太さは生まれつきの要素が強いため、トレーニングをしても大きな変化はみられにくいといえます。
手首を鍛える・前腕を太くすることは可能
トレーニングで太くするのは難しい一方で、手首を鍛えることや前腕部分を太くすることは十分に可能です。
トレーニングすることで骨に負荷がかかり、その分手首が丈夫になります。手首の腱は前腕の筋肉につながっているので、鍛えれば筋力アップが期待できるでしょう。
また、前腕部分には筋肉がついているため、トレーニングすることで太くできます。前腕の筋肉量が増えれば、手首も太く見えるようになります。
トレーニングで手首を鍛えるメリット
手首のトレーニングをすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、おもなメリットについて解説します。
上半身の筋トレの効率がアップする
手首を鍛えることで、上半身の筋トレの効率アップにつながります。ベンチプレスや腕立て伏せなど、上半身の筋トレには手を使った内容がたくさんあります。そのため、筋トレをしっかり行うには手首の力が必要不可欠です。
手首の筋力が弱いと、トレーニング時のフォームが崩れやすくなる恐れがあります。それ以外にも、道具の重さに負けて手首を捻る、落としてしまうなどの事故につながる可能性もあるでしょう。手首を鍛えておけば、腕を使った筋トレの安定感が高まり、トレーニングの効率が高まります。
手首のケガの予防につながる
手首を鍛えることは、ケガ予防にもなります。手首は他の部位と比べると細いので、比較的痛めやすい部分といえます。トレーニング時だけでなく、重い荷物を持ったときや長時間パソコン操作したときなど、日常生活でも手首を痛める機会は少なくありません。
とくに手首に負担がかかるような仕事を続けていると、痛みが慢性化するケースもあります。トレーニングで手首を鍛えておけば、ケガや慢性的な痛みの防止が期待できるでしょう。
手首を鍛えるためのトレーニング内容
ここでは、手首を鍛えるためのトレーニング内容についてご紹介します。道具の使用の有無を分けながら、トレーニング内容をみていきましょう。
道具を使用しないトレーニング
ここでは道具を使用しないトレーニングについてご紹介します。
グーパー運動
グーパー運動とは、名前のとおり手をグーパーする運動です。手首だけでなく、握力のトレーニングにもなります。シンプルなトレーニングなので、どこでも気軽に行えるのがメリットです。
1. 両手を前に出す
2. 強く両手を握る
3. 指を伸ばしながら手を広げる
4. 2〜3の手順を繰り返す
グーパー運動の際は、肩に力が入りすぎないように注意しましょう。
リストプッシュアップ
リストプッシュアップとは、手をグーにした状態で行う腕立て伏せです。自重による負荷で手首を鍛えられるほか、大胸筋や上腕三頭筋のトレーニングにもなります。
1. 手をグーにして、腕立て伏せの状態になる
2. 肘を曲げて胸を床付近まで近づける
3. 肘を伸ばして元に戻る
4. 2〜3の手順を繰り返す
普通のプッシュアップよりも難易度が高いので、まずは少ない回数からはじめてみましょう。
道具を使用したトレーニング
ここでは道具を使用したトレーニングをご紹介します。ここでは「ダンベル」を使用しますが、持っていない方は水の入ったペットボトルで代用しても問題ありません。
リストカール
リストカールとは、手首を中心に動かすトレーニングです。
1. イスに座って手のひらを上にする
2. 太ももの上に肘を乗せて腕を固定する
3. ダンベルを握り、手首の上げ下げを繰り返す
4. 1〜3と同じ手順で、反対の手で行う
ケガ防止のために、手首は無理のない範囲で動かしましょう。
リバースリストカール
リバースリストカールとは、先ほど紹介したリストカールの手の方向を逆にしたパターンです。
1. イスに座って手のひらを下にする
2. 太ももの上に肘を乗せて腕を固定する
3. ダンベルを握り、手首の上げ下げを繰り返す
4. 1〜3と同じ手順で、反対の手で行う
リバースリストカールを行う際は、ダンベルの重さに負けて手首を下方向に曲げすぎないように注意してください。
リストプロネーション・スピネーション
リストプロネーション・スピネーションは、手首を回すトレーニングです。
1. イスに座り、太ももの上に肘を乗せて腕を固定する
2. ダンベルの端を握り、上方向に向くようにする
3. ダンベルが外側を向くように、手のひらが上方向になるように手首を回す
4. 元に戻る
5. ダンベルが内側を向くように、手のひらがした方向になるように手首を回す
6. 3〜5の手順を繰り返し、左右の手で行う
腕の固定がうまくいかない方は、肘と前腕を机につけながら行う方法もおすすめです。
手首を鍛えるときに注意したいポイント
手首を鍛えるときに注意したいポイントは、最初から強い負荷をかけないことです。手首は他の部位よりも痛めやすい場所なので、負荷をかけすぎると「腱鞘炎」をはじめとしたケガにつながる恐れがあります。筋トレをはじめる際は、回数を増やしすぎないようにする、ダンベルの重量を調整するなどの工夫が大切です。
また、トレーニング前後は手首のストレッチをして筋肉をほぐしておきましょう。ストレッチすることで、ケガの予防やトレーニング後の疲労改善が期待できます。負荷量や回数は段階的に増やして、無理なく手首を鍛えていきましょう。
手首を太くするのは難しいが、鍛えることは可能
手首は骨や腱が多く、筋肉が少ないので太くするのは難しい場所です。しかし、手首を鍛えることで腕を使ったトレーニングの効率が高まり、ケガ予防になります。ただし、手首はデリケートな場所なので、いきなり強い負荷をかけないように注意してください。無理のない負荷量でトレーニングを行い、少しずつ手首を鍛えていきましょう。
内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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