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作業療法士に向いてない人とは?向いている人の特徴や必要な能力も解説

公開日:2021.10.07 更新日:2023.08.03

作業療法士に向いてない人とは?向いている人の特徴や必要な能力も解説

文:平岡 泰志(作業療法士)

作業療法士を目指す人のなかには、「作業療法士を目指したいけれど、自分は向いていないかもしれない」と、適性への不安を抱いている人もいるかもしれません。では、どのような人物が作業療法士に向いているのでしょうか。今回は作業療法士に向いていない人の特徴を解説したうえで、反対に向いている人の特徴や作業療法士に必要な能力を紹介します。

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作業療法士に向いていない人の特徴

作業療法士に向いていない人として、次のような特徴が挙げられます。

①人と話すのが好きではない人
② 忍耐力がない人
③ 成果報酬を求める人

順番に解説していきます。

①人と話すのが好きではない人

人と話すのが好きではない人は、作業療法士に向いていないといえるでしょう。作業療法士の仕事は、患者さんと直接対面し、会話をしながらリハビリを進めていくためです。
例えば、患者さんが緊張していたら積極的に話しかけて場を和ませるのも必要でしょう。さらに、リハビリに必要な情報を得るためには患者さんに質問をしなければなりません。人と話すのが好きではないからといって話すのをためらっていては、質の高いリハビリを提供するのは難しいでしょう。
一方で、人と話すのに苦手意識があっても、作業療法士に向いている人もいます。話すのが苦手な理由の一つに、「相手を傷つけてはいけない」という思慮深さが影響していることもあるでしょう。こうした場合には、患者さんの心に寄り添うことができるため、作業療法士に向いているでしょう。

②忍耐力がない人

忍耐力がない人は作業療法士に向いていません。医療は日々進化するため、作業療法士は生涯にわたりコツコツと勉強し続ける必要があるからです。また、患者さんや利用者さん、家族からの苦情対応にあたることもあります。相手の心情や状況を冷静に考えながら、理解が得られるよう丁寧に対応をする忍耐強さが必要です。忍耐力やがまん強さがない人は作業療法士に向いていないといえるでしょう。

③成果報酬を求める人

作業療法士の多くは、固定給制です。収入が安定している反面、成果を出しても給料に反映されにくい職種と言えます。

・今月は誰よりも多くの患者さんにリハビリを提供して収益を上げた
・質の高いリハビリを提供するために新たに資格を取得した

このような場合でも、大幅な給料アップは期待できません。
成果報酬を求める人は、歩合制の仕事に就くか、自ら起業する方がよいかもしれません。

作業療法士に向いている人の特徴

”作業療法士に向いている人の特徴“/

先述した、作業療法士に向いていない人の特徴がある一方で、作業療法士に向いている人の特徴や能力もあります。具体的には、次のような項目が挙げられます。

①コミュニケーションが得意
②フットワークが軽い
③人に対して探究心がある
④細やかな気遣いができる
⑤遊ぶことが大好き

順番に解説していきます。

①コミュニケーションが得意

作業療法士は、コミュニケーション能力が求められる仕事です。病気や障がいを抱えると、その後は生活が大きく変わってしまい、これからどのような生活をしていけばよいのか、患者さん自身がわからず不安に感じています。

また、病気や障がいによって、言葉が話せなかったり、理解できなかったりする方もいます。こうした状況のなかで、本人の生活に必要なリハビリをおこなうには、患者さんの思いをうまくくみ取れるコミュニケーション能力が必要です。

②フットワークが軽い

作業療法士は、さまざまな職種と連携しながらリハビリをおこないます。そのため、他職種とスムーズに情報共有できるフットワークの軽さが求められます。

他職種との関わりは幅広く、例えば安全にリハビリをおこなうために、医師に運動負荷量を確認したり、看護師に健康状態を聞いたりする必要があります。

また、効果的なリハビリの実施に向けて、理学療法士(PT)や言語聴覚士(ST)といった専門職と、リハビリの方針や目標を共有することが大切です。さらに患者さんの退院先の生活環境を想定してリハビリをおこなうには、ソーシャルワーカーとの情報共有が欠かせません。
こうした状況に備えれば、作業療法士として安全で効果的なリハビリを実践できるでしょう。

③人に対して探究心がある

病名や障がい名が同じでも、身体機能の程度や可能な動作・ライフスタイル・趣味嗜好などは、患者さんによって異なります。

作業療法士は、患者さんに興味を持ち、ご本人が能力を活かしたり、モチベーションを高めたりできるように、いろいろな工夫をしながらリハビリをおこなう必要があります。「相手のことをもっとよく知りたい」という探究心がある人は、患者さんに合わせたオーダーメイドのリハビリができるでしょう。

④細やかな気遣いができる

怪我や病気で入院された患者さんのなかには、障がいを受け入れることができず、周りとの関わりを断ち切ろうとする方がいます。大きなショックを受けている患者さんに対して無理に話しかけず、様子をうかがいながらコミュニケーションをとる気遣いが必要です。
また作業療法士は、家族や地域の人々とやり取りをする機会があるため、相手の立場や状況を察しながら関わらなければなりません。細やかな気遣いができる人は、作業療法士に向いているだけではなく、所属する施設等からも厚い信頼を得られるでしょう。

⑤遊ぶことが大好き

作業療法士は基本動作や日常生活動作のリハビリも行いますが、作業を用いたリハビリを提供するのが作業療法の真髄といえるでしょう。
患者さんや利用者さんの趣味や仕事など、患者さんの生活に根付いたものを取り入れる場合が多いため、作業療法士自身が経験した遊びや趣味が大きな強みとなります。

実際に筆者がこれまで取り入れたリハビリ内容には、

・釣り
・将棋
・麻雀
・日曜大工
・農作業
・園芸
・プラモデル作り

などがあります。遊ぶことが好きな人や趣味が多い人は、提供できる情報やスキルも広がるため、作業療法士に向いています。

手先が不器用な人や文系の人でも作業療法士になれる理由

”手先が不器用な人や文系の人でも作業療法士になれる理由“/

作業療法士を目指す人から、「手先が不器用でもなれるのか」「文系でも問題ないか」という声を聞くことがあります。続いては、これらの疑問にお答えしましょう。

手先の不器用さは、作業療法士の適性に関係ない

作業療法士がおこなうリハビリのなかには、作品を作ったり、絵を描いたりするといった手先を使うものが多くあります。そのため、器用さが必要なのではないかと思われる人も多いのかもしれません。しかし、実は手先の器用さは作業療法士には重要ではありません。というのも、リハビリで作品づくりをするのは、患者さん自身だからです。

作業療法士の役割は、患者さんが作品づくりを楽しめるように、道具や作業環境を整えたり、やり方をアドバイスしたりすることです。時には、患者さんに「作業療法士に作品づくりを教える先生」という役割を担ってもらい、それをリハビリに活用することもあります。

病気や障がいで、できることが少なくなってしまった患者さんが、他者に自分の知識を教えることを通して、喜びを感じたり自信を回復したりするのです。作業療法士の適性としては、手先の器用さよりも、患者さんと作品づくりを楽しめることのほうが大切です。

文系でも作業療法士になれる

「医療」や「リハビリ」と聞くと、理系のイメージを持つ人もいるでしょう。実際に、作業療法士の養成校では、数学や理科を受験科目にしているところがほとんどです。しかしながら、作業療法士は文系でもなれる職種です。
なぜなら、作業療法士の養成校では文系・理系を問わず、さまざまなカリキュラムを学習するからです。
代表的な文系科目には心理学、理系科目には解剖学があります。これらの科目は、現場に出てからも、患者さんのリハビリをおこなうために欠かせない学問です。

もちろん、文系の人は理系の科目を勉強するのが大変に感じられるかもしれません。しかし、同じように理系の人も文系の科目を勉強するのは大変に感じられるものです。作業療法士になるために努力できるのなら、文系・理系で適性が決まることはありません。

作業療法士のやりがい

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作業療法士のやりがいはたくさんありますが、そのなかでも特に伝えておきたいやりがいを3つ紹介します。

患者さんや利用者さんの笑顔を引き出せる

作業療法士はさまざまな手段を用いて患者さんや利用者さんにリハビリを提供します。「一人で食事がとれるようになりたい」「趣味である釣りを再開したい」など、リハビリを経て目標を達成した時の患者さんの笑顔はとても素敵です。患者さんの心からの笑顔を引き出せる喜びは、作業療法士のやりがいとなります。

結果が目に見えて分かった時の達成感

自身の知識や技術を駆使して懸命にリハビリをしても、改善がみられない時は自責の念から不安になるものです。また、研修会に参加したり自主学習をしたりして学んだ手技を取り入れても効果がみられない時には、落ち込むかもしれません。そんな不安や苦労を乗り越えて、結果が目に見えて分かった時の達成感は、大きなやりがいにつながります。

チームの一員として多職種から認められる

作業療法士は医師や看護師をはじめ、多くの職種と協力して患者さんをサポートします。経験の浅いうちは他職種から頼られる場面が少ないものの、経験を重ねるうちに少しずつチームメンバーからの信頼が厚くなっていきます。チームとして、なくてはならない存在となった時、自身の成長を実感するとともに作業療法士のやりがいを感じられるでしょう。

作業療法士の適性で大切なのは「患者さんのために行動できるか」

作業療法士としてもっとも重要なことは、「患者さんのためを思って行動できるか」に尽きます。リハビリの現場では、自分で支援内容を考えて行動にうつせる作業療法士が求められます。患者さんの生活をサポートしたい志のある方は、作業療法士を目指してみてはいかがでしょうか。

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平岡 泰志

平岡 泰志

作業療法士/医療介護分野専門ライター

地方の二次救急指定病院にて5年間勤務。その後、多職種と共にデイサービスの立ち上げに携わり、現在は主任として現場を統括。「高齢者の尊厳を守る」を念頭に、利用者と家族の生活をサポート。プライベートでは4人の子どものパパ。仕事と子育ての両立をするべく、日々奮闘中。

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