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理学療法を自宅でも! 脳卒中患者向けリハビリ支援グローブを開発2015.05.25

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イギリスのハートフォードシャー大学を中心としたヨーロッパの協力チームが、リハビリ支援を目的としたハイテクグローブを開発しました。手の運動機能障害を抱える慢性期の患者さんに、自宅でもリハビリを続けてもらいたいという思いが込められています。

脳卒中を乗り越えた患者さんのために

かつては日本人の死因第1位だった脳卒中。今も突然の脳血管障害発症で病院にやってくる患者さんはあとを絶ちません。治療とリハビリを重ねて維持期を迎えた患者さんに、重い後遺症があることも多々あります。運動機能障害と闘っていくためには、根気よく理学療法を続けることが重要です。
問題は、いかに続けてもらうか。その課題に立ち向かうべく、リハビリ支援機器の開発がヨーロッパで始まりました。チームの中心となっているのは、イギリスのハートフォードシャー大学で適応システム学の講師を務めるファルシード・アミーラブドラヘイン博士です。リハビリのためのロボット工学と支援技術の専門家である彼が組織したこのプロジェクトの名前は、「SCRIPT(スクリプト)」。理学療法士の管理下で行われるケアと、個人用遠隔操作ロボットを使ったリハビリ(Supervised Care and Rehabilitation Involving Personal Tele-robotics)の頭文字をとって命名されました。
SCRIPTは約5億9千万円(4,643,983ユーロ)をかけた一大プロジェクト。リハビリ支援機器を使ってもらうことで得られるデータを患者さんと理学療法士にフィードバックしながら、セラピーをより建設的にすることが目的です。そのために、手の運動機能回復を目指す人のやる気をかき立てる、教育的で魅力的なアプローチがなされています。

ハイテクグローブのプロトタイプが完成!

3年以上にわたる試行錯誤の末、開発チームは2つのプロトタイプを作製しました。手首や指1本を覆うリハビリ支援グローブの誕生です。
手と手首の反復運動を促進するこのグローブは、患者さんに合わせたリハビリを容易にします。指をどれだけ動かせるか、手首をどれだけ伸ばせるかなど、理学療法士が患者さんの能力を測定して、グローブの屈曲範囲をセットする仕組みです。
また、グローブの使用データはすべて記録され、オンラインで理学療法士と共有されます。患者さんが自宅でリハビリを行ったデータも、インターネットを介して理学療法士に送信されるのです。これにより、患者さんのリハビリ成果がリアルタイムで確認でき、フォローアップもしやすくなります。さらに、インターネット上で操作することにより、自宅でリハビリに励む患者さんのために遠隔地からグローブの設定を調整することも可能です。

自宅でもリハビリを

自宅で行うリハビリの支援とモチベーションの維持を目的として、開発チームはグローブに楽しめるような要素も取り入れています。それが、グローブと同時に開発されたパソコンに接続して行うゲームです。例えば、海のなかにいる貝を操るというゲームがあります。手首を伸ばして眠っている貝を起こしたり、手に連動して開く貝で魚を捕らえたりと、わずかな手の動きを駆使してゲームを楽しむことが、リハビリにつながるという仕組みです。ゲームをする患者さんの横顔を見ていると、「リハビリ中です」という感じはあまり受けません。
また、開発チームが実際にこのグローブを30人の患者さんに試したところ、1週間で平均100分間自宅でのリハビリに取り組んでくれたといいます。なかには、自宅での努力が実り、手と腕の動きに進歩が見られた患者さんもいたそうです。
患者さんの興味を刺激して行うリハビリ支援。そんなコンセプトから生まれたこのグローブの正式な商品化が、今後期待されます。また、ここまでの成果を受け、開発チームはさらなるフォローアッププロジェクトも考案中とのことです。

 

【参考URL】

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