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音楽療法の認知症への効果に迫ったドキュメンタリー映画2015.02.23

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音楽を聞いて楽しい気持ちになったり、励まされたりした経験は誰にでもあるでしょう。音楽療法では、音楽が心に与える力を最大限に利用して、心身の健康を取り戻す、あるいは維持・向上することを目指します。
そんな音楽療法の認知症への取り組みを記録した米国のドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』が2014年12月より全国で公開されています。

ドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』

米国では認知症患者の数が年々増加傾向にあり、現在は500万人以上にもなるといわれています。大きな社会問題をテーマに扱ったこの映画は、世界中の8000本以上の映画が審査されるサンダンス国際映画祭において、2014年、ドキュメンタリー部門で観客賞を受賞しました。
監督はマイケル・ロサト=ベネット。トラベル写真を専門として『ナショナル・ジオグラフィック』などに映像を提供していた彼は、ソーシャルワーカーのダン・コーエンに出会い、3年もの月日をかけて、監督デビュー作『パーソナル・ソング』を作り上げました。
この映画の主要人物であるダン・コーエンは、認知症の人に思い入れのある曲を聞かせれば、音楽とともに当時の記憶を思い出すのではないだろうか、という発想をもとに、iPodを使って患者たちに懐かしい音楽を聞かせていきます。そこには音楽によってめざましく変化していく患者たちの様子が記録されています。

思い入れのある曲が記憶を呼び覚ます

ダン・コーエンはIT業界にいたこともあり、iPodという新しい音楽の技術を使っての治療を思いついたのです。実際に彼の勤めている施設にいた認知症患者ヘンリー(94歳)に音楽を聞かせてみたところ、自分の娘の名前すら思い出せなかったはずのヘンリーは「若いころ、自転車が好きだったこと」、「仕事でお金をもらってうれしかったこと」など昔の記憶を語り出しました。

『パーソナル・ソング』ではヘンリー以外にも、さまざまな認知症患者が音楽の力によって変化していく様子が映し出されますが、こういった手法は米国の精神科医ロバート・バトラー氏の回想法との関連性があるといえるでしょう。回想法は高齢者のための音楽療法によく用いられ、継続的に行うことで脳を刺激し、クライアントの発語や歌唱に対する意欲を高め、生きがいに導くといわれています。

日本で実際に行われている音楽療法

日本の高齢者に対する音楽療法でも上記の理由から、民謡など懐かしい歌が扱われます。音楽療法は個人セッションを行う場合と、グループでのセッションを行う場合があります。どちらの形式で音楽療法を行うか判断するのは音楽療法士ですが、高齢者のために音楽療法が行われる場合、日本では集団セッションが重視されることが多いです。というのも、グループの中でコミュニケーションが成り立ち、社会性が維持されることが重視されるからです。
しかし近年では、音楽の趣味は多様化する傾向にあり、特に年齢層の違ったクライアントの集まるグループでは、選曲が難しい場合もあるそうです。

『パーソナル・ソング』が示す新たな音楽療法の可能性

映画『パーソナル・ソング』では、それぞれの認知症患者が思い出の曲を聞くことで記憶を取り戻していきます。個人音楽療法のさらなる可能性を示してくれているといえるでしょう。この作品は私たちに、音楽が人の心に寄り添ったときに起こる、不思議な力をみせてくれるのです。

 

【参考URL】

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