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パスタを片手で作る達成感を教えてくれたのは作業療法士2015.03.11

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福岡県の中心街の、とあるリハビリ施設。いつも患者さんに笑顔があふれています。ここでは、患者さんがやりたい1つの作業を決め、それを達成することを目指してリハビリを行っています。「やりたい作業があるだけで、人は元気になれる」と断言するのは、施設長のAさん。ご自身も40歳のときに脳内出血で右半身が麻痺しましたが、その際に受けた作業療法によってパスタを片手で作れるように。達成感を味わったAさんは、より詳しく作業療法について調べ、独自のリハビリ方法を取り入れた施設を立ち上げました。この「1つの作業を達成することを目指す」リハビリ作業の根本的な要素とは何でしょう。患者さんのためにどのような工夫を施しているのでしょうか。

作業の3大要素とは

作業の3大要素とは、「身の回りのこと」「仕事」「遊び」の3つであるといわれています。多くの患者さんは、麻痺や身体機能のこと以上に、これら3つの作業ができないことに落ち込むことが多く、自分の役割や存在感を失ったような感覚に襲われます。同じ感覚を抱いていたAさんは、「パスタを片手で作る」という意味のある作業ができるようになった瞬間に、不自由な身体と一緒と向き合う「第二の人生」を生きるための新しい価値観を抱いたそうです。

患者さんの人生に耳を傾ける

作業療法士は、認知症であれ脳血管障害であれ、メンタル面を支えながら「作業」を通じてその人に接します。患者さんが好きな「作業」をすぐに見つけてあげられるといいのですが、最初は背景が見えず、途中で作業が変わっていくケースは多いといいます。編み物が趣味の人もいれば、野菜作りが好きな人、パソコン入力が得意な人など、その人が「やりたい」と思うものでなければ意味がありません。

患者さんの話に耳を傾けたり、心を開いて話をしたりすることで、それぞれの人生が見えてきます。患者さんにとって意味のある「作業」を見つけていくというプロセスも、作業療法士の大切な仕事なのです。

作業療法士は患者さんの人生再構築の手助けをできる

かつて農業に携わっていた患者さんは、施設の中の庭で野菜作りを始めました。10種類以上の野菜を次から次へと育てているうちに、病気の進行が遅くなり、症状がかるくなったそうです。一方で、初めてパソコンに触った92歳の患者さんは、1日3行ほどしか打てなかったところから、なんと日記をつけられるようになりました。自分で日記を入力してプリントアウトし、それを家族に見せます。家族も日記によって患者さんの生き方や考え方を知り、お互いの理解が深まります。

これらの作業や経験が、患者さんにとっては自分の尊厳を取り戻すプロセスであり、新しい価値観を得る手段にもなるのです。つまり、作業療法士は患者さんの人生の再構築を手助けできるといっても過言ではありません。

このようなエピソードからも、作業療法は「作業」の感動を治療に活かす療法であることがわかります。患者さんの人生の物語に耳を傾けて、一緒に作業をして一緒に喜び、その感動を療法に活かすことが患者さんの一番の手助けになるのではないでしょうか。特に昨今、認知症や脳卒中、うつ病という国民的な問題が増え、多くの施設でのリハビリ作業は、生活機能や精神機能よりも身体機能の向上に偏りがちになっています。そのなかで、患者さんが元気になるための生活機能と精神機能の向上を目指すには、作業療法の専門性が必要であり、今こそ作業療法士の活躍が求められているのです。

 

【参考URL】

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