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作業療法士の新たな活躍の場 地域とのつながりを生む就労支援カフェ2015.08.24

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作業療法に取り組む患者さんはさまざまな障害を抱えています。なかでも、精神疾患や発達障害といった領域においては、社会参加への援助を行いながら自立を促すのも作業療法士の大切な仕事。こうした一面において、就労支援施設の存在は欠かせません。独立した訓練施設としてではなく、「カフェ」を利用した新たな取り組みが注目されています。
栃木県にあるカフェ「ホリデー」は、作業療法士がスタッフとして働き、施設と地域をつなぐ就労支援事業所としても機能しています。どのような取り組みが行われているのでしょうか。

カフェ兼就労支援事業所での作業療法士の働き方

栃木県那須町にある憩いの場「ホリデー」。近所の人たちや観光客が気軽に利用できる「地域の喫茶店」です。コーヒーはもちろん、スイーツもなかなかの味だと評判だとか。一見すると普通の喫茶店ですが、実は就労支援事業所としても利用されています。
スタッフは3名の作業療法士と4名の精神保健福祉士で構成されており、支援対象となる施設の利用者は主に精神疾患や発達障害を抱える人たちです。彼らは、ここで働きながら社会で自立していくために必要な技術・能力を身につけます。
作業療法士が担当するのは、支援者たちのカフェ業務に対するサポートです。接客業務やお菓子作りなどを作業療法として取り入れ、訓練を進めながら社会参画を促します。患者さんと療法士としてだけでなく、同じ職場で働く仲間として信頼関係も深まります。実地訓練において自立を促す絶好の機会に、作業療法士としての知識を活かしています。

「ホリデー」を運営するのは、NPO法人那須フロンティア。「メンタルヘルスを中心としたまちづくり」を目指して、病院や施設と地域の生活をつないでいます。このほか地域生活支援センターなども運営し、そこでシンポジウムの開催やボランティアの育成なども進めています。

就労支援カフェの3つの目的と作業療法士の役割

就労支援カフェ「ホリデー」をはじめ、地域生活支援センターを運営するNPO法人那須フロンティアは、3つの目的を軸に事業を展開しています。

  1. 就労移行支援
    「ホリデー」のスタッフは、支援を必要とする施設の利用者とともに、日常的に町に出かけ、地域とのつながりを促進しています。主に、作業療法士が付き添って地元商店街に買い物に行くのが日課です。また、地域イベントに参加しながら、地元の農家やお店などとのつながりを深め、実習の機会を広げるのも活動のひとつ。そうした実習経験をもとに、正式な就職先を探すのが目的です。実習先でそのまま就職が決まる場合もあり、よい結果を残しています。
    また、利用者は就職後も「ホリデー」に集まりやすく、お茶を飲みながら話を聞き、彼らが職場に定着できるよう見届けているとか。常に作業療法士が滞在することで、気軽に相談ができる環境が整っています。いつでも立ち寄れるカフェだからこそ、交流スポットとして大きな役割を果たしているといえるでしょう。
  2. 精神科病院での治療中断や未治療の人への訪問支援
    NPO法人那須フロンティアでは、精神疾患を抱える人へ定期的に訪問支援を行う活動にも積極的に取り組んでいます。住民からの連絡によりサポートの必要性が発覚することも多く、保健師や作業療法士と一緒に訪問支援を行います。定期的な訪問によってその人の話し相手になり、「ホリデー」に誘うことが就労支援につながります。訪問によるふれあいを通して、病気であっても生活に支障のないように導くことを目的としています。
  3. 精神科病院に入院している人の退院促進
    病状が安定しているにも関わらず、受け入れ条件が整わずに長期入院を強いられる患者さんもいます。アパートの保証人が確保できないことで、自立した生活に進めないなどの問題も。その一方で、地域では空きアパートを抱える大家さんも少なくありません。そこでNPO法人那須フロンティアでは、両者をつなぐ仲介役となり、地域の障害者の受け入れを促しています。また、退院後は社会参画の第一歩として、作業療法士のサポートによる就労支援を行います。このようにして障害者の自立が地域活性化につながる体制を整えているのです。

活動に必要な地域の有志

精神障害を抱える人たちが自分の住み慣れた地域で、目的を持っていきいきと働くための就労支援を行うカフェ「ホリデー」。患者さんとその家族、常勤スタッフ、医療従事者や学生ボランティアなど、地域の有志で協力し合っているからこそ生まれる地域とのつながり。こうした活動を大きく支えるのが、作業療法士の務め。専門的な知識を活かしながら、実地訓練をサポートし、障害者の方が自立しやすい環境を整えるためには欠かせない役割です。作業療法士が活躍できる「メンタルヘルスを中心としたまちづくり」に、今後も期待したいですね。

 

【参考URL】

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