メールマナー②件名の付け方【第82回】

公開日：2023.09.20

メールマナー②件名の付け方について

文：村尾孝子
薬剤師／医療接遇コミュニケーションコンサルタント

ビジネスメールでは、件名の付け方ひとつでメールを読んでもらえないこともあります。相手にメールを読んでもらうためには、件名の正しい付け方を理解しておくことが重要です。

今回は、ビジネスメールでの「件名の付け方」や「開封しやすい件名のポイント」について解説します。

件名の付け方～メールが開かれる件名をつける
メールを開封しやすい件名のポイント
メールが開かれやすい件名の例
まとめ

件名の付け方～メールが開かれる件名をつける

ビジネスメールの件名は、パッと見ただけで用件がわかるよう具体的に付けましょう。大量のメールを受信する場合、読んでもらわなければ返事をもらえません。忙しい時に返事を待つのはストレスになりますし、業務に支障が出るかもしれません。一般的に、分かりやすい件名のメールが開封されやすいです。

一方、用件がわからなかったり、迷惑メールだと思われたりすると、開封を後回しにされたり、最悪の場合、開封せずにゴミ箱行きということにもなりかねません。

ビジネスメールでは、一目でメールの内容がわかるような件名を付けることに加えて、メールの重要度や優先度を見極めやすい件名にすると、相手も「すぐ読まなければ」と思います。

読んでもらいやすい件名とは？

メールを開封してもらう＝読んでもらうために、件名には具体的なキーワードを入れましょう。たとえば、「いつ」「どんな」用件で、「どうしたいのか」「どうしてほしいのか」がわかるような件名を付けます。

特に、医師をはじめとする医療者は大変忙しくしているため、「すぐに読まなければ」「すぐに返事をしよう」と思わせるような件名を付けることが必須です。件名がわかりやすければ、読んでもらいやすくなります。

メールを開封しやすい件名のポイント

開封しやすい件名のポイント

できるだけ短く、簡潔に

メールを開封する際、読むか読まないかの優先順位を件名で判断している人は少なくありません。長々と書いた件名は、読まずに後回しにされてしまう可能性もあります。パッと見てわかりやすいシンプルな件名を付けましょう。

重要なキーワードは件名の始めに

重要な言葉を後ろにつけると、件名の枠内に表示されない恐れがあります。

重要な言葉は件名の始めに付けることで、相手も開封しやすくなるでしょう。

日時等を具体的に記載する

具体的な返信期日などがある場合は、件名にも日時等を記載します。

「相手にどうしてほしいのか」を明記する

件名に依頼内容や相談内容などを明記することで開封されやすくなります。

（例）「〇〇セミナー出席のお願い」「打ち合わせ日程のご相談」「研修資料作成依頼」など

【】などの記号を利用して目につきやすくする

墨付きカッコなどの記号があると目に付きやすくなり、カッコ内に必要な情報を入れることで、「お願い、依頼、相談、確認、報告、要返信」等の優先度を一目で判断できるようになります。

所属と名前を明記する

メールを送る時は、どこの誰が送ったメールなのかを件名に入れましょう。特に初めての挨拶の際は、病院名と名前などの情報を記載することで信用が生まれ、メールを開いてもらいやすくなります。

返信の際は、基本的に「Re:」をつける

返信するときは基本的に「Re:」を付けた状態でメールをやり取りします。用件が変わった場合は件名を変えましょう。

メールが開かれやすい件名の例

・【お願い】日程調整（8/10 ●●セミナー）（○○部マイナビ太郎）
・3/17 〇〇会議のご報告（○○部マイナビ太郎）
・【確認】9/11 〇〇講座の参加可否　（期日：○月○日）
・6/28（金）研修資料修正のお願い（○○部マイナビ太郎）
・担当者変更のお知らせ（○○部マイナビ太郎）
・引き継ぎのご挨拶（○○部マイナビ太郎）
・年末年始休診のお知らせ（○○部マイナビ太郎）

まとめ

ビジネスメールは、件名の付け方次第で開いてもらえるかどうかが変わってきます。相手を気遣い、確実に開封してもらうために、伝わりやすい件名を付けてビジネスメールを使いこなせるようになりましょう。

村尾孝子（むらおたかこ）

薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。

マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日　同文舘出版より発売。

株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling！」: https://smilegrdn.exblog.jp/