【態度が悪い人・感じの悪い人に見える】無意識の癖に気をつけよう【第18回】
公開日:2018.03.02 更新日:2023.05.09
文:村尾 孝子
薬剤師/医療接遇コミュニケーションコンサルタント
今回は、無意識の「癖」についてお話したいと思います。「なくて七癖」という言葉もあるくらい、人には無意識にやってしまう「癖」があります。なんの支障もない癖ならいいのですが、まわりに対して印象を悪くしてしまう癖もあります。
貧乏ゆすりは落ち着きがないように見られる
代表的なのが「貧乏ゆすり」。座っている時や立っている時に、脚など体の一部分を小刻みに動かしてしまう癖です。「貧乏人は落ち着きがないから」という語源(諸説ありますが)からも分かる通り、貧乏ゆすりは落ち着きがないように見られるため、医療人としては大きなイメージダウンになります。
また、患者さんの前でやると「セラピストさんがイライラしているみたいだ」「私のせいで待たせてしまっている」と焦りや緊張を招いてしまうことになりかねず、リハビリ自体に悪影響を及ぼすことも考えられます。貧乏ゆすりが癖になっている人はぜひともなくすよう努力しましょう。
同じ姿勢をとり続けている時に出てしまうならこまめに姿勢を変える。座っている時に出るなら立ち上がってストレッチなどをするといいでしょう。
慢性的な癖になっている場合もありますが、ストレスや欲求不満がたまっている時に出やすい癖なので、自身のメンタルケアをしてストレスの元凶を解消するように心がけることも大切だと思います。
脚を組むのはNG!日本では横柄な態度に捉えられる
もう一つ、気を付けて欲しいのが脚組みです。欧米では「私はあなたに対して心を開いていますよ」というオープンマインドの気持ちを表すジェスチャーの一つですが、日本では横柄な態度と感じられることがほとんどです。また、脚を組むとバランスが悪くなるので、肘をついたり上半身がのけぞったりしがちです。「机の下だから見えないだろう」と思っていても、全体として見た時にきちんとした印象にはなりません。
セラピストが患者さんや家族の方と座って向き合うのは、問診や同意書の記入などについて説明するような場合だと思いますが、いずれの場合もビジネスの場ですからNG。もちろん、上司や先輩の前でもやめましょう。
やっていませんか?待機している時の「腕組み」
また、セラピストが意外にやってしまうのが「腕組み」です。スポーツをやっている方は、立っている時や待機している時などに腕組みをする人が多いかもしれません。
腕組みは頼もしさやたくましさを表すプラスの印象もあり、政治家やスポーツ選手のインタビュー写真などでも時々見かけますね。しかし、その反面で横柄で威圧感を与えることもありますし、心理学的には自己防御のポーズであり、「心を閉じて表には出さない」という拒絶を表すポーズでもあります。
キャラクターや状況にもよりますが、セラピストとしてどうすべきかということを考えた時、患者さんに対して頼もしさやたくましさをアピールする方法は他にもあるはずです。ましてや、横柄に見られる可能性もあるというデメリットを犯してまで腕組みをする必要はないはずです。
少なくとも相手を敬うという気持ちを表すジェスチャーではありません。そのため、私の見解としてはセラピストの腕組みはNGだと思います。
他にも「肘をつく」「爪をかむ」「髪を触る」など、自分自身では気が付いていなくても、無意識の癖は多いものです。まわりの人に「私の癖って何?」と聞いてみて、それがマイナスイメージになるものであればできるだけ直すよう心がけましょう。
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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