保健センターで働く管理栄養士の仕事内容と待遇は?

更新日 2024年01月05日 公開日 2024年01月05日

#情報収集 #転職検討/準備

保健センターは、地域住民に健康相談、保健指導、健康診査などの保健サービスを提供する公的機関であり、地域保健法にもとづいて市町村が運営しています。

管理栄養士のなかには、「保健センターで働いてみたい」という方も多くいらっしゃると思います。しかし、保健センターでは職員数が定められているため、管理栄養士向けの求人がなかなか見つからないかもしれません。

そこで当記事では、保健センターの管理栄養士求人の探し方や仕事内容、待遇、管理栄養士が保健センターで働くメリット・デメリットなどを解説します。地方公務員として扱われることから、保健センターは管理栄養士に人気の職場です。保健センターへの就職・転職を検討している管理栄養士の方は、この記事を読んで、保健センターにおける管理栄養士の職務をきちんと理解しておきましょう。

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保健センターで働く管理栄養士の仕事内容と待遇は?

保健センターの管理栄養士求人はどこで探せる?

保健センターの管理栄養士向け求人は、地方自治体のホームページなどに掲載されるのが一般的です。保健センターは、地域住民の健康づくりに関するサービスを提供する公的機関なので、そこで働く職員は公務員となります。そのため、管理栄養士が保健センターで働く場合は、管理栄養士免許を取得してから自治体の公務員試験に合格する必要があります。

保健センターの管理栄養士求人は、地方自治体によって試験の時期や募集人数が違うため、採用を希望する地方自治体の情報をこまめにチェックするようにしましょう。

なお、保険センターなどで公務員として働く管理栄養士は「行政栄養士」とも呼ばれます。

保健センターは保健所とどう違う?

保健センターへの就職・転職を検討している管理栄養士のなかには、「保健所と何が違うの?」と疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。厚生労働省の資料によれば、保健所と保健センターの違いは以下の通りです。

保健所は、地域住民の健康を支える中核となる施設です。疾病の予防、衛生の向上など、地域住民の健康の保持増進に関する業務を行っています。地域保健法に基づいて、都道府県、指定都市、中核市、特別区などに設置されています。

市町村保健センターは、健康相談、保健指導、健康診査など、地域保健に関する事業を地域住民に行うための施設です。地域保健法に基づいて多くの市町村に設置されています。
(引用:厚生労働省「地域保健」/https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/tiiki/index.html

保健所と保健センターの大きな違いは、運営主体と業務範囲です。

保健所は業務の範囲が広く、施設の指導・認可、調査・統計と指針づくり、地域の環境衛生の整備や疾病予防などを担当します。一方、保健センターは地域住民を対象とした保健サービスを直接提供する施設であり、地域の病院や学校、企業といったさまざまな組織と連携しながら、住民を支援する役割を担います。

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保健センターで働く管理栄養士の仕事内容

保健センターで働く管理栄養士は、「食のスペシャリスト」としての業務以外に、電話応対や窓口受付も行います。ここからは、保健センターにおいて管理栄養士が担当する仕事の詳細を説明するので、働き始めてから驚くことのないように、正しく理解しておきましょう。

栄養相談

保健センターで働く管理栄養士は、地域住民に対する栄養相談を担当します。相談内容は、生活習慣病を予防する食事や栄養、離乳食や介護食の相談、アレルギーや疾病を持つ方の食事内容などさまざまです。

相談業務を担当する際は、悩みを持つ地域住民に寄り添う姿勢と、相談に対して適切に回答するための幅広い知識が求められるでしょう。

栄養相談の方法は自治体によって異なりますが、相談窓口を開設し、対面で話し合うケースが多い傾向です。また、対象者の状況次第では電話で話したり、家庭訪問したりする場合もあります。適切な支援を行うためにも、日ごろから専門知識をアップデートし、どんな地域資源が活用できるかについても把握しておきましょう。

特定保健指導

特定保健指導とは、40歳~74歳を対象とした「特定健康診査」において、指導対象になった方に実施される保健指導です。特定健康診査は、メタボリックシンドロームの予防と改善を目的に行われているため、特定保健指導の対象者もメタボリックシンドロームの方や生活習慣病リスクの高い方となります。

保健センターにおける特定保健指導は、市町村の国民健康保険に入っている方が対象なので、自営業者や定年退職した高齢者の方へのサポートが多くなります。

特定保健指導における管理栄養士の役割は、「特定保健指導員」として対象者の食生活や運動習慣が改善するよう、個別指導やグループ支援を行うことです。そのため、管理栄養士には対象者の健康状態を正確に把握し、適切に支援するためのコミュニケーション能力や、対象者に行動変容を起こしてもらうためのコーチングスキルが求められます。

母子保健

育児支援業務は、地域の母子が健康で安全に過ごすための重要な業務です。管理栄養士は栄養指導担当者として、母子に対する食事の相談支援や母親向けの教室開催などを担います。

特に乳幼児期は、成長に必要な栄養素を十分に摂取する必要があるため、管理栄養士は個別相談や集団指導を通して、子どもの発育に応じた栄養指導を行うことになります。乳幼児検診における主な相談内容は、3・4か月児乳健診なら「離乳食の調理と食べさせ方」や「食物アレルギーの知識」、1歳6か月児健診と3歳児健診の場合は「食事のバランス」「間食のリズム」「食事を楽しみ、いろいろな食品に親しむこと」などです。

管理栄養士は、相談内容に関係したパンフレットや小冊子などを活用し、適切に対応できるように準備しておくとよいでしょう。

(出典:国立研究開発法人国立成育医療研究センター「栄養分野の保健指導のポイント」/https://www.ncchd.go.jp/center/activity/kokoro_jigyo/chapt_5-5.pdf

教室開催

地域住民の健康づくりを目的とした教室の企画・運営も保健センターの仕事です。そうした企画では、妊婦と母子を対象にした栄養教室や離乳食教室、生活習慣病予防・がん予防・腰痛予防などの健康教室がよく見られます。

各教室では、管理栄養士が自ら講師を務めることもあれば、外部から講師を招く場合もあります。また、教室を開催するときは、担当講師への連絡調整や会場の予約、配布資料の作成なども業務に加わるでしょう。

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保健センターにおける管理栄養士の待遇

保健センターで働く管理栄養士は、地方公務員の職種のうち「薬剤師・医療技術職」に分類されます。

総務省の「地方公務員給与実態調査」によると、地方公共団体における「薬剤師・医療技術職」の平均年収は約626万円です。ただし、これはさまざまな施設や職業を含む数値となるため、そのまま保健センターで働く管理栄養士の平均年収を表しているわけではありません。実際の給料は、勤務地や在職年数によっても変化します。

(出典:総務省「令和2年4月1日地方公務員給与実態調査」/https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/kyuuyo/r02_kyuuyo_1.html

公務員は業績や経済動向に大きく左右されないため、安定した職業だと言われます。加えて、退職金制度や各種休暇といった福利厚生も整っているので、安心して働き続けることができるでしょう。

ちなみに、自治体によっては保健所の嘱託職員や非常勤・パート職員を募集しているケースも見られます。嘱託職員や非常勤・パート職員の場合、残業はほぼありませんので、子育て中の方でも働きやすい環境と言えるでしょう。

【関連リンク】管理栄養士とは?職場別の仕事内容・
平均給与・資格の取得方法も

管理栄養士が保健センターの求人に応募するメリット・デメリット

管理栄養士が保健センターで働くメリット・デメリットとして、以下の項目が挙げられます。

<メリット>

・土日祝日が休みのため、プライベートを充実させやすい
・多様な方たちの健康維持に携わることができる
・「社会のために働いている」という実感が得られる

保健センターは公的機関であることから、土日や祝日は原則休みです。残業の有無は担当する仕事の量によっても異なりますが、ほとんどないか、あっても少なめの職場が多い傾向にあります。そのため、ワークライフバランスの取れた働き方ができるでしょう。

また、保健センターに勤務する管理栄養士は、栄養相談や教室開催を通じて、地域住民の健康の悩みに寄り添い、支援する立場にいます。大勢の方の健康増進や疾病予防に直接関わることで、大きなやりがいを感じられるでしょう。

<デメリット>

・公務員試験に合格する必要がある
・年齢制限がある場合、公務員試験を受けられない
・部署間の異動があるため、希望する分野で活躍できるとは限らない

募集している管理栄養士の年齢や実務経験の有無などは、地方自治体によって違います。そのため、希望する地方自治体の応募資格を満たしていない場合は、公務員試験を受けることができません。応募条件が合致していても、公務員の求人は人気が高く、狭き門です。

条件の合う保健センター求人が見つからない場合や、試験になかなか合格できない場合は、公務員と同程度の収入・待遇が得られる職場に転職するのも1つの方法です。保健センターだけに転職先を絞らず、幅広い選択肢から自分の希望に合う職場を探してみましょう。

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まとめ

保健センターで働く管理栄養士が担当するのは、地域住民の健康に関わるさまざまな業務です。現場で地域住民と接しながら栄養指導や栄養相談を行うため、大きなやりがいを得られるでしょう。

保健センターでは地方公務員として働くため、収入や職場環境は安定していますが、求人数が少なく競争率も高い傾向にあります。保健センター勤務が難しい場合は、同じくらいの収入・待遇の職場を検討するのもよいでしょう。

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