管理栄養士は独立可能な業種？働き方から起業する際のポイントまで

経験と実績を積み重ねた管理栄養士のなかには、「独立を検討している」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。独立すれば、会社や団体に縛られず自分の希望に合う働き方ができます。その反面、雇用されているときとは違う苦労やリスクが伴います。

今回は、独立した管理栄養士が活躍できる仕事から、独立するメリット・デメリット、独立後に成功する方法までを解説します。併せて、独立や起業とは異なる働き方も紹介するので、独立を考えている管理栄養士の方はぜひ参考にしてください。

管理栄養士は独立して働ける？

独立を考える上でまず気になるのは、「管理栄養士は独立してもやっていけるのか？」ということではないでしょうか。実際のところ、独立して成功している管理栄養士は多く、これまでに培った知識やノウハウを生かして多方面で活躍しています。

ただし、独立後は仕事の獲得からビジネスモデルの構築、事務処理まですべて自分で行わなければならないため、独立して成功するのは簡単ではありません。独立を考えている管理栄養士の方は、独立のメリット・デメリットを理解した上で、しっかりと準備することが大切です。

独立した管理栄養士の働き方

管理栄養士が独立した後は、会社員のように働き方が制限されることはありません。アイディアやスキル次第で、さまざまな働き方を実現できます。

ここでは、フリーランスで活躍する管理栄養士の仕事内容をもとに、管理栄養士の独立後の働き方を5つ紹介します。

料理教室の講師

料理教室の講師は参加者に対して、料理の技術指導やレシピの考案、食材に関する知識の提供などを行います。料理学校や食品メーカーと契約して講座を受け持つケースもあれば、個人で料理教室を主催することもできるため、比較的参入しやすい働き方だといえるでしょう。

しかし、料理教室の競合は多いため、オリジナリティのある講座を開いて差別化を図るなどの工夫が必要となります。

飲食店の企画開発・レシピ監修

料理メニューを考えるのが得意な場合は、フードコーディネーターとして飲食店のレシピの企画開発や監修に携わる働き方もあります。

飲食店のコンセプトに応じて、看板商品になるようなレシピを考案すれば、ヒットメーカーとして大きく成功できる可能性があります。ただし、企画開発やレシピ監修では、料理・食材に関する知識だけでなく、思考力やアイディア力も求められるため、決して容易な仕事ではありません。

コラムライター

管理栄養士の豊富な専門知識を生かして、雑誌やWebメディアにコラム・記事を寄稿したり、書籍の執筆を手がけたりするコラムライターとして活躍する方もいます。

専門的な内容を文章にまとめるのは簡単ではありませんが、専門家の知識や意見を求める媒体は多いため、比較的仕事を得やすいというメリットがあります。また、ライター業は講師業やコンサルタント業と兼業できるのもメリットの一つ。専業でも副業でも、状況自身のライフスタイルに合わせて、柔軟に働くことが可能になるでしょう。

栄養カウンセラー

食事に関する悩みを抱える方たちに対して、食事指導や栄養指導を行う栄養カウンセラーという選択肢もあります。

栄養カウンセラーは、基本的に個人を対象としたビジネスモデルとなるため、安定した働き方を目指すには集客ノウハウが必要になります。とはいえ、近年は人々の健康意識が高くなっているため、集客の問題さえクリアできれば、専門知識を存分に生かすことができるでしょう。

レストランコンサルタント

料理や食事に関する豊富な知識・スキルを使って、レストランを監修するコンサルタントを目指す道もあります。

コンサルタントは、クライアントが抱える課題を解決し、目標達成をサポートする専門的な職業です。レストランコンサルタントとして働く場合は、食事と栄養に関する専門家の視点から、食材選定、レシピ作成、栄養バランス、料理の味など、レストランに関することを幅広くコンサルティングすることになります。

クライアントとなるレストランオーナーとのつながりを作る必要がありますが、コンサルタント業をメインに活動している管理栄養士は少ないため、頑張り次第で十分な引き合いが見込めるでしょう。

管理栄養士として独立や起業することのメリット・デメリット

管理栄養士の独立や起業には、メリット・デメリットの両方が存在します。独立の良い面、楽しそうな面ばかりを見ていると、思わぬリスクに遭遇しかねないので注意してください。

独立を検討している方は、以下のメリット・デメリットを理解しておきましょう。

＜メリット＞

• ・自分がやりたいことを実現しやすくなる

  独立後にどのような分野でどう活動するかは自由です。管理栄養士としての知識・スキルが求められる仕事のなかから自分に合ったものを見つければ、「やりたいこと」を実現しやすくなるでしょう。

• ・自分のペースで仕事ができる

  独立後はスケジュールを自由に決めて、自分のペースで働けます。「働き方は自分で決めたい」という方には、独立が適しているかもしれません。

＜デメリット＞

• ・行動力や実行力がないと仕事の獲得が難しい

  独立後に苦労することの一つに「仕事の獲得」が挙げられます。行動力・実行力を発揮して積極的に営業活動をしないと、独立後に継続して仕事を受注することが難しくなるでしょう。

• ・人脈を広げる必要がある

  人脈は、独立後の仕事の獲得に大きく影響する要素です。幅広い人脈があれば、独立後も安定的に仕事を確保できる確率が高くなるはずです。

管理栄養士が独立して働くには？

管理栄養士が独立する場合、特別なスキルを身に付ける必要はありません。しかし、独立するにあたって知っておきたい手続きや、取得しておきたい知識は存在します。

ここからは、管理栄養士が独立して働くために必要な手続きや知識を解説します。独立後、スムーズに活動したい方は、ぜひ押さえておきましょう。

開業する場合は開業届を提出する

独立後に個人事業主として活動する場合は、税務署に開業届を提出する必要があります。

開業届を提出しなくても罰則が科されることはありませんが、出しておいたほうが節税対策をはじめとするさまざまなメリットを得られます。

開業届は、税法上開業日から1カ月以内の提出が義務付けられているため、独立して事業を始める場合は期間内に提出することをおすすめします。

（出典：国税庁［手続名］個人事業の開業届出・廃業届出等手続/https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm）

目標を数値化した上で利益を出すための行動をとる

独立後は経営者として自分で利益を確保しなければ、事業を継続することが難しくなってしまいます。

利益を確保するために重要なのは、「目標を数値化して利益を出すための行動をとる」という考え方です。売上金額や活動日数、案件数、単価など、事業に関わるあらゆる項目を数値化することで、具体的な事業戦略、行動計画、改善点などを明確に把握することができるでしょう。

管理栄養士として独立する方は、目標を数値化して管理する考え方を実践し、事業の成長に役立ててください。

管理栄養士としてしっかり稼ぐなら転職もおすすめ！

独立して成功すれば高収入も期待できますが、さまざまなリスクが伴うことも事実。独立に自信がない方や不安な方は、自分の理想や希望に合う職場に転職することも一つの方法です。

管理栄養士の転職先探しには、マイナビコメディカルのキャリアアドバイザーによる転職サポートをご利用ください。

＜マイナビコメディカルの特徴＞

• ・多種多様な求人が掲載されている
• ・給与、待遇、仕事内容などの情報が詳しく掲載されている
• ・充実したサービスがすべて無料で利用できる
• ・求人提案から面接対策までキャリアアドバイザーのサポートが充実している

マイナビコメディカルでは顧客満足度の高さと豊富な実績で、納得できる転職活動を全力で支援しています。転職を検討している管理栄養士の方は、お気軽にご登録ください。

まとめ

管理栄養士は、独立してフリーランスになっても十分に活躍できる職種です。独立後は、料理教室の講師や栄養カウンセラー、レストランコンサルタントなど、管理栄養士として培った知識・ノウハウを生かして活動することができます。

ただし、独立する働き方にはデメリットもあります。特に、独立後は自分の力で仕事を獲得する必要があり、継続的に受注することは簡単ではありません。

独立して成功する自信がないという場合は、転職して年収アップを狙う方法もあります。「マイナビコメディカル」では、管理栄養士に特化した求人情報を多数掲載しているので、まずはお気軽にご相談ください。