幼児食アドバイザーとは?取得の流れ|栄養士にとってのメリットも解説
幼児食アドバイザーは、1歳から5歳ごろの幼児食に関する知識を学べる民間資格です。
食事は、子どもの成長過程において重要な役割を担っています。からだの発達に必要な栄養素を取り入れることはもちろん、赤ちゃんの時期から始まる「食の体験」は、味覚の発達や食事への意欲に大きな影響を与えるとも言われています。また、子どもが健やかに成長するためには、発達段階に見合った適切な食習慣を形成することも大切です。
(出典:厚生労働省「第2章 保育所における食事の提供の意義」/https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/shokujiguide2-3.pdf)
当記事では、幼児食アドバイザーの資格概要と取得までの流れ、栄養士・管理栄養士に向けた取得のメリットについて解説いたします。
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目次
幼児食アドバイザーとは?
幼児食アドバイザーとは、幼児期の子どもの栄養バランスについて学べる民間資格で、一般社団法人母子栄養協会が認定しています。
母子栄養協会では、資格取得のための「幼児食アドバイザー養成講座」も運営しており、そこでは、幼児食についての知識を体系的に学べます。また、幼児のからだの成り立ちや食育、事故予防、食物アレルギーといった関連知識を学ぶことも可能です。
幼児食についての専門的な知識は、子育て中の方はもちろん、幼児関連の職場で働く方にも大いに役立つため、幼児食アドバイザーは保育士や栄養士・管理栄養士、主婦の方などに人気の高い資格です。
(出典:母子栄養協会「幼児食アドバイザー」/https://boshieiyou.org/youseikouza/youjisyoku)
栄養士・管理栄養士にもおすすめの資格?取得メリットは?
幼児食アドバイザーを取得するにあたって、資格などの要件は特に定められていません。誰でも受験できるため、家庭で育児をする方が知識向上のために資格を取得するケースもあります。
栄養士・管理栄養士として働く方が、幼児食アドバイザーを取得する場合は、下記のようなメリットが挙げられるでしょう。
・子どもの食事に悩む保護者に対して、小児栄養学にもとづいた適切なアドバイスができるようになる。
・就職や転職の際に、自分の専門性をアピールしやすくなる。
幼児食アドバイザー養成講座では、「幼児のからだの成り立ちと発達」「幼児のホームケアと事故予防」「幼児期の食物アレルギー」「幼児期に必要な栄養」「幼児期の食問題とその解決」など、幼児食に関するさまざまな専門知識を学習できるため、幼児向けの食事や食育について学びたい、学び直したいと考える栄養士・管理栄養士にもおすすめです。
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幼児食アドバイザーの講師はどんな人?
幼児食アドバイザー養成講座では、管理栄養士・母子栄養指導士の資格と5年以上の実務経験を持つ方たちが講師を担当しています。
講師全員が豊富な経験を持っているため、講義や質問を通してさまざまな知識・スキルを身に付けられるのも、幼児食アドバイザー養成講座の特徴と言えるでしょう。
(出典:母子栄養協会「幼児食アドバイザー」/https://boshieiyou.org/youseikouza/youjisyoku)
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資格の取得方法や将来性も
幼児食アドバイザーの資格を取得する方法
幼児食アドバイザーの資格を取得するためには、母子栄養協会が運営する養成講座を受講する必要があります。
幼児食アドバイザー養成講座は、母子栄養協会のホームページから申込むことが可能です。申し込み後、案内に従って受講料を振り込むと、テキストとオンライン講義用のパスワードが届きます。
受講から資格取得までの流れは下記のようになります。
●幼児食アドバイザー養成講座受講の流れ
講義を受講 | 合計5時間の講義を2時間半ずつ、2日間に分けて受講 ・講義終了後に質疑応答の時間が設けられています。 ・講義の前に、オンライン講座の受講に必要なZoomアプリの接続状況も、忘れずに確認しておきましょう。 |
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課題提出 | スマートフォン・PCなどを使って、自宅で調理課題と筆記試験を実施(受講後3週間以内) |
合否判定 | 約3週間で合否判定 ・不合格の場合、合格するまで何度でもチャレンジすることが可能です(追加費用なし) |
(出典:母子栄養協会「幼児食アドバイザー」/https://boshieiyou.org/youseikouza/youjisyoku)
合格すると、母子栄養協会から資格認定証、認定バッジ、指導ツールが届き、幼児食アドバイザーとしてさまざまな現場で活躍できます。
仕事内容・給与相場と資格の取得方法
【栄養士向け】幼児食に関するその他の民間資格|幼児食アドバイザーとの違いも
幼児食に関する民間資格は、幼児食アドバイザーのほかにも複数あります。栄養士・管理栄養士の方は、そうした民間資格を取得することで、活躍の幅が広がるでしょう。
また、幼児食に関する資格は、民間資格であっても履歴書に記載できます。キャリアアップ・スキルアップを目指したい方や、子どもと関わる仕事に興味がある方は、ぜひ以下の資格もチェックしてみてください。
母子栄養協会が実施する資格4つ
母子栄養協会では幼児食アドバイザー以外にも、出産前後の女性や子どもの栄養・食事をサポートするための資格講座を実施しています。子どもは、年齢によって必要な栄養バランスが違ったり、食育の実践方法に違いがあったりするため、発達段階ごとに複数の資格を取得するのもよいでしょう。
●妊産婦食アドバイザー
・学んだ知識は、婦人科や産院の栄養指導業務などに生かせる
(出典:母子栄養協会「妊産婦食アドバイザー」/https://boshieiyou.org/youseikouza/ninnsannpusyoku)
●離乳食アドバイザー
・学んだ知識は、保育園や産院の離乳食指導などに生かせる
(出典:母子栄養協会「離乳食アドバイザー」/https://boshieiyou.org/youseikouza/rinyusyoku)
●学童食アドバイザー
・学んだ知識は、小学校や小児科における食育推進、子どもの栄養状態に悩む保護者への対応などに生かせる
(出典:母子栄養協会「学童食アドバイザー」/https://boshieiyou.org/youseikouza/gakudousyoku)
●母子栄養指導士
(ただし、母子栄養協会が実施している4つのアドバイザー資格の取得者のみ受験可能)
・学んだ知識は、保育所や小学校での食育推進、病院での栄養指導などに生かせる
・フードコンサルタントとしてレシピを開発したり、料理教室で講師として働いたりする際にも役立てられる
(出典:母子栄養協会「母子栄養指導士」/https://boshieiyou.org/youseikouza/boshieiyousidousi)
最後に紹介した「母子栄養指導士」は、幼児食アドバイザー、妊産婦食アドバイザー、離乳食アドバイザー、学童食アドバイザーの4つの資格を取得した方のみが受験できる、エキスパート資格です。
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その他の団体が実施する資格2つ
母子栄養協会のほかにも、幼児食に関する資格を認定している団体がいくつかあります。
以下で紹介する2つの資格は、通信講座で自宅にいながら資格取得を目指せます。自分のスケジュールにあわせて学習を進められるため、仕事と勉強を両立したい方でも無理なくチャレンジできるでしょう。
●幼児食インストラクター(実施団体:一般財団法人日本能力開発推進協会/JADP)
・学んだ知識は、保育所や病院の栄養指導、食育推進活動、献立作りなどに生かせる
(出典:通信教育講座のキャリカレ「幼児食インストラクター資格取得講座」/https://www.c-c-j.com/course/food/infants/)
●離乳食・幼児食コーディネーター(実施団体:一般社団法人日本味育協会)
・学んだ知識は、乳幼児を預かる施設での献立作りや、離乳食・幼児食の料理教室などに生かせる
(出典:通信教育講座なら生涯学習のユーキャン「離乳食・幼児食コーディネーター資格取得講座」/https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/1455/)
当記事で紹介した幼児食に関する資格は、実施団体によって学習内容や資格の内容、試験の形式に違いがあります。資格取得を検討するときは、それぞれの資格・講座の特徴を比較してみるとよいでしょう。
あわせて、「資格を取得した後、栄養士の業務にどう生かせるのか?」について、具体的にイメージしておくことも大事です。
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まとめ
幼児食アドバイザーは、幼児の健やかな成長に必要な栄養・食事について学べる資格です。幼児食に関する知識を身に付けて、栄養士・管理栄養士の仕事に生かしたい方は、取得を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、「資格やスキルを生かせる職場を探したい」と考えている栄養士・管理栄養士の方は、ぜひ一度、マイナビコメディカルにご相談ください。マイナビコメディカルでは、栄養士・管理栄養士業界に精通したキャリアアドバイザーが、非公開求人を含む求人のご紹介から面接対策、入職後のアフターフォローまで、みなさまの転職活動をしっかりサポートいたします。
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