管理栄養士が健康運動指導士の資格を取得するメリットは?|仕事内容や主な職場も解説
管理栄養士のキャリアアップに役立つ資格として、「健康運動指導士」が挙げられます。健康運動指導士は「運動」を通じて健康を支えるスペシャリストであり、資格を取得すれば食事や栄養だけではなく、運動についての指導も行えるようになります。
この記事では、管理栄養士が健康運動指導士の資格を取得するメリットや健康運動指導士の仕事内容、資格を取得する方法などについて詳しく解説します。管理栄養士としてキャリアアップを目指している方、健康運動指導士の資格に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
管理栄養士が健康運動指導士の資格を取るメリットは?
健康運動指導士は、「健康づくりのための運動」を指導できる人材の育成を目指して創設された民間資格です。資格の主催と認定は、健康・体力づくり事業財団が独自に行っていますが、事業の原型となっているのは1988年にスタートした厚生大臣の認定事業です。
(出典:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士とは」/http://www.health-net.or.jp/shikaku/shidoushi/index.html)
管理栄養士が健康運動指導士の資格を取得することには、さまざまなメリットがあります。例えば、食生活の指導と運動面からの指導を同時に行えることもその1つ。それによって、総合的に対象者の健康をサポートできるようになるでしょう。
また、健康運動指導士の有資格者は、スポーツクラブやフィットネスクラブのインストラクターとして勤務したり、スポーツ栄養の関連分野で働いたりすることができるため、健康運動指導士の資格取得によってキャリアの選択肢も広がります。
食事や栄養に関する知識と、運動指導に関する知識の両方を身に付けることは、フリーランスとして活動する際も大いに役立つでしょう。
健康運動実践指導者との違い
健康運動指導士と同じく、健康・体力づくり事業財団が認定する資格に、「健康運動実践指導者」があります。
健康運動指導士と健康運動実践指導者の違いとして挙げられるのは、求められる役割です。健康運動実践指導者の資格は、運動生理学の知識や健康に役立つ運動指導技能を持ち、プログラムにもとづいて実践指導を行える人材に与えられます。つまり、健康運動実践指導者の主な業務は、対象者に対する「実際の指導」というわけです。
そのため、健康運動実践指導者には、見本を見せるための実技スキルや、多人数に対して指導を行うスキルも必要となります。
一方、健康運動指導士の主な役割は、保険医療関係者などと協力しながら、対象者の健康状態に合わせて最適な運動プログラムを作成・指導することです。生活習慣病や介護の予防などを目的とした運動プログラムを作成するため、健康運動指導士にはより高度な医学、介護の知識が求められます。
健康運動指導士と健康運動実践指導者は、いずれも健康づくりに貢献するための資格です。そのため、どちらを取得する場合においても、健康や運動に関する知識は必須となります。管理栄養士がこれらの資格を取得する際は、それぞれの資格の特徴を把握した上で、自分に合ったほうを選択しましょう。
(出典:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康運動実践指導者とは」/https://www.health-net.or.jp/shikaku/shidousya/index.html)
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健康運動指導士の仕事内容
ここでは、健康運動指導士の仕事内容について詳しく解説します。
・対象者との面談
健康運動指導士は運動指導の対象者と面談を行い、日々の生活習慣や運動プログラムに求める内容についてヒアリングします。また、対象者との面談では生活習慣を改善するためのアドバイスも行います。面談を通して対象者の健康状態や目標の達成度を確認することも、健康運動指導士の大事な仕事と言えるでしょう。
・運動プログラムの作成
健康運動指導士は、対象者の健康状態や目指す目標にあわせて適切な運動プログラムを作成します。運動プログラムを作成する際は、対象者の年齢や性別のほか筋力、持久力、柔軟性などについても、きちんと考慮しなくてはいけません。高齢者や産後の女性、運動初心者などに向けたプログラムでは、特に配慮が必要でしょう。
・運動指導
作成した運動プログラムに沿って対象者に運動指導を行うことも、健康運動指導士の仕事です。また、健康運動指導士は体の動かし方だけではなく、生活習慣や睡眠方法、メンタルヘルスなども含めた総合的な指導を行うこともあります。さらに、運動の成果を確認し、プログラムを見直すことも健康運動指導士の役割の1つです。
このように、健康運動指導士は健康と運動についての専門知識をもとに、対象者の運動指導を総合的に行う必要があります。
(参考:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健健づくりのための運動指導者の養成及び普及定着方策について」/https://www.health-net.or.jp/shikaku/pdf/housaku_report.pdf)
健康運動指導士が活躍できる場所
健康・体力づくり事業財団の資料によれば、健康運動指導士の数は2023年3月時点で18,552人となっており、次のような職場で活躍しています。
職場 | 人数 |
---|---|
フィットネスクラブなど | 4,117人 |
診療所・病院など | 2,034人 |
フリーランスとして活動 | 1,465人 |
保健所など | 598人 |
老人介護・保健・福祉施設など | 1,191人 |
学校 | 573人 |
健保組合・会社の健康管理部門 | 111人 |
その他(学生を含む) | 5,685人 |
(出典:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士とは」/http://www.health-net.or.jp/shikaku/shidoushi/index.html)
フィットネスクラブのほか、医療施設や福祉施設、介護施設などが健康運動指導士の主な職場です。また、健康運動指導士の資格を生かして、フリーランスとして活動する方も多くいらっしゃいます。
将来性や転職時のポイントも
管理栄養士が健康運動指導士になるには
管理栄養士が健康運動指導士になるには、健康運動指導士認定試験に合格し、健康運動指導士台帳に登録されることが必要です。
健康運動指導士認定試験を受験する方法は、2通りあります。1つは健康運動指導士養成講習会を受講することで、もう1つは健康運動指導士養成校に指定された大学の養成講座を修了することです。
管理栄養士の方が健康運動指導士を取得する際は、健康運動指導士養成講習会を受講するのが近道でしょう。講習会の受講には条件が設けられていますが、管理栄養士の資格保有者であれば問題なく受講できます。
健康運動指導士養成講習会で学ぶ内容や取得単位数は保有資格によって異なり、管理栄養士の場合は70単位コースの受講が必要です。70単位コースには、以下の科目が含まれます。
Aカテゴリーの科目 |
・健康管理概論 ・健康づくり施策概論 ・運動プログラムの実際 ・運動負荷試験 |
---|---|
Cカテゴリーの科目 |
・運動生理学 ・機能解剖とバイオメカニクス(運動・動作の力源) ・健康づくり運動の理論 |
Dカテゴリーの科目 |
・体力測定と評価 ・健康づくり運動の実際 |
Eカテゴリーの科目 | ・健康づくり運動の実際(健康産業施設などの現場研修) |
健康運動指導士の認定試験(オンライン)は、四肢択一方式で行われます。出題範囲が広いため、養成校や健康運動士養成講習会で学んだ内容をよく復習した上で受験しましょう。
健康運動指導士の認定試験に合格し、登録手続きを行った後は、5年ごとの登録更新が必要です。登録更新時には特別な講習会を受講し、登録更新申請書を提出してください。
(出典:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士認定試験のご案内」/https://www.health-net.or.jp/shikaku/shidoushi/pdf_r5/R5_annai.pdf)
職場別の平均給与を公開
キャリアアップを目指すなら転職を検討することも大事
管理栄養士としてキャリアアップを目指す場合は、自分の知識・スキルを伸ばせる職場に転職するのも1つの方法です。ダブルライセンスを取得し、よりよい環境で経験を積めば、管理栄養士としての専門性はぐんと高まるでしょう。
転職先を探す際は、転職支援サイト「マイナビコメディカル」をご利用ください。マイナビコメディカルでは、医療・介護分野の優良求人を数多く掲載しており、細かな条件指定からご希望にあった求人を探すことができます。
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転職を成功させるためには?
まとめ
健康運動指導士は運動プログラムの作成や運動指導を通じて、対象者の健康をサポートする資格です。食事や栄養の専門家である管理栄養士が健康運動指導士の資格を取得すれば、より幅広いサポートが可能となります。
管理栄養士としてキャリアアップを目指す場合は、自分のスキルをより生かせる職場に転職するのも手です。医療・介護分野での転職を検討されている管理栄養士の方は、業界に精通したマイナビコメディカルのキャリアアドバイザーに、お気軽にご相談ください。
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