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作業療法士になるには?受験資格や学費、学校の種類について解説

公開日:2021.06.11

作業療法士になるには

文:田口 昇平
(作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級)

作業療法士(OT)は病院や介護施設などでリハビリをおこなう専門職で、「理学療法士及び作業療法士法」により定められた国家資格です。病気や障がいを持つ方に対し、さまざまなリハビリをおこない、生活の不自由さを改善するのが主な役割となります。

作業療法士になるには、養成校の卒業と国家資格を取得が条件であり、その後、自分が行いたいリハビリの内容や対象に合った就職先を探すことになります。今回は作業療法士を目指す人に向けて、資格の取得方法を説明するとともに、作業療法士の平均給料や就職先についてお伝えします。

作業療法士になるには?養成校の卒業と国試の合格が条件

作業療法士になるには、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成校のカリキュラムを修了し、作業療法士国家試験に合格しなければなりません。養成校では、次のような内容を学習します。

専門基礎 解剖学・運動学・臨床医学など
専門 作業療法評価学・中枢神経疾患作業療法学・臨床実習など

講義や実習を通じて、卒業に必要な単位を取得することで、国家試験の受験資格を得ることができます。作業療法士国家試験を受験し合格基準点に達すると、免許取得となり、作業療法士としての就職が可能です。

国家試験の合格率

作業療法士国家試験は、毎年2月におこなわれます。過去5年間の作業療法士国家試験の合格率は、70~80%台で推移しています。

2021年「第56回作業療法士国家試験」の合格者数・合格率

参考

2021年「第56回作業療法士国家試験」合格発表と合格率

作業療法士国家試験は、養成校のカリキュラムに沿った内容で出題されます。また、各養成校では国家試験の受験対策として過去問題の復習や特別授業などもおこなっていることもあり、在学中にしっかりと勉強すれば比較的合格しやすい資格と言えるでしょう。

国家試験合格より、養成校卒業が大変

作業療法士になるには国家試験に合格することよりも、養成校のカリキュラムを修了し卒業するほうが大変とも言えます。というのも作業療法士の養成校を卒業するには、臨床実習に合格しなければならないからです。

作業療法士の臨床実習は、養成校が指定する病院や介護施設などでおこないます。学生は現場の作業療法士と同じように患者さんを受け持ち、身体の状態を評価しながら、患者さん個々に合わせたリハビリを計画・実行しなければなりません。

学生のなかには適切なリハビリの評価や訓練がおこなえず、残念ながら実習で不合格になったり、卒業を断念したりする人もいます。作業療法士になるには、国家試験に加え、養成校を卒業する大変さも理解しておくことが大切です。

専門学校・大学の大きな違いは学費とカリキュラム

作業療法士の養成校は、専門学校と大学があります。学費は、各養成校で大きく異なりますが、一般的に専門学校よりも大学のほうが高い傾向にあります。

平均的な学費
専門学校 約630万円
大学 約520万円

各地方の専門学校・大学を一箇所抽出し、その平均を「平均的な学費」として算出。

作業療法士になるための学費負担で悩んでいる人は、奨学金プランのある養成校を選ぶのもひとつの方法です。

養成校のなかには連携病院や介護施設などへの就職を条件に、奨学金を貸付・付与する学校もあります。こうした奨学金プランを利用すれば、作業療法士の資格取得に必要な学費負担を減らしたり、就職先を確保できたりします。

また、専門学校と大学では、作業療法士になるための基本的な知識・技術を学べる点は同じですが、主にカリキュラムの構成が異なります。

専門学校と大学のどちらを選べばよいのか悩んだ時には、次の違いをひとつの基準として、進学先を選ぶとよいでしょう。

養成校卒業までにリハビリの実践的なスキルを集中的に身につけたい→専門学校
将来的にリハビリの研究や後進の育成などにも携わっていきたい→大学

専門学校では学外での臨床実習に加え、学内でもリハビリの実技練習を積極的におこなっています。一方、大学ではリハビリの理論や研究・管理運営法などを学ぶカリキュラムがあるのが特徴です。

作業療法士に向いている人の3つの特徴

作業療法士に向いている人
「リハビリの仕事をしたい」と考えていても、自分に作業療法士の適性がなければ、長く働き続けるのは難しいものです。ここからは作業療法士に向いている人の特徴について紹介します。

①コミュニケーションが得意

患者さんの求めるリハビリを提供するには、まず患者さん本人の要望をしっかり聞き取るためのコミュニケーション能力が必要です。時には患者さんの悩みを聞きながら、不安を解消する助言をしたり、訓練プログラムを工夫したりするのも作業療法士の大切な役割です。

そのため、コミュニケーションが得意な人は作業療法士に向いていると言えるでしょう。

②探究心がある

リハビリ医療は日進月歩であり、日々新しい治療法が研究・開発されています。作業療法士として常に新しい知識・技術を学ばなければ、患者さんに対して最良のリハビリがおこなえません。

自分がわからないことを本で調べたり、先輩や養成校の先生に聞いたりするといった積極的な姿勢と学び続ける探究心が必要です。

③フットワークが軽い

リハビリの現場では、数多くの医療・介護従事者と協力しながら働きます。例えば、患者さんの健康状態について医師や看護師と情報交換したり、リハビリの方針について理学療法士やケアマネジャーと情報共有したりする機会が多くあります。

作業療法士はほかの専門職と連携することで、安全に円滑にリハビリがおこなえるものです。フットワークが軽い人であれば、作業療法士として医療・介護従事者と積極的に連携しながら働けるでしょう。

作業療法士の給料はいくら?就職先やキャリアによって異なる

厚生労働省が発表する「賃金構造基本統計調査(2019年度)」によると、作業療法士の平均年収(理学療法士を含む)は、409万6,400円です(平均年齢33.3歳、平均勤続年数6.2年)です。

ただ上記はあくまで平均であり、作業療法士の給料は勤務先で大きく異なります。就職先によっては昇給額やボーナスなど、キャリアに伴い年収アップが期待できるでしょう。

作業療法士のおもな就職先
日本作業療法士協会の「日本作業療法士協会会員統計資料(2019年度)」によると、作業療法士の勤務先でもっとも多いのは病院(リハビリ専門病院・精神病院など)で、次いで介護老人保健施設・老人福祉施設・診療所となっています。

ほかにも、児童福祉施設や特別支援学校・身体障害・精神障害者福祉センター・保健所など、作業療法士には多岐にわたって活躍の場があります。

しかし給料が高い職場だからといって、必ずしも納得のいく臨床経験が積めるとは限りません。特に新人作業療法士のうちは、リハビリの基礎を築く大切な時期です。作業療法士として就職先を考える際には、将来的に自分が理想とするリハビリができるかどうかも見極めながら考えることが大切です。

リハビリの現場で自分の力を発揮する作業療法士になるために

作業療法士になるには、養成校の教育カリキュラムを修了し、国家試験に合格しなければいけません。そのため、資格取得までに時間や費用がかかります。しかし作業療法士の資格を取得できれば、専門職として病院や介護施設など、さまざまな場所での活躍が期待できます。

リハビリの仕事に興味があるのであれば、作業療法士を目指してみてはいかがでしょうか。

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参考

理学療法士及び作業療法士法

田口 昇平(作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級)
2008年に作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や特別養護老人ホームなどの施設で医療や介護業務に従事。2018年より、フリーライターに転身。医療介護職の働き方や働きやすい労働環境づくりなど、幅広いテーマで執筆。心理学・脳科学分野の書籍を愛読し、学んだ内容をブログやSNSで情報発信している。

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