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理学療法士になるには?方法、受験資格、大学と専門学校の違いと費用2019.11.01

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文:伊東浩樹  理学療法士・ NPO法人 地域医療連繋団体.Needs 代表理事

人生80年時代といわれる現代において、健康寿命の延伸が課題とされています。年齢を問わず、障害や怪我、病気があっても、できるだけ元気な状態を保ち、人生を楽しく過ごせるような心身を維持したいと考える方が多いのではないでしょうか。そうした方々に向けて、医学的な見解から健康をサポートするのが理学療法士の仕事です。少子高齢化がますます進むなかで、いかに健康を維持するかが課題となる今、理学療法士の需要は今後益々増大することでしょう。今回は、現代において求められる「理学療法士」になるにはどうすればよいのかをお伝えします。

理学療法士になるには?

まず、理学療法士が担当する仕事内容について確認してみましょう。
理学療法士はPT(Physical Therapist)とも呼ばれ、怪我や病気などにより心身障害のある方や、今後、心身障害が発生する可能性のある患者さんに対して、リハビリテーションや運動療法を実施・指導するのが主な仕事です。
一人ひとりの身体状況や生活環境に合わせて医学的・社会的視点から評価し、身体機能の維持、向上、回復を目的としたプログラムを立案し治療を行います。

動作の専門家として「立つ・座る・歩く」などの基本動作を中心にプログラム目標の達成を目指します。また、関節や筋肉など運動器官と言われる部位に直接アプローチをする治療法もあり、医療、福祉に留まらずスポーツトレーナーや教員など、理学療法士が必要とされる分野は数多く存在します。
いずれの分野での活躍を目指す場合にも、まず「理学療法士」の国家資格を取得しなければなりません。国家試験は年に1回、例年2月頃に実施されます。必要な受験資格要件を満たしたうえで試験に合格して初めて、理学療法士としての活動が可能です。

理学療法士に必要な受験資格

理学療法士の国家試験を受験するためには、いくつかの資格要件をクリアしなければいけません。医学的視点から治療を実施することになるため、それ相応の知識と技術を学ぶ必要があります。
まず、理学療法士の国家試験を受けるためには、以下の3つの方法からいずれかの受験資格を得なければいけません。

国家試験の受験資格概要
①文部科学大臣が指定した指定した学校又は、都道府県知事が指定した理学療法士養成校において3年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得した人

②外国の理学療法に関する学校若しくは養成施設を卒業し、又は外国で理学療法士の免許に相当する免許を得た者であって、厚生労働大臣が①に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定した人

③法施行の際(昭和40年8月28日)現に文部大臣又は厚生大臣が指定した学校又は施設において、理学療法士となるのに必要な知識及び技能を修業中であって、法施行後に当該学校又は施設を卒業した人

理学療法士になるには、独学では試験資格を得られないため、受験資格を得るために、以下の3つの方法のいずれかを選択することになるでしょう。

理学療法士になる3つの方法

理学療法士を目指す理由は、人によってさまざまです。また、将来、理学療法士になりたいという進路を決める時期も、人によって異なるでしょう。比較的早い段階で理学療法士を目指すと決めた場合には、中学や高校時代から理学療法士を目指す方もいるかもしれません。一方で、社会人となったあと、自身の怪我や病気などから、新たな働き方を見出し、理学療法士を目指す人もいます。それぞれ理学療法士になりたいという目標は同じでも、目指すタイミングによって、資格取得に至る期間や方法が異なります。理学療法士を目指す方法として3つご紹介します。

中学・高校の在学中から理学療法士を目指す方法

学生時代から、将来の目標として理学療法士を目指す場合、まずは大学か、専門学校で理学療法学科のある学校に進むという選択ができます。
理学療法士は、医療に関わる国家資格であり、関連する大学や専門学校の受験においても、やや難関と思われるケースも少なくありません。場合によっては面接などで資質を見て判断されることもあるため、在学中から、将来の進路に向けてしっかり内申をとっておく必要があるでしょう。
関連する大学と専門学校では、学校ごとに受験レベルの差はありますが、本質的に医療の国家資格取得を目指すことに変わりはありません。そのため、学力もある程度は必要です。ただし、受験資格が得られるかどうかだけで学校選びをしてしまうと、校風に合わずにやる気が低下してしまう可能性もありえます。まずは、受験する各学校の雰囲気や校風などをよく調べたうえで、自身にあった学校を選びましょう。

最短で理学療法士になる方法

前述のように、理学療法士になるには、受験資格を得るために関連する大学や専門学校に入学する必要があります。メインとなるカリキュラムはどの学校もおおむね同じ内容ですが、学校によって通う期間が異なります。できるだけ最短で理学療法士になりたい場合には、在学期間の短い学校を選ぶのがポイント。4年制の大学ではなく、短期大学や専門学校で3年過程がある学校を選択すれば、最短3年後には理学療法士の国家試験を受験することが可能です。ただし、学校によっては4年制の課程のなかで、理学療法士の受験資格だけでなく、スポーツトレーナーの資格を得られるといったカリキュラムを取り入れているケースもあります。将来の目標を明確にしたうえで、どの学校を選べば「最短」になるのかを考えながら選択しましょう。

働きながら理学療法士になる方法

理学療法士を目指す人のなかには、すでに社会人として働きながら、国家資格の取得を目指す方もいることでしょう。社会人の場合、労働時間が生活の大半を占め、学業だけに専念するのは難しいケースもあり得ます。受験資格を得られる大学や専門学校の多くは、平日日中のコースが中心ですが、一部の専門学校には、夜間部が存在します。仕事を辞めて学業に専念するのが難しい場合には、現在の仕事を続けながら、夜間部に通い、受験資格を得る方法がベターでしょう。ただし、夜間部であっても、実技のカリキュラムだけは土日の昼間に行われるような学校が多いようです。学校選びの際には、自身のスケジュールに合わせて受講できる環境かどうかを事前に確認しておくと安心です。

理学療法士になるための大学と専門学校の違い

理学療法士になるためには、まず大学か専門学校を受験して合格し、卒業の課程で受験資格を得ることになります。ここまで、「大学」と「専門学校」をまとめて紹介してきましたが、具体的にどちらが良いのか迷っている方もいるかもしれません。
同じ理学療法士を目指すとしても、大学と専門学校では、どのような違いがあるのでしょうか。気になる学費の違いや、その学校を選ぶメリットなど、それぞれの特徴をまとめます。

大学に通って理学療法士になる場合

一口に大学といっても、私立大学と国公立大学の2種類があります。また、学校によって学部名が異なり、「理学療法学科」「リハビリテーション学科」「保健医療福祉学科」など、理学療法士の受験資格だけでなく、さらに包括した学びが得られるところもあります。
各学校によって特徴が異なるものの、平均的な学費としては以下のとおりです。

理学療法士の受験資格を得るまでにかかる学費
私立大学……4年間で560~640万円程度(年間140~160万円程度)
私立短大……3年間で360~510万円程度(年間120~170万円程度)
国立大学……4年間で250万円程度(年間50~60万円程度)

理学療法士になるために大学を選ぶメリット
理学療法士を目指すにあたり、大学を選ぶメリットは、専門学校に比べて広い視野でより多くのことを学べることが挙げられます。
専門学校と比べて学費がやや高いものの、大学ならではの研究機関や大学院への進学を見越したカリキュラムなど、より深く、広い見地から学べる環境が整っています。理学療法士としての国家資格取得だけを目指しているのではなく、視野を広く持つための学びの環境や設備が充実しているのが大きな特徴でしょう。
また、私立大学では、カリキュラム内に海外での研修を取り入れているところもあり、さらにグローバルな知識が身につく可能性が広がります。理学療法士として、医療機関や福祉機関といった臨床現場を目指すだけではなく、将来的に研究職として大学院まで進みたい場合、また、教育機関への就職を考える場合には、大学への進学を考えた方がよいでしょう。就職先によっては、専門学校卒に比べて大卒の方が高い初任給が設定されていることもあります。

専門学校に通って理学療法士になる場合

続いて、専門学校の受験資格取得にかかる学費やメリットを考えてみましょう。専門学校では、学校によって在学する期間が異なったり、カリキュラムの違いから在学する期間を選べたりするため、個々に条件が異なります。平均的な学費としては以下のとおりです。

理学療法士の受験資格を得るまでにかかる学費
昼間部(3年間)……3年間で360~420万円程度 (年間120〜140万円程度)
夜間部(4年間)……4年間で360~440万円程度(年間90〜110万円程度)
※夜間部の場合は学校によって社会人支援金制度あり

理学療法士になるために専門学校を選ぶメリット
専門学校は、一般的に大学よりも安い学費で受講できるのが大きなメリットです。また、専門学校は3年制のカリキュラムで学べるところが多いので、最短で国家試験を受けられる可能性が高くなります。
しかし、大学4年間で学ぶことを3年間で学ぶとなると、授業の進行などは大学と比べてやや厳しく設定されているケースもあります。一方で、即戦力を求める医療機関や福祉施設の現場では、専門的に実践方法を学んだ専門学校卒の理学療法士を高く評価する傾向もあるようです。加えて、夜間部を設けているのは専門学校だけであり、日中に働きながら受験資格を得たい場合には、専門学校を選ぶ方がよいでしょう。また、夜間部の場合は昼間部に比べて年間の学費が安く設定されており、社会人の方がキャリアアップのために入学される場合は特別支援金などの援助が得られる場合が多く金銭面的にも大学よりは通いやすくなっています。

理学療法士が活躍できる現場は、医療機関だけではない

理学療法士といえば、病院や介護施設といった施設でリハビリテーションを担当するのが一般的です。勤務先によって、担当する業務内容は異なり、対応する患者さんの症状も違います。
病院であれば、事故や病気になった直後に患者さんが入院したり受診したりする急性期病院をはじめ、通院、または入院を通じて社会復帰を目指す回復期病院。また、整形外科を専科にするのか、総合病院なのかによっても、対象となる患者さんの層は異なります。
介護施設にも種類があり、要介護認定を受けた高齢者が生活する特別養護老人ホームや、日中のみケアを行うデイサービス、そして障害のある方が過ごされている施設など多岐に渡ります。

上述したような医療機関や福祉施設に勤務する理学療法士の数は多いものの、ほかにも活躍が求められる現場は年々広がっています。行政機関、市役所などに勤務して健康増進に関する仕事を担当したり、特別支援学校などの教育機関で子供達の心身機能維持、向上に携わったりするのも、その一部でしょう。さまざまな現場において、知識と経験が生かせる理学療法士の可能性はますます広がりを見せています。

最後に

医療職のなかでも、理学療法士は患者さんと一対一で接する時間が長い傾向にあります。人と人との対話やその要望に応じた治療を実施したいと思う人にとっては、やりがいのある仕事です。
理学療法士になるには、大学や専門学校での学びを通じて受験資格を得て、国家試験に合格する必要があります。専門職として深い知識を得る必要はあるものの、いくつになっても挑戦できる仕事です。将来、どんな理学療法士になりたいのか、また、どんな場所で働きたいのかを考えながら、自分にとってより良い「理学療法士になる方法」を検討してみてはいかがでしょうか。

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