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理学療法士に向いていない学生の特徴は?学校入学前に知っておきたいこと

公開日:2024.04.04

理学療法士に向いていない学生の特徴は?学校入学前に知っておきたいこと

文:伊東浩樹(理学療法士)

理学療法士を含む医療職は、人の命を救ったり、病気を治療したりするなど、人に寄り添い、人を助ける仕事です。人助けになる医療職は、大きなやりがいを感じられます。

その一方で、患者さんの人生に関わるものであり、理学療法士という仕事を安易な気持ちで目指すのはお勧めできません。「よくわからないけれど、理学療法士でよいかな」と進学先を決めてしまうと、後悔してしまう可能性もあります。

まずは、自分自身の適性を確認しておきましょう。今回は理学療法士に向いている学生と向いていない学生の特徴をお伝えしつつ、現場で活躍する理学療法士になるために必要な「目指すべき理由」について解説します。

理学療法士に向いていない学生の特徴

そもそも、理学療法士に向いていない学生は、どんな特徴があるのでしょうか。

忍耐力がない人

理学療法士を目指す場合、国家試験に合格するまで、膨大な知識を身につけなければいけません。資格取得まで地道に勉強する必要があり、ある程度の忍耐力が求められます。また、資格取得後も、最新の医療情報を学ぶ姿勢が求められます。自ら積極的に勉強をする気持ちがない人は、理学療法士には向いていないかもしれません。

また、理学療法士になる過程で実習が行われますが、働きながら課題をこなすことになります。それなりにハードな日々ですが、こちらも地道に取り組むしかありません。

忍耐力がなく、生涯にわたって勉強を続けるつもりはない、というのであれば、理学療法士として働き続けるのは難しいでしょう。

他者と協力ができない人

理学療法士は、患者さんだけでなく、医師や看護師といったさまざまな職種と関わります。患者さんの治療にはチームで取り組むため、他の職種と連携が必要です。

コミュニケーションが苦手でも、協力する姿勢があれば、仕事に慣れるうちに患者さんとの対話や他の職種と話すこともできるようになるでしょう。

しかし、もともと周囲と協力する意識が低く、自分一人だけで仕事を完結させたいと考えるのであれば、理学療法士に限らず、医療職に向いていないかもしれません。

仕事を選ぶ理由が「高い給与」

理学療法士の学校に入学してきた学生に「なぜ、理学療法士を目指したのか?」と聞いてみると、「医療職は安定しているから」「収入が高いから」といった回答が多く聞こえました。

確かに、医師や看護師といった医療職には、高収入というイメージがあるかもしれません。ですが、現実をお伝えすると、理学療法士の給与は、それほど高いとはいえません。

厚生労働省の資料「令和4年度賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士(作業療法士、言語聴覚士を含む)の平均年収は約431万円(※)でした。

月々で換算すると、月収約30万円に、ボーナス(賞与)が加わった額です。なお、国税庁が発表している全産業の平均年収は458万円(令和4年分 民間給与実態統計調査より)であり、全産業の平均より低い結果です。

とはいえ、あくまで平均であり、勤務先によっては平均金額より高いこともあります。ただ、医療機関だから理学療法士も高収入だろうと考える人は、理学療法士になっても後悔する可能性があるため、向いていません。

※平均年収=きまって支給する現金給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給与額で算出

参照:職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

理学療法士に向いている学生の特徴

理学療法士に向いていない学生の特徴は?学校入学前に知っておきたいこと

では、理学療法士に向いている学生はどんな人でしょうか。特徴を見ていきましょう。

ピンチをチャンスと思える人

理学療法士を目指す過程で、中学や高校では学ばないような分野にも多く触れることになります。特に人体の仕組みを学ぶ際には、覚えることが多く困惑することがあるかもしれません。

そうしたなかで、「今の苦しさは、将来の役に立つものだ」と考え、奮起できる人は、理学療法士に向いています。

というのも、理学療法士になった後、患者さんにリハビリテーション(以下、リハビリ)を実施するうえで、治療がうまくいかない、患者さんとコミュニケーションが取れないといった壁を感じることもあるからです。

ピンチなときこそ、チャンスがあるという前向きな考え方を持つことができれば、そうした壁を乗り越えるのも可能でしょう。

どんなときも周囲と協力しながら、現状を乗り越えようと思える人は、理学療法士としての活躍が期待できます。

他者への配慮ができる人

理学療法士は、リハビリを通して、多くの時間を患者さんと1対1で過ごします。ときには、患者さんから個人的な悩みを相談されることもあります。

そんなときに、相手の気持ちに寄り添い、傾聴できる人は理学療法士に向いているでしょう。また、他職種との連携においても、周囲への気配りや配慮が不可欠です。

誰かのために仕事をしたいと思える人

理学療法士を目指すうえで、最も大切なのが「誰かのために役に立ちたい」という気持ちだと考えます。理学療法士に限らず、医療職は人を救いたいという強い気持ちを持つことが大切です。その前提として、相手を思いやり、喜ぶ顔が見たいという気持ちが必要でしょう。

人間が好き、誰かのために役立ちたいという気持ちがある人は理学療法士に向いているのではないでしょうか。

理学療法士を目指すべき理由

理学療法士に向いていない学生の特徴は?学校入学前に知っておきたいこと

理学療法士を目指している途中で、現時点で、理学療法士に向いていないと感じたとしても、諦める必要はありません。

忍耐力が足りなかったり、周囲との協力が苦手だと感じたりすることがあっても、資格取得の過程で学び、自ら足りないと思うところを補うことができるからです。給与に関しては、就職後に自分次第で収入アップを目指すことも可能です。

しかし、どのような場合でも、「理学療法士になりたい理由が明確にある」ことがとても大切です。

例えば、自分が怪我をした際に理学療法士にお世話になった、自分の家族が病気のときにリハビリをしてくれたことで回復する様子を見た、といった背景から、理学療法士を目指すこともあるでしょう。そのときの気持ちを忘れずに、真摯に向き合っていければ理学療法士の仕事を楽しめるはずです。

「自分も理学療法士になって人を助けたい」という強い気持ちがあれば、今は苦手なことがあっても、立ち向かうことができるでしょう。

理学療法士はやりがいのある仕事

理学療法士に向いている人は、夢に向かって資格取得まで取り組むしかありません。逆に、「自分は向いていなかったかも」と思ったとしても、学生として学ぶうちに、身についてくるかもしれません。

医療系国家資格の1つである理学療法士は、人の役に立つやりがいのある仕事です。努力が必要ですが、社会で求められる理学療法士を目指して、学びを深めてみてはいかがでしょうか。

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参考

令和4年度賃金構造基本統計調査|厚生労働省
令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁

伊東 浩樹(理学療法士)

伊東 浩樹(理学療法士)

理学療法士として総合病院で経験を積んだ後、予防医療の知識等を広めていくためにNPO法人を設立。その後、社会福祉法人にて障がい部門の責任者や特別養護ホームの施設長として勤務。医療機関の設立や行政から依頼を受けての講演、大学、専門学校等での講師なども勤める。

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