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理学療法士は生活できない?そういわれる理由と解決策について解説

公開日:2024.05.08

理学療法士は生活できない?そういわれる理由と解決策について解説

文:rana(理学療法士)

インターネットで「理学療法士」と検索するうちに、ネガティブなワードを目にしたことがあるかもしれません。「理学療法士になりたいけど、生活ができないって本当?」「このまま理学療法士を続けて、将来性はあるの?」など不安を感じたことがあるのではないでしょうか。理学療法士を目指すにあたり、将来の不安を解消しておくことが大切です。

今回は、現役理学療法士が、理学療法士の現状や将来性などについて解説します。

「理学療法士では、生活ができない」といわれる理由

なぜ「理学療法士は生活できない、将来が不安」といわれているのでしょうか。その理由について、現役理学療法士の視点でまとめました。

昇給が少ない

まず、将来が不安視される点として、給料面があります。というのも、理学療法士は昇給が少ない傾向にあるからです。

理学療法士が病院や施設で行う際のリハビリ料金は、診療報酬や介護報酬などによって1回あたりの金額が決まっています。さらに、1日にリハビリできる人数には上限があり、いくらでも稼げるわけではありません。

そのため、理学療法士1人あたりが稼げる金額には限界があるため、経験年数を重ねても大きく給料が上がりにくいという現状があります。

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飽和状態になりつつある

理学療法士の数は年々増えており、飽和状態にあることも不安視されている理由の1つです。厚生労働省の資料「医療従事者の需給に関する検討会・理学療法士・作業療法士需給分科会」によると、理学療法士と作業療法士の供給数は、2040年には需要数の約1.5倍になると推測されています。

つまり、理学療法士が増えるほど、求められる職場が減ってしまう可能性が高いということです。このような背景からも、理学療法士の将来性が不安視されることもあります。

努力した成果が給料に反映されない

理学療法士として活躍するには、資格取得後も、引き続きスキルアップを続ける必要があります。日々学びながら、経験を積んできたとしても、給料に反映されにくいという一面もあります。

先にもお伝えしたとおり、理学療法士が生み出せる利益は、上限があります。新人とベテランのそれぞれの理学療法士が、同じ時間内でリハビリをしても、患者さんが支払う金額に変わりはありません。

つまり、どんなに知識や技術を磨いたとしても、必ずしも給料アップに直結するわけではないのです。こうした背景から、やりがいを見いだしにくいと感じる理学療法士もいるかもしれません。

「理学療法士の仕事では生活できない」のは本当か?

理学療法士は生活できない?そういわれる理由と解決策について解説

ここまでお伝えしたとおり、理学療法士の仕事にはネガティブな要素もあります。では、本当に理学療法士という仕事は、生活ができないほど大変なのでしょうか。筆者や周りの理学療法士の生活を見る限りでは必ずしもそうとは言い切れません。

理学療法士として働きながら、結婚している、マイホームを持っている、子どもに複数の習い事をさせているといった仲間が、筆者の周りには大勢います。生活できないどころか、多くの場合、特に不自由のない生活を送っている人がほとんどではないでしょうか。

家庭がある場合には、夫婦で共働きしているケースが多いものの、それは理学療法士に限ったことではないでしょう。理学療法士のみの収入で家族を養うには少々大変かもしれませんが、生活ができないというのは少し大げさな表現かもしれません。

理学療法士が生活を安定させるためにすべきこと

一般的な生活を送るには問題ないとしても、施設や病院での勤務のみで高収入を目指すのは難しいでしょう。昇給が少ないという点で、将来に不安を感じるのも無理はありません。

では、理学療法士が生活をより安定させるためには何をすればよいのでしょうか。具体的な方法について紹介します。

転職をする

理学療法士として収入アップを目指すなら、希望する条件に合った職場に転職するのがおすすめです。筆者も収入アップのために転職をして、年収が100万円近く増えた経験があります。

理学療法士の給料は施設によって差が大きいため、より条件の良い転職先が見つかれば生活が安定しやすいでしょう。

ただし、新人のうちに転職しても、スキルが伴わないと判断される可能性があります。まずは、スキルアップに努めながら、転職成功につながる実践経験を積んでいきましょう。

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副業をする

最近では、理学療法士のスキルを生かした副業を始める人も増えています。週末整体、パーソナルトレーナー、セミナー講師など、本業以外の選択肢も広がっています。

そうした副業が、安定した収入につながれば年収アップが期待できるでしょう。ただし、休日や隙間時間を使わなければならないため、疲労対策やスケジュール調整などの考慮が必要です。

■関連記事
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役職に就く

同じ施設に勤めながら、主任や科長といった役職に就くことも、収入アップにつながります。役職に就けば手当が付いたり、基本給が増えたりする可能性が高まります。特に、若手が多い職場や、開業して間もない施設などでは、将来的に役職を狙いやすいかもしれません。役職に就く場合には、マネジメント力も求められるため、若いうちからスキルを磨いておくことをおすすめします。

開業をする

病院や施設に勤務し続けていても、収入アップが期待できないと考えるなら、開業するのも1つの方法です。最近では整体サロンやデイサービス、セミナー団体など、自分で開業する理学療法士も増えています。成功すれば理学療法士では考えられない収入を得られることもあるでしょう。ただし、理学療法士には開業権がなく、理学療法以外での開業を考える必要があります。加えて、開業するには多大な労力が必要であり、リスクが伴うことを理解したうえで検討することが大切です。

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差別化できるスキルを持つ理学療法士が重宝される

理学療法士は生活できない?そういわれる理由と解決策について解説

毎年1万人近くの理学療法士が誕生しており、現状においても、飽和状態に近いといわれています。こうした状況においても、求められる理学療法士、必要とされる理学療法士になるためには、他者と差別化を考えてみてはいかがでしょうか。

雇う側からすると、特出したものがなければ給料が低い若手の方が好都合と判断することもあるでしょう。今後も必要とされる理学療法士になるには、差別化できる自分だけのスキルを磨いていくことが重要です。

筆者の周りには

● 理学療法士×パーソナルトレーナー
● 理学療法士×栄養指導
● 理学療法士×老人施設紹介業
● 理学療法士×シューフィッター
● 理学療法士×自費整体
● 理学療法士×ヨガインストラクター
● 理学療法士×ヘッドスパ
● 理学療法士×セミナー講師
● 理学療法士×体操指導
● 理学療法士×Webライター

など、異なる肩書を持って活動している人が大勢います。
理学療法士の資格にプラスして自分の武器を磨くことで仕事の選択肢も広がり、収入アップにも直結することでしょう。

他にはない武器を持った理学療法士を目指そう

医療業界に限らず、近年では他とは違う「自分の武器」を持った専門家として活躍する人が増えています。理学療法士は医療系の専門家であることに違いありませんが、それに何かをかけ合わせると選択肢が大きく広がります。将来を見据えて、今後も求められる理学療法士を目指し、自分だけの武器を探してみてはいかがでしょう。

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参考

理学療法士・作業療法士の需給推計について|医療従事者の需給に関する検討会・理学療法士・作業療法士需給分科会

rana

rana(理学療法士)

総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

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