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理学療法士の年収の現実は?年収600万を目指す方法や注意点を解説

公開日:2022.01.28 更新日:2024.01.10

理学療法士が年収600万を目指すには?給料アップのポイントと注意点

文:伊東浩樹(理学療法士)
NPO法人 地域医療連繋団体.Needs 代表理事
社会福祉法人もやい聖友会 地域医療連携室 室長

理学療法士を目指して養成校に入学したときは、さまざまな理想や夢を思い描いていたことでしょう。しかし、実際に働いてみると、やりがいはあっても年収に不満を感じることもあるかもしれません。

今回は理学療法士の年収の現実とともに、年収600万円を目指すために取り組みたい給料アップのポイントを詳しく紹介します。

理学療法士の現実は「平均年収約420万円」

厚生労働省は「賃金構成基本統計調査」として、毎年職種ごとの収入を公開しています。2020年(令和2年)の調査結果によると、理学療法士を含むコメディカル(※1)の平均給与額は月額で290,600円。さらに年間賞与などを加えて年収を計算すると4,189,400円(※2)でした。

そのため、大まかな目安として平均年収は約420万円となります。

※1:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士が含まれる
※2:平均勤続年数6.5年、平均年齢33.9歳の数値

【年代別】理学療法士の平均年収

平均年齢
(歳)
勤続年数 きまって支給する現金給与額
(月額)
年間賞与 その他特別給与額
(年額)
平均年収
20-24歳 23.5 1.5 24.3万円 39.1万円 330.8万円
25-29歳 27.4 3.8 26.1万円 66.2万円 380.0万円
30-34歳 32.5 5.9 28.6万円 67.0万円 409.7万円
35-39歳 37.4 8.7 30.9万円 82.9万円 454.0万円
40-44歳 42.5 10.2 33.4万円 84.7万円 485.8万円
45-49歳 47.3 11.9 35.1万円 92.5万円 513.2万円
50-54歳 52.4 16.1 38.8万円 107.6万円 573.6万円
55-59歳 57.2 18.2 38.5万円 104.9万円 566.4万円
60-64歳 62 16.1 31.7万円 65.0万円 445.9万円

※理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士を含む数値
※平均年収=きまって支給する現金給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給与額
※百円単位四捨五入
参照:令和2年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

もっとも平均年収が高いのは50-54歳の約570万円で、全体のピークとなっています。ただし、この数値は理学療法士だけの結果ではなく、また職場によっても条件は異なります。

2016年に日本理学療法士協会が行った調査によると、医療機関に勤務するリハビリ職の平均年収は474万円、福祉施設では419万円と年収差があり、医療機関で働く理学療法士の方が約55万円ほど年収が高い結果となっていました。

参考:理学療法士を取り巻く状況について~第一回検討会の議論を踏まえた追加データを中心に~(日本理学療法士協会)

一般の年収はいくら?給与所得者全体の平均給与は433万円

国税庁が行った「令和2年分民間給与実態統計調査」では、給与所得者全体の平均給与は433万円と報告されています。全体の平均と比べてみると、理学療法士の年収は一般よりもやや低いことがわかります。

参考:令和2年分 民間給与実態統計調査|国税庁

とはいえ、給与所得者全体となる平均年齢は不明であり、また、高収入の人も含んだものです。平均だけを比較すれば、理学療法士として約9年勤務し、30代後半を迎えたときには給与所得者全体の平均年収を超えています。

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理学療法士に年収600万円は可能か?目指すなら工夫や努力が必要

理学療法士が年収600万を目指すには?給料アップのポイントと注意点
理学療法士としての年収が高いか、低いかは人によって考え方が異なります。なかには自分の働きと年収が見合っていないと感じる人や、もう少し年収をアップさせたいと思う人もいることでしょう。

しかし、先にも示したように平均年収がもっとも高い50代前半でも約570万円で、年収600万円には届いていません。

では、実際に理学療法士が年収600万円を目指すことは可能なのでしょうか?

結論からいうと年収600万円は可能な金額であり、筆者の周囲にも高収入の理学療法士は存在します。ただし、平均年収よりも約200万円高い金額を目指すとなれば、ある程度の工夫や努力が必要です。

理学療法士が年収600万円を目指すためにできること

理学療法士が年収600万円を目指すためには、いくつかの方法があります。年齢や職場によっても異なりますが、以下を参考に取り組んでみましょう。

①勤務先での昇給を目指す

福利厚生が充実している病院などでの勤務を継続すれば、高収入を目指せる可能性があります。勤続年数に伴った昇給で、月給や賞与が増額されれば年収アップになるでしょう。

また、医療機関、福祉施設いずれにおいても、単純に年数経過を待つのか、主任や課長などの役職を目指すのかによっても年収にも差が出ます。役職手当を見込んだ年収アップを目指すなら、周囲から認めてもらえるように自己研鑽を怠らないことが大切です。

②副業をする

勤続15年以上、50代となれば、平均年収の約570万円を目指せます。約600万円に近い数字であり、この時期にプラスαの収入があれば、目標到達も可能でしょう。そこで考えたいのが副業です。

現状の勤務先でベースとなる年収を維持しながら、副業を行うことで収入アップにつながります。外部で体操教室の講師として活動したり、大学などの非常勤講師などの副業を行ったりするほか、専門的な知識を持つライターや講演家、研修講師などの副業があります。

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③起業する

50代まで待つのではなく、もう少し早い段階で年収アップを目指す場合、理学療法士としての経験を活かしながら起業を考えるのもひとつの方法です。これまで培ってきた周囲とのつながりから、福祉用具などの販売を行ったり、全く別分野で起業したりすることで、年収アップが期待できます。

ただし、しっかりとした計画性と開業資金が必要であり、経営力によって収入が左右されるため、自身の努力が求められます。場合によっては、かえって年収が下がる可能性もあります。

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④転職をする

基本給与や賞与額が高い医療機関や福祉施設、企業などに転職するのもひとつの方法です。今までの経験を認めてもらえれば、転職時に年収を交渉できる可能性があります。

現状の勤務先で昇給が見込めなかったり、手当が少なかったりする場合には、転職を考えてもよいでしょう。自身での交渉に不安がある場合には、転職エージェントを頼るのもおすすめです。

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年収アップを目指す上で注意すべきこと

理学療法士が年収600万を目指すには?給料アップのポイントと注意点
さまざまな取り組みによって年収アップは可能ですが、いずれの場合も明確な目標と計画性を持って実施することが重要です。計画性がないまま、目先の収入だけを考えて起業しても、かえって心身への負担が大きくなったり、見込んだ収入が得られなかったりするかもしれません。

また、副業をするとしても忙しすぎて本業に支障が出てしまうようでは、最悪の場合、目の前の患者さんに対して誠実な対応を欠いてしまうこともあるでしょう。年収アップだけを目的としていると、やりがいを失ってしまう可能性もあります。

まずは自分の現状と向き合い、本当にやりたいことを考えてみましょう。将来設計を考えながら、目の前のことからしっかりと整理していくことが大切です。

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伊東 浩樹(理学療法士)

伊東 浩樹(理学療法士)

急性期総合病院に勤務していた際に地域医療の重要性を感じ、地域住民に医療を身近に感じてもらうため、友人の医師らとNPO法人を設立する。その後、医療だけではなく福祉を学ぶため社会福祉法人にて勤務し現在は障害福祉の分野で活動している。その他、一般企業や大学などの講師、フリーライターとしても活動中。
【勤務先】社会福祉法人もやい聖友会 / 障害福祉部門統括責任者,地域医療連携室室長
【所属】NPO法人 地域医療連繋団体.Needs / 代表理事
合同会社 ファミリーヘルス / 業務執行社員

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