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理学療法士の給料は安い?年収の相場と収入を上げる方法

公開日:2021.06.28 更新日:2024.01.11

理学療法士の給料は安い?実際の相場と給料アップのポイント

文:rana(理学療法士)

「理学療法士の給料は割に合わない」「給料が上がらなくて将来が不安だ」と考える人もいることでしょう。確かに他の医療職と比べると、理学療法士の給料は安いと感じることがあるかもしれません。では、実際のところどうなのでしょうか。

今回は理学療法士の給料の実際と、給料をアップさせるポイントについて解説します。

理学療法士の平均年収は約410万円、一般社会人の平均年収と比較すると?

理学療法士の給料は、他と比べて本当に安いのでしょうか。まずは、理学療法士の平均年収と一般社会人を含む全体の平均年収を比べてみましょう。

理学療法士の平均年収

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」 によると理学療法士、作業療法士を合わせた平均年収は、409.6万円(平均年齢33.3歳、平均勤続年数6.2年)となっています。

<理学療法士・作業療法士全体の年収・平均年齢・勤続年数>

年収 平均年齢 平均勤続年数
409.6万円 33.3歳 6.2年

※理学療法士・作業療法士全体は、男女の平均値
※決まって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額
※作業療法士を含めた平均年収
参照:職種別第1表 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|令和元年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

続いて男女別に見ると、年収や賞与平均はやや男性の方が高い傾向です。年齢別の平均年収のデータもいっしょに見ていきましょう。この年収から税金などを差し引かれた額が手取りの給料となります。

<理学療法士・作業療法士全体の年収・賞与平均>

年収 賞与平均
男性 422.2万円 65.54万円
女性 394.3万円 63.55万円
30~34歳 35~39歳 40~44歳
PT・OT全体 405.25万円 441.3万円 471.2万円
PT・OT(男性) 423.4万円 468.3万円 489.0万円
PT・OT(女性) 387.1万円 414.3万円 453.4万円
45~49歳 50~54歳
PT・OT全体 495.5万円 536.1万円
PT・OT(男性) 510.9万円 582.1万円
PT・OT(女性) 387.1万円 414.3万円

※理学療法士・作業療法士全体は、男女の平均値
※決まって支給する現金×12+年間賞与その他特別給与額
※作業療法士を含めた平均年収
参照:職種別第2表 職種・性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額|令和元年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

一般社会人を含む全体の平均年収

では次に日本人の平均年収をみてみましょう。これをみると理学療法士の平均年収は、一般的な数値と比較してもそれほど低くないことがわかります。

30~34歳 35~39歳 40~44歳
一般全体 442.9万円 478.0万円 512.9万円
一般男性 498.6万円 557.3万円 606.3万円
一般女性 387.2万円 398.7万円 419.5万円
45~49歳 50~54歳
一般全体 541.0万円 570.0万円
一般男性 654.9万円 708.8万円
一般女性 427.2万円 430.4万円

※一般全体は、男女の平均値
※企業規模計(10人以上)
※学歴計
※決まって支給する現金×12+年間賞与その他特別給与額
※100円単位を四捨五入
参照:第1表 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額|令和元年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

前項の表と比べてみると、民間企業に勤める日本人の年収は年齢とともに給料が上がる傾向ですが、男性理学療法士は民間男性と比べて昇給が少なく、女性理学療法士は民間女性と比べて昇給率が高いことがわかります。

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他の医療職の平均年収は?PT・OTとの比較

では、他の医療職の平均年収と比較するとどうなるでしょうか。こちらも厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」 によると、他の医療職の平均年収は次の表のようになっています。

平均月収 賞与を加えた
平均年収
平均年齢 平均勤続年数
理学療法士
作業療法士
約29万円 約410万円 33.3歳 6.2年
看護師 約33万円 約483万円 39.5歳 8.2年
薬剤師 約40万円 約562万円 39.4歳 7.9年
放射線技師 約35万円 約502万円 38.9歳 10年

参照:職種別第1表 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|令和元年賃金構造基本統計調査

平均年齢や勤続年数の違いはありますが、医療職のみで比較すると理学療法士の平均年収410万円は他職種よりも安いことがわかります。

なぜ理学療法士の給料が安いのか?考えられる3つの理由

日本人全体の平均年収と比べては、理学療法士の給料はそれほど安いとは言えません。しかし、同じ医療職と比べると、収入格差が見えてしまいます。その理由として、主に以下の点が挙げられます。

①診療報酬点数が決まっているため、年齢や経験年数、役職が違っても収入に反映されにくい
②リハビリ点数は、1単位20分と時間で決まっており、さらに一日の単位数に上限がある。そのため、コストパフォーマンスが悪い。他の医療職は一つの処置や処方で複数の点数が計算される
③理学療法士の数が増えており、需要と供給バランスが悪くなっている

このような背景から、理学療法士は同じ国家資格を持つ医療職の中でも、給料が安い方に分類されてしまうのです。

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理学療法士が年収を上げるには?4つの選択肢から検討しよう

理学療法士の給料は安い?実際の相場と給料アップのポイント
理学療法士はただ長く働いているだけでは、思ったように年収が上がりにくいのが現状です。ではどうすれば、年収アップにつながるのでしょうか。年収を上げる主な4つの方法についてまとめました。

(1)副業をする

最近では、働き方改革により副業を許可している施設も増えてきていますが、禁止としている施設もまだまだ多い印象です。職務規定で副業禁止になっていれば副業はできないので、職場に確認をしてから始めるようにしましょう。

理学療法士ができるおもな副業としては「他施設での非常勤勤務」「セミナー講師」「パーソナルトレーナー」「ライター」などが挙げられます。

副業で収入が得られれば、確実に年収アップすることでしょう。ただし、休日や隙間時間を削って働くことになるため、身体的な負担がかかることを考慮しなければなりません。

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(2)開業をする

理学療法士は基本的に開業権がありません。ですが、医療行為である理学療法を提供しないのであれば、独立して事業を行うことが可能です。

最近では、自分で施術サロンを開業したり、デイサービスを立ち上げたりする理学療法士も増えています。上手く軌道に乗れば、雇用されているより稼げるかもしれません。ですが、自身での開業は金銭面でのリスクも大きく、経営の持続は容易ではないことを念頭においておく必要があります。

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(3)役職に就く

科長や主任といった管理職に就くと、役職手当がついたり、昇給したりして年収アップが期待できます。ですが、誰でも管理職に就けるわけではなく、それなりの成果を上げる必要があります。

また、自分より経験年数の高い理学療法士が多く所属している施設では、役職に就ける可能性が低いかもしれません。

(4)転職をする

理学療法士の給料は、施設によって金額に幅があります。現在の年収に満足がいかない場合は、転職をして年収アップを目指すのも有効な手段です。

最近、訪問リハビリでは歩合制を導入している施設が増えており、件数を多くこなせば年収が上がる可能性があるでしょう。 ただし、転職で年収アップを図る際は、基本給だけでなく、各種手当や保険料なども含めた額を想定することが重要です。

「転職活動をする時間がない」「自分にあう職場がわからない」そんなときは転職サポートを利用するのもひとつの手です。

>>【利用無料】マイナビコメディカルの転職サポートとは

給料をアップさせるには自ら行動を起こすしかない

理学療法士の給料をアップさせるには、ただ勤続年数を重ねていくだけではなく、何かしらの行動を起こす必要があります。

今働いている施設でキャリアアップを目指すのか、転職をするのか、それとも新たに副業を始めるのか、選択肢は一つではありません。

将来を見据えて、自分のライフスタイルに合った収入アップの方法を模索してみてはいかがでしょうか。

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rana 理学療法士
理学療法士として総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。
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