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理学療法士の将来性は?増えすぎ・飽和と言われる理由と今後の需要

公開日:2021.06.10

理学療法士の将来性

文:rana(理学療法士)

理学療法士は年々増えてきており、「仕事がなくなってしまうのではないか」と、将来性に不安を感じる人もいるかもしれません。

確かに毎年1万人前後の理学療法士が誕生し、今後も増え続けることを考えると競争率が上がることが予想されます。そうしたなかでも、求められる理学療法士になるためにはどうすればよいのでしょうか。

今回は、理学療法士の将来性について、現状と今後必要とされる人材についてお伝えします。

理学療法士は増えすぎ?国試の合格者は毎年1万人前後

まずは現在の理学療法士を取り巻く環境についてみていきましょう。

理学療法士の国家試験合格者の推移

先にもお伝えしたように、毎年1万人前後の理学療法士が増えています。厚生労働省が公開している「理学療法士の国家試験合格者数」は以下のとおりです。

2021年「第56回理学療法士国家試験」の合格者数・合格率

累計すると2021年には約19万人の有資格者が存在する状況です。10年前の2011年の累計数は9万人程度であることを考えると、10年で理学療法士の数は倍になっており、このことからも増加傾向にあることがうかがえます。

理学療法士の養成施設はゆるやかに増加している

続いて、理学療法士の養成施設数の推移をみてみましょう。

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
4年制大学 105 106 111 115
短期大学 6 6 6 9
専門学校 152 149 148 148
合計 263 261 266 276

参考:公益社団法人 日本理学療法士協会

理学療法士の養成校数の累計を見ても、緩やかではあるものの増加傾向にあります。なかでも4年制大学の数が増えています。

理学療法士の年齢分布と平均年齢

理学療法士の年齢分布と平均年齢はどうでしょうか。2021年3月末の時点で「日本理学療法士協会」に登録している理学療法士の割合からみてみましょう。

年齢区分 男性会員数 女性会員数
21-25 12,466 9,391
26-30 18,600 12,811
31-35 17,334 9,911
36-40 11,150 7,421
41-45 8,486 5,736
46-50 5,409 3,048
51-55 2,786 1,648
56-60 1,682 795
61-65 622 127
66-70 270 39
71-75 113 10
76以上 62 8
平均年齢 34.8 33.8

参考:公益社団法人 日本理学療法士協会

理学療法士の平均年齢は男女ともに30代前半となっています。20代、30代の理学療法士数は男女合わせると、10万人ほどとなっており、全理学療法士数の半分以上を占める割合となっています。

理学療法士の定年は?何歳まで働けるのか

理学療法士は20代~30代が多くを占めていますが、実際に何歳まで働くことができるのでしょうか。「理学療法士・作業療法士の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(2017年度厚生労働科学特別研究「医療従事者の需給に関する研究」研究班)の結果をもとに、年齢別の勤務時間についてみてみましょう。

20代 30代 40代 50代 60代
男性 44 44.4 44.7 44.4 38.7
女性 43.8 43 43.7 43.8 40

上記を見ると、20代から定年を迎える60歳まで、勤務時間に大きな差はありません。そのため、定年を迎える60歳まで、若い時と変わらずに勤務できることがわかります。

ただし施設にもよりますが、50代の理学療法士の多くは管理者や教育者であることがほとんどです。

将来的に今の20代30代が50代を迎える頃には、理学療法士の数もかなり多くなり、競争も激しくなることが予想されます。誰もが管理者や教育者になれるわけではないことを、念頭に置いておかなければなりません。

2040年には飽和?PT・OTの供給数が需要の1.5倍という予測

理学療法士の有資格者が増加するにあたり、実際に、将来的な不安が指摘されています。

こちらも厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会・理学療法士・作業療法士受給分科会」によると、理学療法士と作業療法士の供給数は、2040年には需要数の約1.5倍になると推測されています。つまり、理学療法士、作業療法士の数が増えても必要な施設には限りがあるため、今後、需要が減る可能性があるという指摘です。

医療系の国家資格を取得していても、これまでのように働き口が簡単に見つからなくなり、就職先の奪い合いになることも予想されます。需要と供給のバランスが崩れる今後に向け、理学療法士は生き残るための準備をしておく必要があります。

数十年後も必要とされる理学療法士になるために

今後必要とされる理学療法士になるために
現状、理学療法士という資格自体は、年齢や学歴、国家試験の点数などに関係なく皆一律と認識されます。しかし、今後、需要が減少する中で生き残るには、何かに特化した自分の武器を持つことが必要でしょう。具体的に今からできる対策例を紹介します。

認定理学療法士・専門理学療法士を取得する

認定理学療法士、専門理学療法士等の資格を取得して、自らの専門性を高めることで、他者との差別化につながります。

両者とも、日本理学療法士協会が指定するカリキュラムをこなし、必要な試験に合格することで取得が可能です。認定理学療法士は臨床的な技能やスキル、専門理学療法士は学問的な発展に寄与する研究能力を有していることの証になります。

他の資格を取得する

自分のスキルアップとして他の資格を取得することで、臨床の幅を広げる方法もあります。具体的な資格の例として、「福祉住環境コーディネーター」や「健康運動実践指導者」「シューフィッター」「義肢装具士」「ケアマネージャー」などが挙げられます。理学療法士の資格と併用して臨床に生かすことで、個人の強みにすることができるでしょう。

特異な分野を極める

臨床の中において特定の分野を極めることで、自分の武器として活用することも良い方法でしょう。例えば、インソール、テーピング、ウィメンズヘルス、呼吸リハ、心リハなどに特化する方法があります。こうして特定の分野を極め、武器にすることで、「この症例はあの人に任せよう」と医師や同僚、また患者さんからも信頼される存在になるでしょう。

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起業する

理学療法士は医師の指示のもとで理学療法を提供することを認める資格であるため開業権がありません。しかし、理学療法を提供しなければ自身で起業することが可能です。最近では、施術サロンや整体院、デイサービスを開業する理学療法士も増えています。

また、講師として著名になり、セミナー団体を立ち上げて活躍する人もいます。上手く軌道に乗れば、雇用されているよりも稼ぐことができ、長く働けるかもしれません。ただし、起業するには金銭的なリスクを伴い、経営を続けていくことは簡単ではないことを知っておかなければなりません。

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将来を見据えて、必要とされる理学療法士に

理学療法士が増え続け、需要が供給を上回ってしまうのは避けられない事実でしょう。ですが、今後高齢化社会を迎える中でも、理学療法士が担える役割は数多くあります。

また高齢者だけでなく、身体や健康に関する社会のニーズが今後多様化していくことも十分に考えられます。将来性を考えるうえでは現状を把握すると同時に、自身のスキルアップを図ることが大切です。求められる理学療法士になるために、知識や技術を磨きながら、将来への準備を進めましょう。

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rana 理学療法士
理学療法士として総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

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