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開脚できるようになるストレッチ5選!体が固い人も股関節が柔らかくなる方法とは

公開日:2024.06.02 更新日:2024.06.04

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文:加藤 小百合(自律神経専門パーソナルトレーナー)
画像提供:服部 恵実

「180度開脚」を見て、チャレンジしたいと憧れる人は多いのではないでしょうか。股関節は固くなると痛みや違和感を生じるだけでなく、猫背や腰痛、つまずきやすくなるなどさまざまな不調を引き起こすこともあります。しかし、無理なストレッチはかえって股関節を痛めるおそれもあるため、注意が必要です。

そこで今回は、股関節が固い初心者でも無理なく簡単にできる、気持ちよいストレッチを紹介します。開脚ストレッチのコツやメリット・デメリットもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。

股関節が固いとどうなる?

長時間の座り姿勢や立ったままの体勢、運動不足が続くと、股関節はどんどん固くなってしまいます。股関節が固くなることによるデメリットは主に7つです。

・姿勢が崩れる
・太りやすくなる
・疲れやすくなる
・股関節に痛みが出る
・肩こりや腰痛、膝痛につながる
・下半身の冷えやむくみにつながる
・歩幅が狭まり、つまずきやすくなる

とくに長時間椅子に座っていると股関節の前側が圧迫され、体幹と股関節をつなぐ腸腰筋(ちょうようきん)が短く、固くなります。慢性化すると猫背やO脚・X脚など姿勢の悪化や体の歪みを招き、肩こりや腰痛、ひざの痛みを引き起こすこともあります。

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また股関節前側にあるリンパ節が詰まると、老廃物をうまく排出できずに滞り、代謝が悪くなって下半身のむくみや冷えにもつながります。反対に股関節が柔らかくなるとさまざまなメリットがあるため、可動域を広げるストレッチはおすすめです。

開脚ストレッチのメリット

開脚ストレッチにより、期待できる主な効果は以下の5つです。

・姿勢が良くなる
・太りにくくなる
・下半身の冷えやむくみが改善する
・けがの予防になる
・股関節や腰・ひざの痛みを予防、改善する

順に解説していきます。

姿勢が良くなる

股関節周辺の筋肉が固くなり偏った姿勢で固まってしまうと、骨盤が歪み、姿勢の悪化を招きます。

股関節の柔軟性を高めて、歪んだ骨盤を本来あるべき位置に導くことで、上半身の姿勢を正しく保つのが楽になるでしょう。その結果、猫背やO脚・X脚など姿勢や体の歪みの改善が期待できます。

太りにくくなる

体の歪みは脂肪や筋肉の付き方に影響するため、姿勢が改善することで、ぽっこりおなかの解消につながる可能性があります。

股関節の可動域が広がると動きやすくなり、自然に活動量が増えることで太りにくくなるはずです。

下半身の冷えやむくみが改善する

脚のつけ根には血管やリンパが集中しているため、股関節を動かすことで血流やリンパの流れが良くなり、下半身の冷えやむくみの改善につながります。

また老廃物を排出しやすくなり、疲れにくくなるメリットも期待できます。

けがの予防になる

股関節が固くなると歩幅が狭くなり、つまずきやすくなります。なめらかに動く股関節は全身の動きをスムーズに導き、運動でのパフォーマンスアップやつまずきにくくなることによる転倒予防など、けがの予防にも役立つでしょう。

股関節や腰・ひざの痛みを予防、改善する

股関節はあらゆる方向に動かせる「球関節」ですが、日常生活では脚を前に上げる「屈曲」の動作がほとんどで、意識して動かさない限り筋力や可動域に偏りが出るのが普通です。

股関節まわりの筋力や可動域の左右差が大きいと、姿勢が崩れてほかの関節にかかる負担が増え、腰痛やひざの痛みにつながりやすくなります。

筋力や可動域は、何もしないと加齢とともに低下しますが、適切に動かすことで改善するケースも少なくありません。正しいストレッチで、まんべんなく動かせるようにしていきましょう。

開脚できるようになるためのストレッチ5選

開脚ストレッチのメリットをお伝えしましたが、180度開脚など柔軟性を追い求めるあまり無理をして、股関節痛に悩まされている人もいます。決して頑張りすぎず、気持ちよいと感じる範囲で行うことがポイントです。
まずはどのくらい開脚できるのか、確認してみましょう。

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「開脚前屈」を行う場合、つま先を天井に向け(左の写真ではなく、右の写真のように)股関節から前に倒すようにします。

ここからは、股関節が固い初心者でも無理なくできる、簡単なストレッチを5つ紹介します。

①お尻のストレッチ
②腿の前側ストレッチ
③股関節回し
④股割りストレッチ
⑤片脚開脚ストレッチ

次の3点に注意しながら行ってみましょう。

・呼吸を止めない
・反動をつけない
・痛みがなく気持ちよい範囲で行う

①お尻のストレッチ

”お尻のストレッチ“/

1.仰向けで左足を右の腿の上にのせます。
2.右の腿を引き寄せ20~30秒キープします(手はすねでも腿でもどちらでもOK)。
3.反対側も同様に行います。
※2がつらい場合は、1の体勢で呼吸するだけでも構いません。

②腿の前側ストレッチ

1.下の腕を頭の下、上の手は体の前につき、両ひざを曲げておきます。

”腿の前側ストレッチ“/

2.上の足の甲を上の手で持ち、かかとをお尻に近づけ、上のひざを後方に引き20~30秒キープします。

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3.反対側も同様に行います。
※腰が痛い場合、下のひざを胸に近づけてください。

③股関節回しストレッチ

1.横向きになり、下の腕に頭をのせ、ひざと股関節を曲げます。

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2.上の足をつけたままひざを天井の方に向けて開きます。

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3.開いたひざを下ろして足を天井の方に向けて開きます。

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4.5回ずつ行ったら、ひざで大きく円を描くように3回まわし、反対まわりも行います。つらい場合はひざを曲げたまま行ってもOKです。
5.反対側も同様に行いましょう。
※骨盤をなるべく安定させて行ってください。

④股割りストレッチ

1.痛みのない範囲で脚を広めに開いてつま先とひざを外に向け、両ひざの内側に両手を置き、腰を落とします。

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2.右手で右ひざを外に開くようにして、右肩を前に出し息を吐きます。

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3.吸う息でゆるめて1に戻り、吐きながら反対側にひねります。左右5回ずつ行いましょう。
※体勢がつらい場合は、椅子に浅く腰かけて行ってください。

⑤片脚開脚ストレッチ

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1.片脚をあぐら、反対の脚を横または斜め前に伸ばし、手を楽な位置に置きます。

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2.脚を曲げた側の手を天井方向に伸ばし、反対側の真横へ腕を伸ばして20~30秒呼吸します。

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3.お尻が床から浮かない範囲で、上半身を前傾させて息を吐きます。

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4.吸う息で腕を後ろの方へ伸ばします。

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5.前後3回ずつ行ったら、お尻が浮かない範囲で腕を3回まわし、反対まわりも3回行います。
6.反対側も同様に行いましょう。
※骨盤が後ろに倒れてしまう方は、座布団などでお尻を高くして行ってください。

一度でも十分ですが、余裕があれば2~3セット繰り返し行い、最後にストレッチ前の状態と比べてみましょう。

筋肉の柔軟性は日常生活の姿勢による影響も大きく、個人差があります。効果を感じられない場合は、トレーナーなど専門家に見てもらうのもおすすめです。

開脚ストレッチのコツと注意点

開脚ストレッチを行う際のコツと注意点は以下の3つです。

・絶対に無理をしない
・いろいろな方向に動かす
・毎日少しずつ動かす

順に説明していきます。

絶対に無理をしない

開脚により急激に強い負荷を加えると、筋肉や靭帯、腱(けん)を痛めるおそれもあるため、絶対に無理はしないでください。

筋肉は無理に伸ばそうとすると安全センサーのようなものが働き、収縮する仕組みがあります。負荷をかけるほど伸びるというわけではありません。とくに反動をつけるストレッチは、そのセンサーが働く前に筋肉を引っ張りすぎてしまい、負荷が強くなりすぎる可能性があります。

またけがの予防のためにも、筋肉が温まっている運動後や、お風呂上がりなどに行うことをおすすめします。

いろいろな方向に動かす

股関節はあらゆる方向に動く「球関節」のため、バランスよくいろいろな方向に動かすことが大切です。

とくに運動不足で体が固い人は、ストレッチにより意図的に筋肉を「動かす」ことを意識しましょう。筋肉を動かすことで血流が良くなると、可動域が広がりやすくなり、より効率的に柔軟性を高めることができるでしょう。

毎日少しずつ動かす

股関節が固くならないようにするためには、長時間同じ体勢が続くことを避け、こまめに歩くことを心がけましょう。股関節が固くなる原因はさまざまですが、運動不足や座りすぎによる影響が大きいと言われているからです。

ストレッチは一度で改善が見られることもありますが、やめてしまうとすぐに元の状態に戻ってしまいます。根本的な改善のためには、できるだけ毎日継続する習慣を身につけてくださいね。

まとめ

今回は、股関節が固い初心者でも無理なくできる、簡単なストレッチを紹介しました。股関節の固さはストレッチである程度改善できますが、無理をしたり間違ったやり方をすると、かえって股関節を痛める危険もあります。
筋肉や関節の柔軟性は個人差が大きいため、気持ちよいと感じる範囲で頑張りすぎないことが大切です。長時間同じ体勢が続くことを避け、固くなる前にこまめに体を動かしていきましょう。

加藤 小百合

フィットネスクラブ、カルチャーセンター、医療機関などでピラティス、ヨガ、気功、ウォーキング指導など運動指導歴20年以上。鍼灸整骨院と産前産後の整体施術もあわせ、のべ3万人以上をサポート。パーソナル指導のほか企業研修講師として目の疲れ、首・肩こり、腰痛改善セミナーも行う。体も心も整うセルフケアを中心にWebライターとしても活動中。

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