【前ももストレッチ】自宅で行えるハリを簡単に解消する方法を専門家が解説
公開日:2024.09.10
文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)
あなたは「前腿が張りやすい」「前腿がパンパンになるのを改善したい」とお悩みではないでしょうか。前腿が張ると感じている部分の正体は「大腿四頭筋」という筋肉です。また「大腿四頭筋」が張る原因は前腿にあるとは限らず、他の部位が上手く使えていないことによる結果の場合が多いのです。当記事では、前腿が張る要因とそれを解決するためのストレッチ&トレーニングを紹介します。あなたの前腿のハリを解決するためにお役立ていただけますと幸いです。
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前腿が張る原因とは?解剖学をもとに解説!
前腿のハリは、運動を積極的に行なっている方から長時間に渡り座っていることが多いデスクワーカーまで様々な方に起こります。しかしその原因は人によって異なります。そのため前腿のハリを解決するためには、まずはその原因について解剖学的に解説をします。
大腿四頭筋の過活動
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は、太ももの前面にある大きな筋肉で、前腿のハリの正体はこの大腿四頭筋であることがほとんどです。
ランニングやバスケ、サッカーなどで大腿四頭筋が過剰に使われることで、筋肉が緊張し、前腿に張りを感じることが多いでしょう。
腸腰筋の不活動
腸腰筋(ちょうようきん)は、骨盤と太ももの骨を結ぶ筋肉です。股関節を曲げる(屈曲する)働きなどがあります。この腸腰筋が使えないことで、同じ股関節を曲げる働きを持つ大腿四頭筋が過活動になることがあります。その結果、前腿のハリに繋がるのです。
デスクワークなどで長時間に渡り座っていることが多い方や姿勢が悪い方などは、腸腰筋が使えていないことが多いでしょう。
ハムストリングスの不活動
ハムストリングスは、腿の裏にある筋肉です。足を後ろに下げたり(股関節伸展)、膝を曲げる働きを持ち、大腿四頭筋と拮抗する筋肉でもあります。
筋肉には相反抑制(そうはんよくせい)という、「ある筋肉が働くと、その拮抗する筋肉は緩む」という性質があります。この性質があることで、筋肉を傷めず関節を円滑に動かすことができます。
前腿のハリに関してもこの相反抑制が関連しています。つまりハムストリングスが使われないと、拮抗する大腿四頭筋が過剰に使われ、その結果として前腿が緊張しハリを引き起こすのです。
運動不足や座っている時間が長い方は、ハムストリングスが弱くなっているケースが多いです。
股関節のアライメント不良
股関節のアライメント(骨の位置)が悪いと、股関節周りの筋肉バランスが崩れます。その結果、先ほど解説した大腿四頭筋や腸腰筋、ハムストリングスなどのバランスが乱れるため、前腿のハリに繋がる可能性があります。
特に女性は股関節のアライメントが悪くなっている方が多いので、お尻の筋肉(股関節外旋筋や大臀筋)や内腿の筋肉(股関節内転筋群)などのバランスを整えることがポイントです。
【前腿のハリ解消】自宅でできる簡単ストレッチ3選
それでは原因がわかったところで、前腿のハリを解消するストレッチを紹介します。自宅で横になりながら誰でも行えるものなので、ぜひ一緒に取り組んでみてください。
大腿四頭筋ストレッチ(仰向け)
前腿ハリの正体である大腿四頭筋のストレッチを行いましょう。まずは仰向けの姿勢で行いますが、膝が痛い方は無理せず別の方法で行なってみてください。
⒈床に仰向けに寝ます。
⒉片膝を曲げて胸に引き寄せましょう。反対の脚はまっすぐ伸ばします。
⒊反対側も同様に行います。
大腿四頭筋ストレッチ(横向き)
次に、大腿四頭筋のストレッチを横向きで行います。横向きは姿勢を保つのが仰向けより難しいかもしれませんが、自分のできる範囲を調整しながら行いたい方はこちらがおすすめです。
⒈床に横向きに寝ます。
⒉上側の足首を手で掴み、かかとをお尻に引き寄せます。腰を前に押し出すようにして、前腿を伸ばします。この時、腰は反らないように注意しましょう。
⒊反対側も同様に行います。
大腿筋膜張筋ストレッチ
大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)は、太ももの横にある筋肉です。この筋肉も股関節の筋バランスが乱れていると張りやすい筋肉です。また大腿筋膜張筋の緊張が高まると、股関節のアライメントにも影響を与えるため、長さを確保したい筋肉でもあります。
⒈仰向けに膝を立てて寝ます。
⒉右足を左の太ももの上にのせます。
⒊右足を左足に引っ掛けたまま、足を右側に倒します。
⒋反対も同様に行います。
【合わせてやると効果大】前腿のハリを予防するトレーニングを解説!
冒頭で説明したように、前腿のハリの原因は腸腰筋やハムストリングスの弱さ、股関節のアライメント不良などが影響しています。よってその原因を解決していくことが重要です。以下にトレーニングを紹介しますので、ストレッチと合わせて取り組んでいきましょう。
ブリッジエクササイズ
ブリッジエクササイズではハムストリングスや大臀筋を使います。大腿四頭筋のストレッチも行えるので、とても効果的なエクササイズです。
⒈仰向けで寝ましょう。足の幅は拳1個分です。
⒉骨盤の前を自分の方に向けながらお尻を持ち上げます。
⒊膝から肩までが一直線になるようにキープです。
⒋繰り返し実施しましょう。
腸腰筋エクササイズ
次に腸腰筋のエクササイズを紹介します。前腿のハリを感じている方の多くは、腸腰筋が使えず大腿四頭筋を過剰に使っている方が多いです。そのため大腿四頭筋の活動を抑え、腸腰筋が使える姿勢(股関節を深く曲げる姿勢)でエクササイズを行なっていきましょう。
⒈仰向けで寝ましょう。足の幅は拳1個分です。背中の下は手の平一枚分のスペースを保ちます。
⒉足を床から持ち上げ、股関節、膝関節90度の位置でキープします。この時、骨盤が反ったり丸くなったりしないように、背中の下は手の平一枚分のスペースを保ったまま行いましょう。
⒊できる方は太ももに手を置き、足の方向に向かって抵抗を加えます。この時、股関節の位置が変わらないようにキープしましょう。
クラムシェル
股関節のアライメント不良を改善するエクササイズです。多くの方は股関節が内側にねじれて(内旋して)いるため、ここでは股関節外旋筋を鍛えるエクササイズを紹介します。
⒈横向きで寝ましょう。股関節、膝関節は90度に曲げます。
⒉両かかとを合わせたまま、上の脚の膝を開きます。この時、骨盤の位置が変わらないようにキープしましょう。
⒊繰り返し実施します。
まとめ
今回は、前腿ハリの原因や解決するための対処法について解説しました。
前腿ハリの原因は様々ですが、ほとんどの方が座りすぎや運動不足による腸腰筋やハムストリングスの弱さが影響しています。そのため、日々の生活習慣の改善やセルフトレーニングを取り入れることで軽減する可能性は十分にあります。そのためにも、ぜひ当記事を参考にしていただけたら幸いです。

服部 恵実
大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_
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