筋トレの消費カロリーはどのくらい?計算方法や効率的に痩せるポイントをご紹介
公開日:2024.10.21
文:内藤 かいせい(理学療法士)
筋トレをするときに、どのくらいのカロリーを消費できるのか気になる方も多いのではないでしょうか。トレーニングによるカロリー消費量を知るためには、「METs」を活用した計算方法を把握することが大切です。
この記事では、筋トレの消費カロリーの計算方法と、効率的に痩せるためのポイントについてご紹介します。筋トレによる消費カロリーの目安を知ることで、今後のダイエットの指標となるでしょう。
目次
筋トレの消費カロリーの計算方法は?
筋トレによる消費カロリーは、以下の計算式で求められます。
「METs × 体重(kg) × 時間 × 1.05」
METs(以下:メッツ)とは、運動強度を表す単位です。安静にしているときが1メッツで、運動強度が高まるごとに数値が増加します。たとえば、体重60kgの方が、5メッツの運動強度で30分間筋トレを行った場合、以下の計算となります。
5METs × 60kg × 0.5時間 × 1.05 = 157.5(kcal)
このように、自分の体重と運動時間、そして筋トレの強度を当てはめることで、おおよその消費カロリーを把握可能です。ただし、この計算結果はあくまで目安であり、個人の体調や筋トレの内容によって実際の消費カロリーは変動します。
筋トレの消費カロリーの一覧
先ほど解説したように、筋トレの消費カロリーは運動強度や時間などによって変動します。そのため、種目ごとに消費カロリーが決まっているわけではありません。運動強度によるメッツの目安は以下のとおりです。
● ウェイトトレーニング(軽・中等度):3メッツ
● ウェイトトレーニング(高強度):6メッツ
このように、筋トレする場合は、3〜6メッツの範囲を目安に消費カロリーの計算をしてみましょう。
筋トレはカロリー消費するのに向いている?
結論からいうと、筋トレは即時的なカロリー消費にはあまり向いていません。その理由として、筋トレは高強度で短時間の運動が多いからです。一方で、低負荷かつ長時間行う有酸素運動は、運動強度の観点では高いものが多く、筋トレよりも長く行う機会が多いといえます。そのため、即時的なカロリー消費でいうと、筋トレよりも有酸素運動のほうが高い傾向にあります。
しかし、筋トレは長期的にカロリーを消費できるという点がメリットです。筋トレを継続することで筋肉量が増加し、基礎代謝が向上すると、痩せやすい体質につながります。基礎代謝とは、生きるうえで必要な最低限のエネルギー消費量のことで、筋肉量が多いほど高くなるのです。短期的にカロリーを消費したい場合は有酸素運動、長期的な目線を持ちたい場合は筋トレを実施してみましょう。
筋トレを行う際の頻度や回数の目安
筋トレでカロリーをうまく消費するためには、適切な頻度や回数を守りましょう。目安としては、週に2〜3回、各種目10〜15回を1〜3セット実施することが推奨されています。過度な筋トレはケガや筋肉痛につながり、かえってトレーニングの効果を減少させる原因となります。とくに筋トレ初心者の方は、最初は少ない回数からはじめて、徐々に数を増やすことが大切です。
消費カロリーを増やす3つのポイント
トレーニングによって消費カロリーを増やすには、以下の3つのポイントを実践してみましょう。
1. 有酸素運動も行う
2. さまざまな部位の筋トレを行う
3. たんぱく質を十分に摂取する
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.有酸素運動も行う
1つ目が、筋トレに加えて有酸素運動を行うことです。有酸素運動には高い脂肪燃焼効果があり、筋トレと組み合わせることで効率的に消費カロリーを増やせます。有酸素運動の種類としては、以下のとおりです。
● ウォーキング
● ジョギング
● サイクリング
● 水泳
● ヨガ
有酸素運動を行う際は、20分以上を目安にすると脂肪燃焼効果が高まりやすくなります。 また筋トレを先に行うことで代謝が高まり、ダイエット効果の向上が期待できます。余裕がある方は、筋トレと有酸素運動の組み合わせを試してみましょう。
2.さまざまな部位の筋トレを行う
2つ目が、さまざまな部位の筋トレを行うことです。全身の筋肉をバランスよく鍛えることで筋肉量が増えやすくなり、基礎代謝を効率的に上げられます。下半身しか筋トレしていない場合は、上半身や体幹も鍛えるとよいでしょう。また、日によって上半身と下半身の筋トレを切り替えれば、筋肉痛が現れても効率的に筋トレを続けられます。
3.たんぱく質を十分に摂取する
3つ目が、たんぱく質を十分に摂取することです。たんぱく質は筋肉を作っている栄養素の1つです。筋トレによる消費カロリーを増やすためには、たんぱく質の摂取が非常に重要といえます。
たんぱく質が不足している状態で筋トレを行うと、筋肉量をうまく増やせず、結果として消費カロリーの増加が望めません。たんぱく質が豊富に含まれる食べ物は、以下のとおりです。
● 肉類
● 魚介類
● 卵
● 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
● 大豆製品(豆腐、納豆など)
これらの食べ物を日々の食事に積極的に取り入れることで、筋トレの効果を最大限に引き出せます。
すぐに実践できる筋トレメニュー
ここでは、すぐに実践できる筋トレメニューをご紹介します。
プッシュアップ
プッシュアップとは腕立て伏せのことで、大胸筋や腕の筋肉(上腕二頭筋・上腕三頭筋)を鍛えられます。
【プッシュアップのやり方】
1. うつ伏せになり、両手を肩幅程度に広げて床につく
2. 両手と両足で身体を支える
3. 肘を曲げてゆっくりと身体を下げる
4. 胸が床につく直前でもとに戻る
5. 3〜4の手順を繰り返す
スクワット
スクワットは下半身を中心に鍛えられるトレーニングです。
【スクワットのやり方】
1. 足を肩幅程度に広げる
2. つま先と膝を同じ向きにする
3. 背筋を伸ばしたまま膝と股関節を曲げる
4. 膝を90°ほど曲げたらゆっくりともとに戻る
5. 3〜4の手順を繰り返す
関節に負担をかけないように、膝はつま先よりも前に出ないようにしましょう。
クランチ
クランチはあお向けの状態で上体を起こすトレーニングで、腹直筋を鍛えることが可能です。
【クランチのやり方】
1. あお向けになる
2. 両足を上げて股関節と膝関節を90度程度に曲げる
3. 上体を起こして、膝を顔に近づける
4. 上体をゆっくりともとに戻す
5. 3〜4の手順を繰り返す
ヒップリフト
ヒップリフトは、あお向けになってお尻を上げるトレーニングです。ハムストリングスや大殿筋などの筋肉を鍛えられます。
【ヒップリフトのやり方】
1. あお向けになって両膝を立てる
2. ゆっくりとお尻を上げる
3. 上半身と太ももが一直線になるまで上げたら、ゆっくりともとに戻る
4. 2〜3の手順を繰り返す
トレーニングの際はお尻を絞めるようなイメージで行ってみましょう。
筋トレを継続して消費カロリーを増やそう!
筋トレでどのくらいカロリーを消費できるのかを知るためには、運動強度の指標であるメッツを把握しておく必要があります。筋トレは即時的なカロリー消費はあまり期待できませんが、痩せる体質を作ることが可能です。より効率的に痩せたい場合は、有酸素運動と組み合わせるのもおすすめです。トレーニングを行う際は、ぜひカロリー消費の計算式を活用してみましょう。
内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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