リバースプッシュアップはどこに効く?正しいやり方や効果を解説
公開日:2024.12.17
文:織田 ユウヤ(トレーナー)
「二の腕のたるみをすっきり引き締めたい」「自宅で手軽に腕を鍛えたい」そんな方におすすめのトレーニングが、リバースプッシュアップです。リバースプッシュアップは、特別な器具を使わず、筋トレ初心者でも効率的に腕の筋肉を鍛えられます。
しかし「本当に効果があるの?」「どこに効くのかイマイチわからない」 と思う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事ではプロのトレーナーが、リバースプッシュアップの効果や正しいやり方、注意点を詳しく解説していきます。記事を読んでポイントを押さえれば、効果的に二の腕を鍛え、理想の腕に近付くことができるでしょう。
リバースプッシュアップとは?鍛えられる筋肉
リバースプッシュアップは、自宅で手軽に二の腕が鍛えられるトレーニングです。一般的なプッシュアップ(腕立て伏せ)とは異なり、背中の後ろに手を置きます。
リバースプッシュアップは、筋肉が少ない初心者にもおすすめのトレーニングです。腕立て伏せが1回もできない人でも、リバースプッシュアップなら数回できることも少なくありません。
リバースプッシュアップで鍛えられる主な筋肉は以下の3つです。
● 上腕三頭筋
● 三角筋(前部)
● 広背筋
それぞれ詳しく解説します。
上腕三頭筋
上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)とは、腕の後ろ側にある大きな筋肉で、次の3つの部位に分類されます。
● 長頭(ちょうとう)
● 外側頭(がいそくとう)
● 内側頭(ないそくとう)
主な役割は以下の通りです。
● 肘(ひじ)を伸ばす(肘の伸展)
● 腕を後ろに引く(肩の伸展)
上腕三頭筋の「長頭」は肩甲骨に付着しており、「腕を後ろに引く」と「肘を伸ばす」動作で使われる筋肉です。リバースプッシュアップでは主に「長頭」をはじめ、上腕三頭筋の全体をバランス良く鍛えられます。
三角筋(前部)
三角筋(さんかくきん)は、肩の筋肉です。役割の違いにより、以下の3つに分類されます。
● 腕を前に動かす = 三角筋(前部)
● 腕を横に動かす = 三角筋(中部)
● 腕を後ろに動かす= 三角筋(後部)
リバースプッシュアップの「後ろに引いた腕を前に戻す動作」により、三角筋の前部が鍛えられます。ただし大きな負荷はかからないため、三角筋(前部)は補助的に鍛えられると考えておきましょう。
広背筋
広背筋(こうはいきん)は、背中にある面積が広い筋肉です。主な役割は以下の通りです。
● 腕を後ろに引く(肩の伸展)
● 腕を内側にひねる(肩の内旋)
● 体を横に倒す(体幹の側屈)
リバースプッシュアップの場合、腕を後ろへ引く際に、広背筋が使われます。ただし広背筋にかかる負荷も大きくありません。広背筋をメインで鍛えたい場合は、懸垂やラットプルダウンなどを選びましょう。
リバースプッシュアップの効果3選
リバースプッシュアップは、以下の効果が期待できます。
● 二の腕の引き締め
● 猫背の改善
● ダイエット
それぞれ理由を解説していきます。
二の腕の引き締め
二の腕がたるむ原因は、加齢や運動不足による筋肉量の低下と、脂肪の蓄積と考えられています。リバースプッシュアップは、二の腕の筋肉を効果的に鍛えられるトレーニングです。継続することで腕全体の筋肉量が増え、二の腕が引き締まった力強い腕をつくります。
猫背の改善
一般的に猫背とは、肩が内側に入り込み、背中が丸まった姿勢を指します。猫背の原因の1つは、胸の筋肉が硬くなり、縮こまってしまうことと考えられています。リバースプッシュアップを正しいフォームで行うことで、胸部がストレッチされ、硬くなった筋肉の柔軟性が向上します。その結果、胸が開いた状態を維持しやすくなり、猫背の改善が期待できます。
ダイエット
ダイエットにおいて重要なポイントは、摂取カロリーを抑え、消費カロリーを増やすことです。運動により、いかに多くのエネルギーを消費するかが成功のカギです。リバースプッシュアップは、上腕三頭筋をはじめ、全身の筋肉を使うトレーニングです。そのため自然と消費カロリーも高まります。リバースプッシュアップは筋肉を鍛えるだけでなく、ダイエットを効果的にサポートしてくれると言えるでしょう。
リバースプッシュアップのやり方
それでは、リバースプッシュアップの正しいやり方を解説します。わかりやすいよう、以下の3つのパートに分けました。
● 準備
● 動作
● ポイント
1つずつ進めていくことで、初心者でも効果的に腕を鍛えられます。
準備
まずは次の手順で、トレーニングの準備をしましょう。
1. 安定感のある椅子やベンチを用意します
2. 椅子と体の間に、腕1本分ほどのスペースを空けて立ちます
3. 肩幅より少し広めに、椅子の端に手をつきます
4. 体が斜め一直線になるように、足を前に伸ばします
これで動作の準備が完了です。足を伸ばす姿勢がつらい場合は、ひざを軽く曲げても問題ありません。できるだけ胸を張り、肩甲骨を寄せておきます。
動作
準備ができたら、以下の流れで体を動かしていきます。
1. 肘を曲げながら、ゆっくりと体を下げていきます
2. 肘を伸ばしながら、元の姿勢に戻ります
3. 10〜15回を1セットとして、2〜3セット繰り返します
肘を曲げるときに息を吸い、伸ばすときに吐きましょう。また、上腕三頭筋を意識することも重要です。筋力には個人差があるため、無理のない回数を設定しましょう。
ポイント
以下のポイントを意識すると、トレーニングの効果が高まります。
● 肘を90度以上曲げる
● 胸を張った姿勢を保つ
● 上腕三頭筋を意識する
リバースプッシュアップで効果が出ない原因の1つが、肘が十分に曲がっていないことです。肘の角度が最低でも90度になるまで、しっかりと曲げましょう。また、胸を張った姿勢を保つことも重要です。背中が丸くなると、筋肉への刺激が減少してしまいます。そして、鍛えている筋肉を意識することも、筋トレの効果を高めるポイントです。動作中は、上腕三頭筋を使うことに集中しましょう。
リバースプッシュアップの注意点
リバースプッシュアップは、やり方を間違えると、関節を痛める可能性があります。以下の点に注意して、安全にトレーニングを進めましょう。
● 肘を外に開かない
● 肩を前に出さない
● 呼吸を止めない
それぞれ詳しく解説します。
肘を外に開かない
リバースプッシュアップの動作中は、肘を外に開かないようにします。肘が外を向き、脇が開いた状態は、肘の関節やじん帯にストレスがかかってしまうからです。具体的には肘を曲げて体を下げたときに、腕と体の角度が約30度になるようにします。角度がわかりにくい場合は、肘を後ろに向けて、腕と体の間に少しだけスペースをつくるようにします。
肩を前に出さない
肩の位置にも注意が必要です。肩が前に出てしまうと、肩関節周辺のじん帯を痛める危険があるからです。肩甲骨を寄せて胸を張り、肩を後ろに引いた姿勢でリバースプッシュアップを行いましょう。どうしても肩が前に出てしまう人は、柔軟性不足が原因かもしれません。その場合は、肩まわりの可動域を広げるために、毎日ストレッチを行うことをおすすめします。
呼吸を止めない
呼吸を止めないことも重要なポイントです。息を止めると血圧が上昇し、血管や心臓にかかる負担が高くなります。また、呼吸にあわせて動くことで胸を張りやすくなり、効果的なトレーニングができます。
リバースプッシュアップでは、体を下げる(肘を曲げる)ときに息を吸い、上げる(肘を伸ばす)ときに吐きましょう。
まとめ
今回は、リバースプッシュアップについて解説しました。リバースプッシュアップは、自宅で手軽に二の腕の筋肉を鍛えられる効果的なトレーニングです。記事で紹介した正しいフォームで行うことで、初心者の方でも短期間で効果を期待できるでしょう。
ぜひ今日からリバースプッシュアップを取り入れて、すっきりと引き締まった理想の二の腕を手に入れてくださいね。
織田 ユウヤ
順天堂大学スポーツ科学部スポーツマーケティング学科卒業。スポーツショップやフィットネスメーカーの勤務を経て、スポーツジムやメディカルフィットネスジムでトレーナー兼マネージャーを務める。トレーナー歴は15年以上。
各種トレーナー資格、健康運動指導士、NSCA-CPTなどの資格を保有
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