バーベルカールの正しいやり方は?効果を上げるポイントや鍛えられる部位について解説!
公開日:2025.03.20
文:原田ゆうか/理学療法士
たくましい二の腕をつくったり、二の腕を引き締めたりするのにおすすめのトレーニングが「バーベルカール」です。
「上腕二頭筋」や「上腕筋」、「腕橈骨筋(わんとうこつきん)」が鍛えられますが、腕全体に負荷のかかるトレーニングなので、誤ったやり方では十分な効果が得られない可能性もあります。
そこで今回は、バーベルカールの正しいやり方や鍛えられる部位のほか、効果を上げるポイントについて詳しく解説します。筋トレの効果が思うように出ないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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バーベルカールの効果と鍛えられる部位
バーベルカールは、肘を曲げながらバーベルをもち上げ「力こぶ」の部分に当たる筋肉を鍛えるトレーニングです。
トレーニングを続けることで、腕全体を大きく太く見せることができます。スラっと引き締まった二の腕を目指したい場合は、低重量で回数を増やすのがおすすめです。バーベルカールは腕以外の筋肉にはあまり負荷がかからないため、腕を集中的に鍛えるのに効果的です。
ここからは、バーベルカールで鍛えられる「上腕二頭筋」「上腕筋」「腕橈骨筋(わんとうこつきん)」の3つの筋肉について詳しく解説します。
1.上腕二頭筋
上腕二頭筋は肩から肘までつながった筋肉で、肘の曲げ伸ばしに関わっています。長頭と短頭の2つの部分から構成され、体の外側に位置するのが「長頭」、内側に位置するのが「短頭」です。
上腕二頭筋を鍛えることで、「腕が太くなる」「力こぶができる」などの効果が期待できます。さらに、ほかの筋肉への負荷を軽減できるため、スポーツをする際のけがの予防やパフォーマンスの向上にもつながります。
2.上腕筋
上腕筋は、上腕二頭筋の深部に位置する筋肉で、肘の内側から上腕二頭筋を補助する役割があります。バーベルカールでは上腕筋にも負荷がかかるため、上腕二頭筋を深部から盛り上げ、力こぶをさらに大きく見せることができます。
3.腕橈骨筋(わんとうこつきん)
腕橈骨筋(わんとうこつきん)は肘から手首にかけての前腕部分にある筋肉です。バーベルカールでは、上腕の筋肉だけではなく、腕橈骨筋も鍛えることができます。腕橈骨筋は肘の曲げ伸ばしや手首の動きに関わっており、「もち上げる」「握る」「引き寄せる」などの日常生活動作に不可欠な存在です。
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バーベルカールの正しいやり方
ここからは、バーベルカールの正しい方法について解説します。今回は、トレーニング初心者でも安心して行える「ストレートバー」を用いた方法と、重量・回数の適切な設定方法も説明します。
ストレートバーを用いた正しいフォーム
2. 胸を張り背筋を伸ばして、ひざと股関節を軽く曲げ、おなかをへこますイメージで力を入れる
3. 上腕と肘を体の側面から離さないように、息を吐きながら肘を曲げて、前腕部が45度の角度になるまで胸のほうへと引き上げる
4. 引き上げた状態で動作を一時停止し、筋肉に負荷をかけたまま、ゆっくりとバーベルを下ろし、スタートポジションに戻る
重量・回数の適切な設定方法
トレーニングを行う際は、けがを防ぐためにも、自分に合った重量や回数の設定が重要です。
基本的には、10回で限界となる重量にし、1分間のインターバルをはさんで3〜5セット行うのが目安となりますが、トレーニングの目的に応じて、重量や回数を変えていきましょう。以下の表でトレーニングの目的別の重量・回数を紹介します。
トレーニングの目的 | 目安となる重量 |
筋肥大・バルクアップが目的の場合 | 10回で限界となる重量 |
普通のトレーニングの場合 | 15回で限界となる重量 |
筋肉の持久力向上・ダイエットが目的の場合 | 20回で限界となる重量 |
バーベルカールを初めて行う場合、重量の目安がわからないという方も多いかもしれません。一般的に男性のバーベルカールの平均重量は20〜30kgと言われています。
トレーニング初心者の方や女性の場合は、10~20kg程度からはじめていきましょう。難しい場合は重量を減らし、余裕がある場合は少しずつ重量を増やします。
トレーニングは正しいフォームを維持することが大切です。重すぎる負荷や回数は、フォームがくずれて効果的なトレーニングにならなかったり、けがにつながることもあります。正しいフォームを保つことを優先して、安全かつ効率良くトレーニングを行いましょう。
バーベルカールの効果を上げる2つのポイント
トレーニングをより効果的にするための2つのポイントを紹介します。
1.肘と手首をしっかりと固定する
バーベルカールを効果的に行うためには、肘と手首を正確な位置で固定することが重要です。肘の位置が後ろに下がらないように体の側面に固定し、動作中も前後に動かないように意識することで、上腕二頭筋に集中的に負荷をかけられます。
手首が固定されていないと筋肉や関節に大きな負荷がかかり、けがの原因となる可能性もあります。バーベルをもち上げる際には手首をしっかりと固定し、内側に丸まらないように意識すると良いでしょう。また、手首を安定させるためには「リストラップ」の使用も効果的です。
2.反動をつけず常に同じ速度で行う
バーベルカールはバーベルの重さを使って行うトレーニングのため、その重さを利用して反動をつけてしまう人もいます。しかし、反動を使ってしまうことで筋肉への負荷は少なくなり、期待する効果が得られません。バーベルは、常に同じ速度で上げ下げするように意識しましょう。
また、反動をつけないと上がらないほどだとしたら、負荷が重すぎることも考えられます。無理せず適切な重量に調整しましょう。
バーベルカールの注意点
バーベルカールのトレーニング効果を高め、けがを予防するために、以下の3つのポイントに注意しましょう。
2. 頭部を前方に動かさない
3. 呼吸を止めないように意識する
上記のようなポイントを意識することで、トレーニングの効果をより高めます。また、手首を固定する「リストラップ」や、腰を反らせない「トレーニングベルト」などのグッズを活用するのもおすすめです。自分に合った方法で、効率的かつ安全なトレーニングを実践してくださいね。
まとめ
今回は、バーベルカールの正しいやり方や鍛えられる部位、効果を上げるポイントについて詳しく解説しました。
バーベルカールを安全に、かつ効率良く行うには、正しいフォームを維持し、最適な重量・回数で行うことが大切です。トレーニングを継続して行うことで、大きく太い腕やスラッと引き締まった二の腕を目指せます。ぜひ本記事を参考にトレーニングを実践して、理想の体を目指してくださいね。
腕の筋肉を鍛えるには、今回紹介したバーベルカールのほかにもさまざまなトレーニング方法があります。セラピストプラスでは、さまざまなトレーニング方法やコツを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
<参考文献>
升佑二郎. アームカール動作における上腕筋活動の左右差に関する分析. 健康科学大学紀要. 2105, 第11号, p.101-108

原田ゆうか
医療系の学校で解剖生理学や運動学をはじめとする専門知識を学び、理学療法士資格を取得。その後、総合病院や介護施設などでリハビリテーションを担当。現在は今までの経験と知識をいかしてライターとして活動中。より多くの人が健康について興味がもてるよう、わかりやすい言葉での発信を心がけている。
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