お花見に歓送迎会。セラピストが身に付けたい飲み会マナー
公開日:2016.04.01 更新日:2016.04.11
春はお花見に歓送迎会と、何かと飲み会が続く時期。お酒の場は無礼講になりがちですが、最低限のマナーを心得つつ、普段職場で聞けないような「ワークライフバランスをどうとっているか」「キャリアアップのための勉強をどうしているか」などを先輩に聞いたり、あまり関わりがない部署の人と情報交換したりするなど、何かを得て帰りたいものです。節度のある過ごし方によって、周囲からの評価は上がるはず。飲み会というフランクな時間だからこそ、ふだんの業務ではつかめないチャンスを手に入れられる可能性もあります。セラピストとして有意義な時間を過ごすために身に付けておきたい飲み会のマナーをお伝えします。
飲み会マナーの基本
職場の飲み会は仕事の一部のようなものです。社会人たるもの、タガを外して飲むのは控えたいところ。日頃お世話になっている上司や先輩はもちろん、同僚や後輩との親睦を深めるためにも礼儀を忘れないようにしましょう。
特に、飲酒の強要や一気飲みなどのアルコールハラスメントは、場合によっては命に関わります。セラピストとして本末転倒。高圧的な態度で無理にお酒をすすめることは決してやってはいけませんし、自分がそんなことをしなくても、お酒が飲めない人や弱い人も楽しく過ごせる場にすることが大切です。
基本的なルールはもちろんですが、もう一歩進んで、席順やお酌の方法に関する正しいマナーも知っておきたいところ。正しく理解したうえで実践することで、人間性の評価も高まります。マナーを覚えてデキるセラピストを目指しましょう!
上座、下座と礼法にかなった動作
飲み会に行くと、気になるのが座る席です。決められている場合は従えばよいのですが、自由に座るとなると悩んでしまいます。そこで覚えておきたいのが「上座、下座」の関係です。
一般的に、上座は地位の高い人が座り、下座に向かって並んでいきます。上座は出入り口から一番遠い席、出入り口から一番近いのが下座です。
日本間の場合、床の間を背にした席、または、床の間がある側の奥を上座と覚えておけば安心です。床の間がない場合は、飾り物や額などがある側、見晴らしのよい席などを上座ととらえるとよいでしょう。
座敷で立ち上がる時は下座側の膝を立てて立つのがベター、畳の縁や敷居を踏んではいけません。
お酌回りは上座から順に
挨拶を兼ねてお酌回りをする場合があります。強制ではありませんが、話のきっかけとしては効果的です。この時も上座から順に回りましょう。行き先にない場合仕方ないですが、手にビール瓶やおちょうしを持ったまま移動するのではなく、その席にあるお酒を注ぐのがベターです。ビールの場合、瓶はラベルが見えるように上に向けて持ち、反対の手はラベル裏に添え、少し高めの位置から注ぐときれいに見えます。自分がお酌を受けるときは、注がれたお酒をそのままにするのは失礼にあたります。ひと口でもよいので必ずその場でグラスに口をつけましょう。
セラピストとして分別ある飲み方を
医療従事者であるセラピストですから、たとえ飲み会の場でも、下品な姿を見せたり騒ぎを起こしたりしたくはないですよね。どこで患者さんが見ているかもわかりませんし、失態を演じてしまうと自分自身も正気に戻ってがっくり。勤務先の評判も落としかねません。完全にしらふでほろ酔いの人に冷たく対応するのもなんなので、周囲の盛り上がりように合わせたいですが、アルコールが入ると理性が効きにくくなるため、プライベートのような飲み方にならないよう十分注意しましょう。
翌日に仕事がある場合は、身体に残らないような飲み方を。二日酔い状態で患者さんに接することがないように、節度ある飲み方を心がけましょう。空きっ腹で飲まないよう、アルコールの前に少し食べ物を胃に入れておきたいですが、できない場合は先に乳飲料を一本飲んでおくだけでも違います。二日酔いの予防として、飲み会前後や最中に水を十分に飲むこともお忘れなく。悪酔い成分の分解をサポートするみかんなどのかんきつ類もおすすめです。大量に飲んでしまった場合は水を飲みつつ吐いてしまったほうが翌朝には残りません。
飲み会でキャリアアップ!? 情報収集とネットワークの形成を
飲み会で深めた親睦は、仕事につながる可能性を秘めています。仕事場ではみんな忙しそうで、長くかかる相談をするのはためらいますが、お酒の席だからこそふだんできない話ができたり、知らない一面が見えたりすることも。自分とは上手くいかない患者さんを介護しても不思議と仲良くできる先輩や、独特の技術を持っている後輩に手技のコツを聞いてみても良いでしょう。より親密な関係を築くことができれば、今後の業務にもよい影響が期待できます。お酒の力を借りつつ、上司に悩みを相談したり部下のやる気を引き出したりして、一歩踏み込んだ関係づくりを目指しましょう。
くわえて、飲み会は新たなネットワークをつくるチャンスでもあります。これまで関わりが薄かった人や他職種の人にも話しかけ、人脈の拡大にも努めたいですね。仕事に生かせる新たな情報を入手できることも多いので、積極的に色々な人とコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか。
充実した飲み会で明日への士気を高めて
職場の飲み会は、スタッフが今後よりよい環境で働くための貴重な交流の場です。お花見や歓送迎会など開かれる目的はそれぞれ異なりますが、同じ楽しい時間を過ごすことで、親睦は深まります。ただし、新人や地位の低いスタッフ、お酒の弱い人は、その時間に強いストレスを感じることもありえます。セラピストらしい気遣いも見せて、参加者全員が気持ちよく過ごせるように配慮しながら楽しみたいですね。
【参考URL】
- 韓国ではつぎ足しはNG 「仕事力」上げる酒席マナー |日本経済新聞
- 飲酒マナー|アサヒビール
- 飲み過ぎに注意|サッポロビール株式会社
- 「ビジネスマナー ~基本編~」|ホームメイトマンスリー
- 知っていて損はない、飲み会のマナーあれこれ|マイナビニュース
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