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報連相ができない原因は?苦手に感じる理由と改善のポイント【第64回】

公開日:2022.02.14 更新日:2024.01.11

報連相ができない原因は?苦手に感じる理由と改善のポイント

文:村尾 孝子
薬剤師/医療接遇コミュニケーションコンサルタント

社会人の基本とも言われる「報連相=報告連絡相談」。重要だと分かっていても、実は苦手…というセラピストは少なくありません。

特に入職したての頃は「どのタイミングで報連相すればいいのかわからない」「先輩から報連相が足りないと言われた」「大切と分かっていても、忙しくてつい忘れてしまう」などと悩む人も多いかもしれません。

今回は、報連相ができない理由と改善ポイントについて取り上げてみます。

報連相が職場に必要な理由

「報連相=報告連絡相談」は、職場で業務を効率よく進め、問題を共有して素早く対応するために欠かせないコミュニケーションです。セラピストの場合、多くの上司や先輩はプレイングマネージャー、つまり自分も患者さん応対などの業務を担当しながら、部下の働き方を見て指示を出したり進捗を確認して調整したりしています。

上司が施術しているとき、部下が指示通りに動いているのか見に行くのは難しいため、部下からの報連相があれば適切な判断が可能になります。

セラピストも他の医療職と同じようにチームで動いていますから、チームが一体となって安心安全かつ効率的に患者さん応対をするために、報連相は絶対に必要なコミュニケーションなのです。

報連相ができない理由は?苦手に感じる人の共通点

新人をはじめとして、報連相ができない、報連相が苦手、と思う人は少なくありません。人それぞれ抱える事情や考え方は異なりますが、苦手な人にはいくつか共通の理由が見えてきます。

1.報連相の重要性を理解していない

報連相が職場でなぜ重要なのか理解していないために、報連相を面倒に感じたり、報連相なんて時間の無駄、と考えたりするのだと思います。当然、報連相の習慣はいつまでたっても身につきません。

2.上司に伝えることを恐れている

報連相ができない人には、上司に報連相することを恐れたり怖がったりしている人が少なくありません。報告したら、何か質問されて答えられないのではないか。間違っていると指摘されたらどうしよう。上司と何を話せばいいのか分からない、等々。

報連相は上司が現状を把握し、次の指示を出すために欠かせないコミュニケーションですが、報連相ができない部下からすると、報連相=叱られる、注意される、のような間違った思い込みが強いようです。

3.報連相のタイミングが分からない

報連相の声をかけると、上司の仕事が止まってしまう…上司の仕事の邪魔をしてしまうのは申し訳ない、と考えて、報連相のタイミングを逃してしまう人は少なくありません。

ですが、報連相が業務を円滑に進めるために欠かせないのはもちろんのこと、上司は部下が何に困り、何をやろうとしているのか、把握しなければ適切な指示を出すこともできません。

中には、上司に頼らなくても自分でなんとかできると思って、報連相のタイミングを逃してしまう人もいます。独りよがりに陥り、それがミスにつながることもあり得ます。自信を持つのはいいことですが、状況により周囲の意見を聞く心の余裕も必要です。

報連相ができない人の改善ポイント

報連相ができない原因は?苦手に感じる理由と改善のポイント
一人前のセラピストになるためには、職場での報連相が上手にできるようになることは必須です。仕事はチームで行うものだからです。経験豊富な人も新人も、チーム医療を成り立たせるためにホウレンソウが欠かせないと理解しましょう。

そこで、報連相ができない人に心がけてほしい改善ポイントをまとめてみます。

1.報連相は業務に必要なコミュニケーションであると理解する

報連相をしなくても仕事はできると思っている人、上司や先輩に頼らなくても自分ひとりで何でもできると思っている人は、報連相の重要性をあらためて理解しなおしてほしいと思います。

たとえば、体調不良等で急に業務ができなくなった時、報連相があれば、上司や同僚がフォローしてくれるでしょう。一人で抱え込んで報連相がなければ、業務が滞ったり問題が長引いたりすることを肝に銘じてほしいと思います。

2.小さなことも報告する習慣をつける

報告は、困ったとき、問題が起こったとき、ミスをしたときなどにするもの、と思っている人がいるかもしれません。しかし、上司はいつどこで何をしているのかを知りたいと思っています。

業務が滞りなく進んでいるか、悩みを抱えていないか、問題が起こっていないか、などといつも気に掛けているのです。こんなこと言わなくてもわかるだろう、と思っても、上司は気づかないかもしれません。小さなことでも、これは上司が知っておいた方がいいだろう、と思う事柄であれば、素早く報告する習慣を付けましょう。

はじめは過剰に感じるかもしれませんが、繰り返していくうちに、報告が必要かどうかを冷静に判断できるようになります。

3.報連相を切り出すときは、クッション言葉を使う

上司の仕事の邪魔をするのではないか、仕事の手を止めさせては申し訳ない、などと思って、報連相のタイミングを逃してしまいがちな人におすすめしたいのが、クッション言葉を使って話を切り出す方法です。

「お忙しいところ申し訳ありませんが」「恐れ入りますが、少しお時間よろしいでしょうか」などのクッション言葉を使って話し始めることで、上司への気遣いが伝わります。仕事の途中に申し訳ない、という気持ちを言葉にして伝えることができれば、タイミングで悩むことも少なくなると思います。

「○○の件でご報告したいことがあるのですが…」「〇〇について、相談するお時間をいただけませんか」など、先に用件を伝えることで上司も返答しやすくなります。

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4.相手の立場になって考えてみる

自分の考えにとらわれていると、報連相の必要性に気付かないかもしれません。報連相によって、職場全体にどのような影響があるのか。上司の立場だったら今のこの状況で何を報連相してほしいと思うだろうか…。職場、上司、先輩や同僚がそれぞれの立場や状況で、何を知りたいと思うか想像してみましょう。

自分では必要ないと思うことも、相手の立場では知りたいと思うかもしれません。

5.報連相の手段とタイミングはいろいろ

報連相が苦手と思っている人は、報連相を対面で直接伝えるもの、と思い込んでいるかもしれません。確かに、上司への報連相は、対面でおこなうのが一番理想的でしょう。しかし、コミュニケーションンの手段は、メモ、電話、メールなど多岐にわたります。

上司が外出することが多く、どうしても対面で伝えられないときは、急ぎの案件であれば電話やメール、急がない場合はメモを書いて渡す方法もあります。

また、報告するタイミングについても、よく検討しましょう。施術中に声をかけるのはもちろん控えますが、上司が同僚等と話している時は、対話が終わるまで待ちましょう。急用の場合は、「お話中恐れ入ります。ご報告したいことがあるのですが…」のように、割り込んで話しかけて申し訳ない、という気持ちを伝えた上で用件を伝えましょう。

「上司に声をかける勇気がなくてタイミングを逃してしまう」という人には、時間や曜日を決めてホウレンソウをおこなう習慣をつけることをおすすめします。

改善点を意識して報連相上手を目指そう

苦手意識が強いままでは、いつまでたっても報連相は上達しません。慣れるまでは方法や手段にこだわらず、いつでも思いついたときに、上司や同僚と情報共有する姿勢を持ちましょう。

少しずつ報連相を繰り返して、報連相上手を目指してほしいと思います。

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村尾 孝子(むらお たかこ)

薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。

マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。

株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/

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