職場の懇親会マナー(ランチ会・飲み会)【第67回】
公開日:2022.05.25 更新日:2023.05.09
文:村尾 孝子
薬剤師/医療接遇コミュニケーションコンサルタント
新年度に入ると、職場の歓迎会や飲み会、ランチ会等に誘われる機会が増えると思います。職場の懇親会はスタッフ間のコミュニケーションが活発に行われる場ですが、セラピストとして分別がある行動が欠かせません。今回は、職場の懇親会で気を付けたい飲み会マナーのポイントをご紹介します。
職場の飲み会は、スタッフ間の相互理解を深める場。新人にとっては、先輩の人柄などに触れる絶好の機会です。一方、上司や先輩は飲み会が始まる前から新人の言動を見ていますから、飲み会のマナーをしっかり覚えましょう。
職場の懇親会で知っておきたい飲み会マナー
1.できるだけ出席しましょう
出席したくないと考える人も多い職場の飲み会ですが、そこで得られるメリットは少なくありません。
職場の一体感を高め交流関係を広げる。失敗談や先輩たちが今の仕事を選んだきっかけ、セラピストとして目標とする先輩がいれば施術のコツなどを聞いてみるなど、仕事中には聞けない話ができるのも、お酒の席ならでは。打ち解けた雰囲気の中で、普段できない情報交換により気づきを得る絶好の機会です。
出席の際は、時間厳守。新人は上司や先輩より先にお店に到着して待っているのがベストです。
2.席次マナー
飲み会で迷うことの多い席順。一般的には、地位の高い人が上座に座り。上座は出入り口から一番遠い席、出入り口から一番近いのが下座です。
業務後に急いで会場へ向かう場合など、上司といっしょにタクシーに乗る場合も、上座下座を覚えておくと慌てることがありません。詳しくは過去回「職場での宴会席次・マナー」を参考にしてください。
3.お酌と乾杯マナー
お酌や乾杯の仕方にも「酒席でのマナー」があります。
挨拶を兼ねてお酌まわりをするときは上座から順に回る。自分がお酌を受けるときは、ひと口でも構わないので、必ずその場でグラスに口をつける。目上の方からお酌をしてもらう時は、必ず両手でグラスを持つ。乾杯するときは、グラスの位置を目上の方より低く持つ、等々しっかり覚えましょう。
また、楽しいお酒の席でもセラピストとして羽目を外すことがないように、振る舞いや言動には要注意。二日酔いで患者さんに接することがないよう、飲み過ぎにも十分気を付けましょう。
4.無礼講と言われたら?
上司が「今日は無礼講で」などと言うことがありますが、何をしてもいいわけではありません。無礼講とは、地位や身分の上下を気にせずに楽しむ宴会です。礼儀作法や堅苦しいことを抜きにしていい=何をしてもいいという意味ではありません。
職場の飲み会は仕事の延長線上にあることを忘れず、いつも通りの敬語を交えた言葉遣いや態度で先輩たちと気軽にコミュニケーションすれば人としての評価も高まります。
5.職場の懇親会での話題
料理への批判などネガティブな話題は、場の雰囲気が悪くなるのでNGです。批評批判や議論は避けて、先輩や同僚と親しく打ち解けて交流を深める場と心得ましょう。
職場の愚痴や業務への不満などを控えるのはもちろんのこと、特に気を付けたいのは業務内容や患者さん個別の話題について。場が盛り上がってくると気が緩んでしまいがちですが、隣の部屋で患者さんが聞いていないとも限りませんから、個人情報漏洩につながる話題はNG。懇親会に関する話題をSNSで発信することも厳禁です。
6.飲み会の後は、必ずお礼を伝えましょう
飲み会の翌日以降、出席した人にお礼の言葉を伝えましょう。「昨日はためになるお話をありがとうございます」などと伝えると、相手も嬉しい気持ちになります。上司や先輩からの信頼が増し職場でのコミュニケーションが一層良好になるでしょう。
以上、職場の飲み会のマナーをまとめてみました。 仕事の延長とはいえ、マナーを守り全員で楽しい時間を過ごして、上司や同僚との親睦を深めてほしいと思います。
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村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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